感情や怒りのコントロールをすること
アンガーマネージメントとは、人間がしてはならない暴力行為の怒りを抑え、未然に抑制するための心理療法プログラムで、怒りを分散させることができると言われています。怒りとはストレスの結果であって、また自分にとって大事なものを遮断されたり、妨害された時の感情です。怒りは、根底にある不安や恐れや脆弱感に対する防衛機制でもあります。
わたし自身が体験したアンガーマネージメント
わたしがデザイン事業所に通っていた時の事でした。身体障がい者で左手が動かないN君は、私よりも年下でしたが、精神障がい者を持つ皆んなの前で横柄かつ横暴な態度をとる銀髪の同僚でした。彼はことあるごとに私にちょっかいを出しては皆んなの前で自分を大きく見せ強がる傾向がありました。
仕事中には隣の女の子に話しかけ、仕事を中断させてみたり、皆の前で人の悪口を言い回っては周りを巻き込み、トラブルを作る人でした。
そんなある日、彼が退社する際、私は駐車場で彼を待ち伏せをして話をしようとしていました。すると、彼はさも左腕が痛むかのような仕草をしたり、びっこをひいて見せたりして私から逃げました。
事業所の周りの上司はその様子を見て私に「アンガーマネージメントを勉強しましょう」と言いました。そして私のために「怒らないように!」とも言いました。
わたしはその時、世の中にはもっと色々な経験をしながらここまできた、人生の持ち主が彼だったということを理解する必要があったかも知れません。彼も違う人格で、今までに様々な生い立ちがあったのかも知れないからです。
また、パートナーも私をイライラさせることが上手な人でした。「9時に待ち合わせね」と言うと、来るのは決まって1時間後の10時半ごろ。「あとで〇〇するね」と一旦約束していたことがあったとしても「今は無理だから」と話を覆し、イライラさせることがありました。
しかし、後になってわたしが気づいたのは、そこでのわたしの目的は何時に待ち合わせをするかや遅刻ではなく、待ち合わせをした後に2人で楽しむ時間こそが大事なのことなのではという事に気づいたのです。
病院のドクターが言うアンガーマネージメントには、喧嘩になってカッーとなりそうな時に「今、冷静に慣れないから何分後に戻る」と伝えてその場から去ること、もっと緊急の時はその場からとにかく離れる事、動き出す前に6秒数えること、1番の特効薬はその場で深呼吸を4、5回行うことだと言っています。
当初のわたし達は喧嘩になりました。口論をしたり、激論にもなります。しかしながら、彼女に言われるのは「あなたがアンガーマネージメントを勉強するなり考え方を変えければダメだ!」という内容でした。
その時のわたしは、「なぜ自分は正しいはずなのにわたしがアンガーマネージメントを勉強しなければならないのか」に対して憤りを感じていました。
アンガーマネージメントの必要性
私は、結局アンガーマネジメントについて上司から貰った資料で勉強することにしました。その後も、結局は自分が損をするからと、怒ること手を出すことは良くないと言われ、仕方なくネットや本などでも勉強し続けました。しかしながら、私が腑に落ちなかったのは、正しい行いをしない人とのぶつかり合いを、正しい理由や内容で怒る人に対してアンガーマネージメントで押さえつけることでした。
なぜなら私は、そもそも間違ったことで怒ること人間ではありません。私の周りにいる人の中で私のことをよく知っている人であるならば、私が怒れば「何があった?」「どうしたの?」と必ずわたしに聞くことでしょう。わたしが怒る時には相当許せない原因があったり、溜まり溜まって流石に我慢の限界だという時こそのみだからです。
世の中、不道徳で汚いことをする人間がたくさんいます。しかし、周りはそれに構わないように、怒らないようにと教育します。どこに、この新しいシステム、アンガーマネージメントの必要性が見出せるのでしょうか。
アンガーマネージメントの有用性
冒頭で先述しましたように、アンガーマネージメントは暴力行為のための怒りを抑え、未然に抑制するための心理療法プログラム。怒りを分散させることができます。
怒りとは溜まりたまったストレスの結果であって、また自分にとって大事なものを遮断されたり、妨害された時の感情であります。怒りは、根底にある不安や恐れや脆弱感に対する防衛機制でもあります。
このことによって、自分が相手に対して汚い暴言を吐いてしまったり、暴力をふるってしまうことを未然に防ぎ、結果、自分を守ることがアンガーマネージメントの役に立つ効果です。
わたしは、たんたんとアンガーマネージメントの勉強を続けました。本やネットなどで色々な資料をみて勉強を続けました。ドクターにも尋ねてみました。アンガーマネージメントは周りにいる人に怒りをぶつける人のためのものではありません。結局は自分の為なのです。
アンガーマネージメントができないでいると、その人は常に周りに対してイライラした状態でいないといけませんし、小さなことにイライラし不満のストレスを溜めることよりも、ストレス発散発散方法の数を増やして行くことなども重要になってきます。
そして自分とは違う感覚を持った他人という人格があること、違う人生経験をして生きてきた他人とやっていくということを自覚しなくてはなりません。周りの人間は自分と違う人間なのです。
アンガーマネージメントの必要性
わたしは今、鹿児島に住んでいます。そのわたしがここ鹿児島でアンガーマネージメントの治療を受けるには今の鹿児島の機関や環境的なものでは難しいものがあるのが現実です。
アンガーマネージメントに対する問い合わせを病院にもしましたが、病院の多くは未だにアンガーマネージメントに対する知識や教育が行き届いておらず、アンガーマネージメントという言葉も知らない病院すらある程です。逆に患者のわたしがこういうアンガーマネージメントとものを探していますと教えねばならない有様でした。
そして、一件、アンガーマネージメントについての講習をしているという機関がありました。が、その機関ですら講義をしたご本人様より「著作権の問題がありますから、受講した人達以外には情報を一切教えないで欲しい」と承っておりますということで、困ってる人のための治療であるはずものを公開しないで制限をかけている有様です。
必要なところに必要な治療と、本当に必要な人達には正しい教育が行われることを願いながら、令和3年のこの世の中で鹿児島にもアンガーマネージメントが普及することを願いつつ、そっと日々の怒りを胸の中に抑え、気分を変えて毎日を過ごしていこうと思います。
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