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2019.10.10:フリーペーパーVol.43発刊!

障害者の就労と社会参加は実はそれほど難しくない

障害者の就労・社会参加を難しくしている根本的な理由

駅構内を歩いていても、すれ違いざまに聞こえてくる障害者を揶揄する中学生たちの声。

相模原障害者施設殺傷事件 2016年(平成28年)7月26日
川崎市登戸通り魔事件 2019年(令和元年)5月28
京都アニメーション放火事件 2019(令和元年)7月18日

障害者雇用率水増し問題 2018年(平成30年)10月
国家公務員障害者選考試験 2019年(平成31年)2月

企業はあえて罰金を払ってさえ、法的強制力さえ無いなら決して障害者を雇いたいなどとは思わない。

雇用する企業の苦悩

利用者に対する障害者支援施設の過保護な対応は、言われるままにおとなしい、自分の意見を言わない、職員にとって扱いやすい理想的な障害者を育てあげた。外部委託が進み経費削減が整ってきた官公庁では、障害者が従事できるような内容の業務を用意しづらくなっている。

障害者にできる仕事

毎朝時間通りに起きて時間通りに出勤すること自体が難しかったり、文書作成にもキーボードの打ち方から覚えなければならない者たちを、「障害者だから」というだけの理由で職員として育てる余裕など、公務員にだってある訳が無い。

無理矢理に雇用を増やすことで、雇用による人件費の増加が最終的に国民の税負担につながったとしたら、それでもそれは積極的な障害者雇用のための純粋な雇用促進と言えるのだろうか。

9月15日(日)には、障害者だけを対象とした大規模な国家公務員採用試験(国家公務員障害者選考試験)の第2回目が実施された。しかし、2月から3月にかけて行われた第1回試験の合格者のうち、すでに5%以上は退職しているとのこと。

本当の平等

日本の障害者福祉が、障害者の責任感や実行力といった職業意識を高めるための取り組みになかなか手を回さない理由は、個人の精神的なモチベーションを強いものに育てることが、どれほど困難で時間のかかる作業かよく知っているからだ。

障害者が職業を得られない理由には、障害者の特徴を診断名と障害等級でしか分類することのできない企業側の認識の甘さにもある。一方で、同じ土俵で仕事をする以上、経験年数にかかわらず誰もが持たなければならない「自己を律する基本的な厳しさ」が、社会経験の不足も影響してか、一部の障害者に不足している現実も見受けられる。

雇用機会にしても、健常者と同じ条件で平等に審査された結果、それでもやはり障害者が能力的に劣って業務を行うに足りないと判断されたなら、それはそれで不採用でも仕方がない。

障害者と雇用主の良好な関係を作るため

障害者雇用に関して企業は現在、法律で定められた雇用率を満たすため、最低人数の障害者を「いやいや」雇用しているような状況にある。しかし、雇用を増やすこととは本来、企業にとって新しい利益がその先に見えていて、その利益を確保するために相応しい人材を歓迎する形でスタートするものであるはずだ。

配慮は双方向からのもの

障害を持つ人に対する「合理的配慮」を守らなければならないことは、現在では「障害者差別解消法」も後押しする形で少しずつ普及してきている。例えば、職場のバリアフリー化など障害者にとって働きやすい環境を整えることも、企業が実施すべき合理的配慮の一種とされる。

できる努力をする

パソコンに不慣れであってもキーボードを打つ練習ならできるだろうし、文書作成に必要なソフトをマスターするための参考書なら書店に山のように揃っている。お金を出して本を買わなくてもインターネット上にたくさんのパソコンを学習するためのサイトも存在する。

内定を受けた会社の業務内容に関係する文書などであれば、普段から意識してアンテナを立て、見つけたら自主的に読んでおくぐらいの工夫は障害のあるなしに関係なくやっておくべきことだろう。

もし仮に「採用はしてください、でも努力するのは嫌です」というスタンスでいるのなら、それは障害者であっても健常者であっても関係なく職業人としての自覚があまりにも足りないし、人として雇いたくなくて当然だ。そのような人には、協力して仕事を進めることが要求される「組織」に配属される資格すらない。

障害者の社会進出は声を出すことから

一方、障害者の雇用に批判的な健常者たちは、障害者を誹謗する声をいったん止め、徹底して冷静な視線を自分が常日頃批判している障害者に向けてみる必要がある。

障害者の現状を客観的に把握し、厳しいなら厳しいで構わないから正当な厳しさを向けなければならない。

現実的な障害者の雇用創出

障害者自身、福祉施設、障害者の社会進出に協力的なあらゆる団体も、雇用して利益を上げていかなければならない企業側の都合を顧みず、まるで呪文のように「雇え雇え」と障害者の社会進出を唱えていても状況は変わらない。

いつまでも同じ形で理解の深まらない非効率な徒労を払うより、正しい批判で障害者就労につながる建設的な声を出していくべきである。うわべだけ「理解している風を装った」だけの差別社会が今後100年続いたとしても、そのことには何の意味も無い。

今年2回に渡って行われた大規模な国家公務員障害者選考試験に限らず、社会に参加して自分なりの仕事で能力を生かしたいと願うのであれば、障害者自身もできるだけの準備を整え、企業への配慮として、自分自身の能力を高めるための努力ぐらいはあらかじめ積んでおくべきだろうと思う。

現実的な障害者の雇用方法

就労を希望する障害者が予想外に高い能力を示すという声は、新規に障害者雇用を試みた企業からたびたび聞かれている。それは多くの場合、中規模以下の地方を地盤とする企業体であったりする。中小の企業は、資本力のある大企業が行ってきた障害者雇用の成功事例も参考にできる。近年成功を収める障害者雇用に特徴的なことは「業務の細分化」と「分業」だ。

特に精神の障害者が細かい作業に長時間集中する能力に長けていることは、今では障害者雇用における常識となっている。その集中を助けるものが仕事の明快化であり、そのための手段が「細分化」だ。細分化した結果に複数の業務が出るなら、賃金を分配してでも複数人の雇用とし「分業」すればいい。そのことには障害者自身も賃金の不満をもらすどころか、極めて親切な「配慮」として感謝するだろう。

正社員、フルタイム、常勤で、賞与も確保することまでを、すべての障害者が望んでいるわけではない。そうでなければ一切雇用が存在しない、という極端な雇用のあり方が、障害者の希望に合っていない。客観的に見て、多くの場合に自分が一般的な社会人として能力が高くないことを、ほとんどの障害者は分かっている。

努力を積み重ねてきた障害者の能力を企業は偏見なく見定め、実力があると判断できる人材については障害のあるなしに関係なく積極的に雇用すればいい。

障害者の抱く就労に対する憧れの強さには、胸を突かれるものがある。彼らは成長したいと願っている。

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