fbpx
2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

車椅子ユーザーと外出介助のプロが巡る、美山の体験型ツアー(2)

今回も美山の魅力をたっぷりお届けします!

前回、介護旅行ナビさん主催によるエクスカーション(体験型ミニツアー)の前編をお届けしました。(企画・実施:鹿児島県旅行業協同組合 ふた旅魅旅、企画協力:日置市、日置市観光協会)

前編はこちら>>「車椅子ユーザーと外出介助のプロが巡る、美山の体験型ツアー(1)」

紅葉も美しかった美山。
今回の後編は、その景色も楽しみながら感じた想いをお届けします。
ぜひ、ご覧ください♪

沈壽官(ちんじゅかん)窯

沈壽官窯は薩摩焼を牽引する窯元です。

散策風景

この日は職人さんが休息日だったため、外を散策しました。

※クリックすると、画像は拡大されます。

溝や段差、砂利が敷かれている箇所もありますので、足元に気をつけながら進みました。


モノクロの建物と柿のコントラストに見入った後、立札に気付いてニンマリ!

建物自体も圧巻で、格子内に大きな薩摩焼が並んでいました。

築100年の登り窯、製作工程

現在、普段は電気窯を使われているそうですが、美山窯元祭りの3日間のみ登り窯が使用されます。
建物の前に並んでいたような大きなサイズのものは、登り窯でしか作れないのだそうです。

100年前に建てられた窯の周りは、赤松の薪がたくさん!
窯詰めに3日間、1300度まで熱するという窯の内部で焼くこと3日間、そして冷却に3日間もの時間を掛けて、作品は窯から出されます。
その時間と労力を経て、職人さんの技術を持って尚、登り窯で納得のいくものを焼くことはむずかしいのだといいます。

職人の思いが込められた薩摩焼、ぜひご堪能ください

また、沈壽官窯は今年、ニコライ二世に献上した壺を1年半かけて再現しました。
壺に描かれた絵は絵付師がおひとりで描かれたもので、その絵の意味、十五代目の思いなどを観光協会の方が話してくださり、胸が熱くなりました。
通常、献上された壺はロシアの美術館で保管されていますが、なんと現在、黎明館で展示されているそうです!
「華麗なる薩摩焼」展 2018年12月25日~2019年2月24日
日本と朝鮮2ヵ国の歴史と思い、その技術を実際に観ていただきたいです。
わたしもじっくりと拝見します!

また、わたしは沈壽官窯のインスタグラムをフォローしています。
薩摩焼の歴史や制作の様子を写真つきで知ることが出来、とてもおもしろいです♪
興味を持たれた方は、ご覧になってみてください。

古民家カフェ 日和(ひより)

沈壽官窯を出て、バスで着いた先は古民家カフェ 日和

外観も店内もレトロな雰囲気。
欄間や薪ストーブ、黒電話などが置いてあり、思わず「ただいま!」と言いたくなるような、懐かしい気持ちになります。

オーナーさんは、以前介護福祉士として働いていらっしゃったそうで、入口も入りやすくお手洗いは2つありました。

お手洗い

車椅子ユーザーは、入って左側のお手洗いが入りやすいです。

洗面所の下にパイプはありますが、足が入るので手が洗いやすかったです。
また、お手洗い内には子ども用の便座も用意されていました。

店内の様子

テーブルには調味料や爪楊枝などが置かないようになっており、テーブル席の他に広いお座敷もあるので車椅子ユーザーだけでなく、子どもやお年寄りもゆっくり過ごせそうです。
ご飯はボリューム満点!さまざまなお料理と、食後にはスイーツと飲み物も頂きました。
器も素敵で、参加された皆さんとおしゃべりしながら美味しく、楽しい時間を過ごしました♪

店内には手作りの雑貨やお菓子、ハーブティーなどが販売されており、わたしもお土産に紅茶に入れるバラの蕾を購入しました。

移動中も楽しいバスツアー!

