長年、当事者から愛されたバリバラが2025年3月に終了
バリバラがついに歴史の幕を閉じた。
時には社会を訴え、時には24時間テレビに疑問を投げかけ、あまたの話題をさらったあの伝説的番組、バリバラは15年の役目を終え、終了した。
バリバラ終了のニュースを聞いたとき、私は一つの時代の終わりを感じた。
ああ、バリバラが終わってしまうんだ。
それを知って心がさみしくなった。
10代の入院中に病棟でバリバラを見ていた。
一時外出すると家でもバリバラを見ていた。
社会にある意味、吹っ掛けるような語り口のバリバラに私は心から救われていた。
救われているなんて月並みすぎてなかなか言語化しづらいがあの頃の私は発達障害への誹謗中傷で悩み、人生どん底だった。
そんな頃に味方になってくれるようなバリバラに一種の安心感と頼もしさを覚えていたのだ。
多くの偏見と闘ってきたバリバラ
バリバラの功績は想像以上にあると思われる。
10年前からマイノリティを巡る言論は活発化し、特にLGBTQ界隈ではそのうねりが大きくなったように思う。
#Me Tooなどの女性への権利拡大運動もここ10年でうねりを上げた。
ここ10年は激動の時代だったのは誰が見ても明白だろう。
バリバラはそんな時代の潮流に果敢に挑んだ。
バリバラが発掘したマイノリティを巡る問題は数知れない。
寝たきり芸人・あそどっくを輩出したSHOWNグランプリなどではマイノリティならではのお笑いのネタを打ち立てた。
私は毎回SHOWNグランプリが楽しみだった。
バリバラの最終回前編をちらっと見た(録画してる)。自分の中の偏見に気づかせてくれた番組だ。チャラン・ポ・ランタンを知ったのもこの番組のおかげ。とんがってて覚悟があって、でもからりとしてて、いい番組だった。運動会とあそどっくのネタ、笑ったー。録画見るの、さみしいけど楽しみだな。
— まいむ (@m2dfk) March 6, 2025
無冠の帝王、あそどっくの芸風が特に好きだった。
バリバラが社会に対しての爪痕を残した理由。
それは健常者社会に対して忖度なしで突っ込める精神性にあったと思う。
バリバラなどの番組もそうだが根底にあるのはマジョリティに対する異論と敬意だと思う。
バリバラは健常者社会に問いを打ち立てても人間としての誇りや敬意を決して忘れなかった。
司会者の玉木さんが何度も話していた事実。
それは障害者だろうが健常者だろうが一人の人間だという事実だ。
バリバラに相通じる思想観念は人間への究極の多様性にある。
最近、発達障害などの生きづらさがクローズアップされ、大きな話題を呼んでいるがこのことに対して私はある疑問を持っていた。
発達障害への生きづらさがクローズアップされるにつれ、定型発達の人の生きづらさが蔑ろにされるような傾向を感じたのだ。
実は引きこもりの当事者のおよそ7割グレーゾーンでもない定型発達の人だ、と『コンビニには通える引きこもりたち』には書かれている。
『コンビニは通える引きこもりたち』著:久世芽亜里#読了 #cBooks
この帯の惹句はともかく、
身内に引きこもりのいる立場としては、視点が公平で語り口も柔らかく、読みやすい本だった。
その人が、特に引きこもり始め、もしくは引きこもりそうな兆候がある時に保護者読んでもらうのがおすすめ。→ pic.twitter.com/GJkmupyzTf— 三日月@読書🌙📚️ (@4hEpaoVtI168632) December 8, 2024
自殺まで至る人の中には決して障害者当事者だけでなく、多くの健常者も死を選んでいる。
このように生きづらさは決して障害者だけの特権ではなく、定型発達の人も生きづらさを抱えていることも多い。
私も疑問に思っていたがバリバラはやはり本物だったようだ。
新しく始まる福祉番組『toi-toi』
バリバラの後継番組として、2025年4月から新福祉番組『toi-toi』が始まった。
マイノリティー当事者の視点を継承しつつ、バリバラでは『障害者情報バラエティ』と謳っていたが
『toi-toi』ではドキュメンタリー要素の強い対話重視のスタイルになっている。
スタジオでは、難病や知的障害、依存症、LGBTQの当事者とクロストーク。多様な視点で『問い』を探求していく番組になっている。
ある人が心の奥底に抱いてきた「問い」を、みんなで考えてみようという新しい福祉番組。 「問い」を立てた主人公が、多様な視点をもった人たちと対話しながら、「問い」を探求。 違いを認め合い、ともに生きる世の中を実現するためのヒントを探ります。(toi-toi公式ホームページより引用)
放送はEテレ木曜20:00。再放送は日曜00:00(土曜24:00)
メディアの影響力はすごいと実感
私は10代の頃、複雑性PTSDになり入退院を繰り返していたが、バリバラを視聴することで心から救われていた。
いつでも味方になってくれるようなバリバラ。残念ながら15年の幕を閉じたがバリバラの影響力はかなり大きいものだと思った。
そしてひふみよタイムズの影響力も計り知れないと感じている。
メディアの『影響力』は凄まじいもの。これからも障害に関する理解や知識を広げていくためには、地道な発信が欠かせない。
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