fbpx
2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

もし、精神疾患で職場に行けなくなったなら

誰でも精神疾患になる可能性はあると思います。

もし、精神疾患で職場に行けなくなったなら、どういう選択をしていったらいいのかなんて、あまり考えたくないテーマかもしれません。でも、誰でもうつ病や統合失調症などの精神疾患になる可能性はあります。人生のうちで6、7人に1人は精神疾患にかかるともいわれています。「精神疾患で仕事ができなくなった。休まなくてはならない」ここの選択次第で後の人生は随分かわってくると思います。

うつ病再発。そして休職

5年前の今頃、私は働いていた病院に行けなくなり休職していました。うつ病が再発してしまい、起き上がることもままならない状態になってしまったからです。当時のことを思い出すときがたまにあります。

休職時を振り返って

私の経験したこと、チョイスしてきたことはあまりいいものではなかったなと思います。自分の苦しさしか感じなくて、まわりが全然見えなくて、人にいっぱい迷惑をかけて。関わってくれた方に謝れるなら謝りたい気持ちでいっぱいです。

より良い選択ができれば

できることなら、私みたいな経験をしないでほしいですし、精神疾患で仕事を休まなくてはならなくなっても、より良い選択ができればリカバリーできる可能性はおおいにあると思っています。

休職しているときの気持ち

私は当時、病院が所有している職員宿舎に住んでいました。それも1階。仕事を休んでいても、同僚の姿が見えたり、声が聞こえたりするので落ち着くことはあまりできなかったように記憶しています。復職をするか、配置転換するか、退職するか、生きるのを諦めるか、逃げるか。考えることができる時間帯は、この5つの選択肢をグルグル考えていたように思います。

まず、職場と接点のない環境へ

生活圏内が職場の近くだと、どうしても気持ちが休まりません。できるだけ、職場を、仕事を、同僚を感じない場所で生活した方が安心して休むことができると思います。

信頼できるDr.を見つける

これ、結構大変でした。私が休職中にかかったDr.は初診でこんなことを言いました。「この薬を飲むと2週間で症状はおさまるから。同じ薬を飲んで2週間で職場復帰したひと見てるから大丈夫」と。

当時は藁をもつかむ思いだったので、真面目に薬を飲んで療養していましたが、一向に良くなりませんでした。診察時の表情や言葉遣いにも疑問をもつようになると診察するごとに体調が悪くなりました。

私はここから3つ病院を替え、やっと信頼できるDr.に出会うことができました。なんとなくでいいので、自分に合いそうなDr.、今からリサーチしていた方がいいのかもしれません。

中途半端な状態で復職すると

私は、休職から2ヶ月で復職しました。当時私が働いていた病院の規則では、同じ疾患での休職は2ヶ月までと決められていたからです。

配置転換しても

部署をかわり働き始めてから、2週間で自分の中で「多分、もうダメ」と思うようになりました。休職する前から感じていたひとを怖いという感覚が抜けきらず、より酷くなったからです。同僚も、上司も、患者さんまでもが敵に見えてきてしまったのです。誰も信じることができないし、相談もできない。1ヶ月半でダウンし、退職することとなりました。

退職すると気持ちは楽にはなるが

多分、当時は、ここから逃げたい!という気持ちが強かったのだと思います。退職が決まり、その職場から離れるととても気持ちが楽になりました。1週間くらいは、ほっとした気持ちでいたと思います。でも、その後押し寄せてきたのが罪悪感。

仕事を失ったこと、またドロップアウトしてしまったこと、ダメな自分が浮き彫りになったこと、逃げたこと、努力しなかったことなど、自分のダメさ加減をこれでもかと感じさせられた時間でした(最近は、これもいい経験だったと思えるようになってきましたが)。

休職から復職までに何をするべきだったのか

結果論ですが、休職から復職までの間に何か選択しておけば、退職することなく仕事を続けられたかもしれません。自分の中では、「リワークプログラム」を受けていれば良かったなと後悔していた時期がありました。

リワークプログラムとは

うつ病などの精神疾患を原因として会社などを休職している方に対して、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行うプログラムのことをいいます。復職支援プログラムとか職場復帰支援プログラムともいうそうです。

リワークプログラムの種類

医療機関で実施する「医療リワーク」、地域障害者職業センターで行われる「職リハリワーク」、企業内で実施する「職場リワーク」と大きくわけて3つあります。

各リワークプログラムの主な目的をざっくりいうと、「医療リワーク」は精神科治療と再休職予防、「職リハリワーク」は支援プランに基づく支援、「職場リワーク」は労働させて良いかの見極めとなるようです。

何故か一歩が踏み出せなかった

当時もリワークプログラムがあるのは知っていましたが、何故か一歩踏み出す勇気がありませんでした。当時の職場にはリワークプログラムはありませんでしたが、医療リワークと職リハリワークをやっているところはありました。

振り返ってみると、本心を打ち明けることができる相談相手がいなかったことが、一歩を踏み出せなかった理由のひとつだったと思います。ひとりでもいい、何でも相談できる相手がいれば、何か突破口が開いたのかもしれないとたまに思ってしまいます。

もし、精神疾患で職場に行けなくなったなら

私は職場に行けなくなってから、休職、配置転換、復職、退職という道を辿りました。もし当時に戻ることができるなら、休職から復職の間にリワークプログラムを受けたいなと、強く思っていた時期がありました。

戻れるところがあり、戻りたい気持ちがあるのなら、そこに戻る道を選択すべきだと思いますし、そのひとつの方法がリワークプログラムだと思います。

でも、最近思うのです。もし、失敗してもドロップアウトしてもどうにかなると。人生何度失敗してもリカバリーできるのではないかと。私自身はそこに希望をもって、日々生活しています。

最新情報を購読しよう!

就労継続支援・就労移行支援事業者様へ

HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。