また、バスの車内では美山のみかんやお菓子、伊豆からいらした方からは大きなみかんつるし飾りのお守りを頂きました。

桃の形をしたつるし飾りには、子宝や延命長寿などの願いが込められているそうです。
ガイドさんのお話を聞いて風景を眺めながら、頂くみかん。
これぞ、バスツアー!

万世特攻平和祈念館

エクスカーション、最後に訪れた場所は万世特攻平和祈念館でした。

旧万世飛行場が使用されたのは、終戦間際の4ヶ月
しかし、その期間で17歳の少年を含む201名が沖縄へ出撃したといいます。

万世特攻平和祈念館には、南さつま市のツアーの際にも訪れました。
ツアー体験から鹿児島のユニバーサルツーリズムを考える
南さつま市のバスツアーを体験!電動車椅子ユーザーのレポ
秋の深まりに夏の思い出『夏の南さつま市、半端ないツアー2018』

語り部さんのお話

今回も語り部さんからお話を伺えました。
わたしは、この言葉がいまも心に残っています。
「飛行機の燃料は片道分だったといわれていますが、それは違ったようです。
飛行機のバランスを取るため、突撃した際に少しでも威力が増すよう、燃料は満タンだったといいます。
片道切符だったのは、特攻隊員の命のことだったのでしょう。」
飛行兵の遺影や丁寧に書かれた血書、遺品を見ることは、やはり胸が詰まりました。
年内に再度伺えたことで、決して忘れてはいけない出来事で、平和について改めて考えさせられました。
多くの人に知ってほしい、訪れてほしい場所です。

終わりに

万世特攻平和祈念館を出て、吹上砂丘荘に着くと日置市観光ガイド協会の方々が笑顔でお出迎えしてくださいました。


エクスカーションは、ここで終了。
続いて、吹上砂浜荘では講演会が行われました。
講演会の様子は、こちらの記事よりご覧ください。
青森&鹿児島「旅」をキーワードにしたつながるフォーラム

エクスカーション(体験型ミニツアー)に参加して

美山には半日ほどの滞在でしたが、楽しさがぎゅっ!と詰まった、とても魅力あるところだと感じました。
陶芸に触れ、さまざまな作品を見て、おいしいものを食べて、自然を満喫する。
鹿児島市から車で30分ほどの距離ですので、気持ちをリフレッシュしたいときに訪れたくなる場所です。

そして今回、青森・千葉・東京・神奈川・静岡・愛媛、そして鹿児島といった旅行関係、介護関係の方々の出会いがありました。
そんな外出介助のプロとご一緒して感じたことは安心感と、工夫と視点を変えることで世界が広がるということです。
旅行や遠出の醍醐味は、やはりその土地ならではの空気、体験を楽しむことです。
しかし、これまでのわたしの旅行は道路が整備され、確実に移動やお手洗いが可能な場所を選ぶことが多く、十分にその土地を楽しんでいたとはいえませんでした。
「今回行く場所は、完全にバリアフリーな場所ではありません。だけど、行かなければ変わらない。伝わらない。介助する人はたくさんいるから、楽しみましょう!」という主催された方の言葉に、どれほど安心したことでしょう。

たしかに今回行った場所は、物理的には特別バリアフリーな場所といえませんでした。
しかし、オーナーさん手作りのスロープやお手洗いを拝見し、「また、ぜひ来てください」などの言葉を頂き、そこにバリアは感じられませんでした。
添乗員の方も特別扱いせず、自由にさせてくれて、迎えてくださるその姿勢やみなさんと一緒にどうしたら車椅子ユーザーがさらに楽しめるかを考えられたことが、とても嬉しかったです。
おかげで楽しい時間を過ごせました♪
今回のわたしの体験が、他の車椅子ユーザーの出掛けるきっかけのひとつになったら、とも思います。

少しでも多くの人が、行きたい場所へ出掛けられますよう。

(主催:介護旅行ナビ 堤玲子さま)

最新情報を購読しよう!

就労継続支援・就労移行支援事業者様へ

HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。

1 Comment

現在コメントは受け付けておりません。