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2025/5/10:フリーペーパーvol.110発刊!

フィンランド語の名詞1 – 数と所有の表現

フィンランド語の名詞の数と所有の表現

フィンランド語の名詞にはさまざまな特徴があります。
この投稿ではフィンランド語の名詞の数と所有の表現を見ていきます。

フィンランド語の名詞の特徴

  • 格変化があり、格と数によって変化を起こします。
  • 所有の表現を語尾で表わします。
  • 格変化の際に語幹の子音が変化する子音交替が起きる場合があります。
  • フィンランド語の名詞には定性の区別、つまり英語の定冠詞の a や the に相当するものがありません。
  • 文法カテゴリーとしての性別の区別もありません。
  • 英語のような可算/不可算名詞の区別はありません。

フィンランド語の名詞の数

    • -i と -t

フィンランド語の名詞では、複数は -i で表わされることが多いです。
-t がつく名詞は、主語や目的語である場合が多いです。
属格、分格、内部格などでは語幹に -i が現れます。

    • 数詞で修飾された場合

名詞が1以外の数字で修飾され、その数字が単数主格である場合、名詞は分格の単数形をとります。それ以外の場合、名詞と数字は数と格において一致します。

    • 可算/不可算の区別

可算/不可算名詞の区別はありませんが、英語の不可算名詞に似ているものを表わす時には、分格を使います。

      • 可算名詞の分格

Haluan kirjan.(私は本を1冊欲しい。)→ 特定の1冊(主格)

Haluan kirjaa.(私は本を少し読みたい。)→ 本というもの(分格)

      • 不可算名詞の分格

Haluan vettä.(私は水が欲しい。)→ “vesi”(水)は不可算なので分格(vettä)を使用する。

Haluan rahaa.(私はお金が欲しい。)→ “raha”(お金)は不可算なので分格(rahaa)を使用する。

フィンランド語の所有表現

フィンランド語では名詞に付く所有接尾辞によって所有を表わすことができます。
名詞の前に人称代名詞の属格がくる場合、その名詞には所有接尾辞をつけます。
この接尾辞によって所有者がわかるので、人称代名詞(minun、sinunなど)は省略できます。
3人称単数と複数の所有接尾辞は同じ形です。1、2人称の属格は省略することもできます。

人称代名詞

人称 所有接尾辞 例(単数名詞) 例(複数名詞)
1人称単数(私の) -ni taloni(私の家) taloni(私の家々)
2人称単数(君の) -si talosi(君の家) talosi(君の家々)
3人称単数(彼/彼女の) -nsä/-nsa talonsa(彼の家) talonsa(彼の家々)
1人称複数(私たちの) -mme talomme(私たちの家) talomme(私たちの家々)
2人称複数(君たちの) -nne talonne(君たちの家) talonne(君たちの家々)
3人称複数(彼らの) -nsä/-nsa talonsa(彼らの家) talonsa(彼らの家々)

所有代名詞

主格 語幹 属格
tämä tämä- tämän
tuo tuo- tuon
se se- sen

所有表現の例文

Tämä on kirjani.(これは私の本です。)
Onko tämä sinun talosi?(これは君の家ですか?)
Hänen autonsa on uusi.(彼の車は新しい。)
Tässä on ystäviemme kahvila.(ここは私たちの友達のカフェです。)

所有接尾辞は名詞を修飾している形容詞にはつきません。

hänen pieni koiransa(彼/彼女の小さな犬)

この文で pieni「小さい」は pieninsä とはなりません。

「先生の本」のように、所有者を属格にする必要がある文では、所有されている名詞には通常所有接尾辞はつきません。
しかし、所有されている名詞が所有されていることを強調したい場合、所有接尾辞がつく場合もあります。

Opettajan kirja on pöydällä.
→ 「先生の本が机の上にある」(単に先生の本があることを述べている)

Opettajan kirjansa on pöydällä.
→ 「先生自身が所有している本が机の上にある」
→ 先生がその本を所有していることを強調したい場合に使う。

所有接尾辞のつけ方

語幹につけます。子音交替があれば強階程語幹につけます。

語幹+所有接尾辞
(minun) nimi 名前 nime- ni minun nimeni
hänen perhe 家族 perhee- nsä hänem perheemsä
(meidän) tyttö 娘 tyytö- mme mmeidän tyttömme
(teidän) äiti 母 äiti- nne teidän äitimme

格語尾があれば、格語尾の後につけます。

語幹 格語尾 所有接尾辞
lakku かばん lauku- ssa ni laukussani
äiti 母 äidi- llä si äidilläsi

※äitiの例のように、格語尾を間にはさまず、所有接尾辞が語幹に直接つく場合は、強階程語幹をとります。

格語尾の-nと-tは所有接尾辞の前では落ちます。
その結果、単数主格、単数属格、複数主格は同じ形になります。

単数主格 auto auto + ni auto- ni 私の(1台の)車
単数属格 auton auton + ni auto- ni väri 私の車の色
複数主格 autot autot + ni auto- ni 私の(複数台の)車

参考

ニューエクスプレスフィンランド語(白水社)
Finnish grammar (Wikipedia英語版)

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