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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

脳波はメンタルと繋がっている?瞑想から見える仕組み

ストレスを感じる訳とリラックスする方法

脳波とは、1分間に脳に流れる微弱な電流を周波数(Hz)で表したもので、度合いによってそれぞれ5種類に分けられています。自然音や好きな音楽に触れることで、リラックスしてアルファ波が脳に流れます。会議やテストといった緊張を維持するような場面では、ベータ波が脳に流れます。脳が、ベータ波優位な状況が続くとストレスを感じます。

つまり、脳波とメンタルは繋がっているのです。ストレス解消のリラックス法がさまざまある中で、「体1つあればできること」が、常に注目されています。

それは「瞑想」です。
瞑想は何故いいのか、どのような効果があるのか。
今回は、脳波とメンタルが繋がっている理由と瞑想から見えた仕組みを見ていきます。

脳波はメンタルと繋がっている?

脳波はメンタルと深い繋がりがあります。具体的にどのような繋がりがあるのか、5種類の脳波の働きを以下で紹介します。

デルタ波(1~3Hz)

・超リラックス状態になり、脳がストレスから解放される。
・脳の深部にある「生命中枢」の活動が活発になり、自己治癒力が増す。

シータ波(4~7Hz)

・ノンレム睡眠のとき、脳の休息や疲労回復をする。
・発想力を生む。

アルファ波(8~13Hz)

・体の血行の乱れを整えて、免疫力を高める。
・血行促進により、細胞が活性化する。
・脳の「快楽物質」、ベータエンドルフィンを分泌する。

ベータ波(14~30Hz)

・ベータ波が低い脳波のとき、集中力が高まる。
・心身共に緊張が続くと高いベータ波になり、ストレス・パニックを起こす。
・長時間続くと肩こりの原因になる。

ガンマ波(30~80Hz)

・イライラや幸せを感じるときに出る脳波で、シータ波とセットで発生する。
・目標や計画を記憶する脳の働き(ワーキングメモリ)を高める。

このように、脳がアルファ波(8~13Hz)より低い穏やかな脳波のときは、さまざまな脳波の恩恵を受けることが出来ます。しかし、脳がベータ波以上の激しい脳波に長時間さらされると、肩こりやストレスになって身体に表れます。

このように、脳波はメンタルと密接に繋がっているのです。

瞑想から見えた仕組み

瞑想によって、自分自身である程度の脳波をコントロールできることが化学的に証明されています。つまり、瞑想から見えた仕組みとは、「脳波をコントロールできるということは、メンタルをコントロールできるということ」です。

入眠すると、アルファ波が発生し、シータ波(4~7Hz)に移行します。心身共にリラックスできる瞑想は、入眠に見られる脳波と同じ仕組みが見られると考えられています。

アメリカのウィスコンシン大学の実験で、チベットの仏教僧のガンマ波を測る実験が行われました。すると彼らから、メーターが振り切れるほどのガンマ波が検出されました。
瞑想を習慣に行っている彼らの脳内はシータ波セットの「ガンマ波優位な状態」であり、幸福感で満たされているということになります。
また、1日20分の瞑想を始めて3週間経った人とそうでない人の脳を比較すると顕著な結果が出たそうです。つまり、私たちにも可能ということです。

瞑想を日常的に続けている人の脳がどのようになっているのか、以下で紹介します。

※瞑想にはさまざまに種類がありますが、今回はマインドルネス瞑想を続けた脳の仕組みを取り上げて見ていきます。

瞑想研究家、マサチューセッツ総合病院精神科の准研究員であり、ハーバード・メディカルスクールの心理学者除教を務める、サラ・W・ラザー(Sara W Lazar)の共著論文「マインドフルネスは脳を健全に保つ」で、「瞑想」によって変化する脳に関して、次のようなことが分かりました。

前帯状皮質(ACC):自己制御力

前帯状皮質(ACC)は、自己制御力に関する脳の部位です。「自己制御力テスト」の結果によると、瞑想する人は、瞑想しない人より自己制御力があることが認められました。

これはアルコール依存症や薬物依存症、ゲーム依存症、SNSによるスマホ依存症などのリスク管理を自己制御できるということになります。

海馬の回復

サラ氏の研究によると、「うつ病」の患者が瞑想をすると海馬が回復することが、脳科学の観点からも明らかになりました。また、ストレスにより海馬が委縮した人に瞑想を行ってもらったところ、海馬の神経細胞が増加することが分かりました。

海馬は、記憶と関係があり、ストレスホルモンの「コルチゾール」を受け取る器官です。ストレスにより、コルチゾーンが過剰に分泌されると海馬は委縮します。海馬が委縮すると、日常生活でのミスが増えたり、うつ病やPTSDの原因となります。

瞑想は医学的、化学的にもその効果が認められました。瞑想を日常的に行っている人の脳では上述したような仕組みが働いていることが判明しました。

瞑想でトランス状態を体験できる?

トランス状態とは、1966年にアーノルド・M ・ルードヴィヒ(Arnold m. Ludwig)によって説かれた、脳がベータ波優位な意識とは異なる意識状態のことです。トランス状態になると、宇宙との一体感や強い幸福感、時にはその人の世界観をかえてしまう体験ができるようです。

宗教的な部分でみれば、日本の北東北の巫女(イタコ)や沖縄のユタ、西アジアではシャーマンがそれぞれの手法でトランス状態になることが知られています。

瞑想でトランス状態に入った脳は、アルファ波~シータ波が優位になり、心身共に緊張が緩和されます。そのため、スポーツやリハビリ、メンタルケアなど幅広く利用されています。

瞑想でトランスを体験した女性の話

民族音楽学者・作家である女性のコリンヌ・ソンブラン氏は、有名なシャーマンでもあり、瞑想家です。因みに、シャーマンとは精霊と人間世界の仲介役を担う人です。

彼女は、トランス体験をしたことを医者に相談したところ、精神科の連絡先を差し出されました。医者は総合失調症・多重人格障害と疑ったようです。
コリンヌ氏は、カナダの臨床診断・研究センターのフロール=アリン博士のもと、彼女の休息状態とトランス状態の脳波を記録しました。

すると、次のような結果が出ました。

「コリンヌには精神疾患に合致する症状は一切見られない。彼女の脳はトランス状態から戻った後、通常の状態に復帰している」。ーーー脳波検査によって、トランス状態になると脳活動が変化することが明らかになりました。
(引用元:トランス状態とは何なのか? 女性シャーマンが語る。)

つまり、瞑想でトランス状態になると言うことは、演出ではないことが証明されたのです。宇宙との一体感や多幸感、人生観を変えてしまうような体験を味わえることは、本当だと言う事です。

瞑想に関しては、宗教面が強いイメージでしたが、さまざまな実験によって脳の機能にプラスの効果があると明らかになり、「瞑想」の捉え方が大きく変化しましたね。

皆さんの日常生活に「瞑想」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後まで、ご覧くださりありがとうございました。

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