「ロック」はいつの時代も社会対しての不平不満を叫び続けてきました。ある時は政治に対し、またある時は反戦を訴えたりもしました。そして今回、「物静かなムスリムの女性イメージに一石を投じたい」と結成されたヒジャブを被ったムスリムの女子高生3人組によるヘヴィメタルバンド「Voice of Baceprot(ボイス・オブ・バチェプロット)」を紹介します。今、国内外で取り上げられる注目のバンドです。
Voice of Baceprot
2014年にインドネシアの西ジャワ州出身の同じ中学校に通っていた3人で結成されました。バンドメンバーは、ギターのフィルダ・クルニア(16)、ベースのウィディ・ラフマワティ(15)、ドラムのウイス・シティ(16)の3人です。「従順で物静かなムスリム女性の一般的なイメージに一石を投じたい」というコンセプトで活動している彼女たちは、教育の現状をテーマとした楽曲などのオリジナル曲や、Metallica、System Of A Down、Slipknot、Rage Against The Machineなどのアメリカ有名バンドのカヴァー曲を学校のイベント、テレビ番組、ライブイベントで披露しています。
そんなバンドの楽曲は?
彼女たちのオリジナル曲「The Enemy of Earth is You」のスタジオライブ映像です、グルーヴ感溢れれる1曲です。それにしても上手い!
アメリカのラップロックバンドRage Against The Machine の代表曲「 Guereila Radio」です。音も映像もちゃんとしたモノではありませんが、よーく聴けばオリジナルを3人で忠実に再現していることが分かります。
ちなみにオリジナルはこんな感じ。
オリジナル曲やカヴァーしている楽曲のチョイスを聴く限り、グルーヴ重視のミドルテンポ中心とした楽曲が多く、Facebook内でも、影響を受けたバンドに下記で掲載している2バンドの名前を挙げていることなどから、90年代後半〜2000年初頭あたりに主流だったメタルやラップロックに影響が強いように感じます。私自身この辺りの時期をリアルタイムで過ごしてきたこともあり、どこか懐かしさを感じます。
System Of A Down 「Toxicity」
Red Hot Chili Peppers 「Around The World」
個人的にこのバンドのオリジナル曲を聴いて真っ先に思い浮かんだのはIncubus 「Redefine」で、やはり上記で挙げた曲と同じぐらいの時代に発表された楽曲でした。
反響は海を超えて・・・
地元インドネシアでの反響は大きく、ロイター通信から取り上げられたことがきっかけで海を超え海外でも話題となり、ここ日本でも「じゃかるた新聞」等から紹介されています。賛否両論な意見が飛び交う中、リーダーのフィルダ・クルニアは「男女が平等に扱われるべきと思う理由は、たしかに私はクリエイティブな活動に励んでいますが、それと同時にムスリム女性としての義務をおろそかにしていませんから。」と話しています。
近年ここ日本でも注目されはじめている「ムスリム」ですが、古くからのムスリム女性に対するイメージを払拭すべく、ヘヴィメタルを武器に叫び続ける彼女たちに今後も注目していくと共に、このバンドを通して「ムスリム」について知っていけたらと思います。
所変われば主張も様々ですが、私たちがあまり馴染みのない国でも「ロック」や「ヘヴィメタル」の影響力の強さを痛感します。
最後に今回紹介仕切れなかったオリジナル曲が試聴&ダウンロード出来るリンクを掲載しておきますので、気になった方はチェックしてみてください。
via:Facebook「Vob」
via:じゃかるた新聞「ヒジャブでヘビメタ 国内外で話題と波紋呼ぶ 西ジャワ州ガルット発 3人組女子高生バンド (2017年06月03日)」
via:METAL INJECTION「HIJAB-CORE! Meet The Indonesian All-Girl Muslim Metal Band, VOICE OF BACEPROT」
最新情報を購読しよう!
就労継続支援・就労移行支援事業者様へ
HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。