「家族旅行に行きたい」その想いを伝え続けて
前回の記事はこちらからご覧いただけます。
無理ですからのやってみましょうを重ねた結果、家族旅行に行けました(1)
前回、「無理ですからのやってみましょう」を少しずつ重ねてきたことで、私の中に小さな自信が生まれていました。
そして次に挑戦したいと思ったのは、“家族旅行”でした。
三男との約束「6年生になったら、またディズニーに行こうね」あの約束を、どうしても守りたい。
そう思い、私は主人に旅行の相談をしました。
「行けますよ」ではなく「行きましょう」
一方で、主人は「体調を考えると無理はさせたくない」という想いがありました。
「先延ばしにできる身体じゃない」と感じていた私は、主人と何度も話し合いを重ねました。
簡単には遠方への旅行の許可はもらえず、それでも私は、あきらめきれずに気持ちを伝え続けました。そして、お互いの想いの間をとって、行き先はUSJに決まりました。正直、ここまで来るだけでも、大きな一歩です。
主人の次に、旅行に行くことの許可を得るのは主治医です。主治医に相談したとき、私は内心「何が何でも行きたい」と思っていました。元理学療法士として、自分の身体の状態を考えると、今を逃したら次はないかもしれないと感じていたので、「ダメと言われたらどうしよう」という不安もありました。主治医からは、交通手段やサポート体制、同行する家族について確認がありました。
そして「素晴らしいですね」と。
その言葉に、私は驚きました。さらに、「しっかり準備をしていきましょう」と続けてくださり、大きな安心と心強さを感じました。ケアマネジャーさんも最初は驚かれていましたが、すぐに「関係各所と連携して準備を進めましょう」と動いて下さり、言語聴覚士の方からは、「同じ病気の方でUSJに行かれた方もいますよ。ぜひチャレンジしてみてください」と背中を押していただきました。
「実は私も、家族旅行に行きたいと思っていて」そう伝えると、「ぜひチャレンジしてみてください」と言っていただき、多くの方の言葉に支えられていることを強く感じました。
そして、引っ越してきてからの、ある事業所との出会いも大きな転機でした。
それまで利用していたサービスでは、年末年始は基本的に休みで、その間は家族だけで介護を担うことが前提でした。
「家族に負担をかけている」そんな思いを、私はずっと抱えていました。
実際に、サポートがない中で「どうせなら楽しもう」と家族旅行に出かけたこともありましたが、どこかで申し訳なさを感じていました。
そんな中で、「年末年始もサポートできますよ」と聞いたとき、私はとても驚きました。
「今までのあの気持ちは何だったんだろう」そう思ったのを覚えています。
さらに、旅行の相談をしたときの言葉が、今でも心に残っています。
「行けますよ」ではなく「USJに行きましょう」
その一言に、私の気持ちに寄り添ってもらえていると感じ、本当に嬉しかったのです。振り返ると、USJ旅行も、そしてディズニーへの想いも、私が思っていた以上に、皆さんが前向きな言葉で支え、応援して下さっていました。その一つひとつの言葉があったからこそ、私は前に進むことができたのだと思います。
USJ旅行準備スタート
令和7年元旦にUSJ旅行に行くことを決めたのは、8月の終わりでした。
USJに行ける喜びと、三男との約束を守れるかもしれないという喜びで、私は「どこに行くか?」「どこで何を食べるか?」「アトラクションをどれにするか?」などを、旅行の本やYouTubeで夢中になって調べていました。
ふとヘルパーさんに言われた、「一つひとつクリアしながら、一緒に考えていきましょう」という言葉を思い出し、課題をひとつずつ書き出しました。
私は、行くための準備をしなければと、旅行支援に向けて課題を一つずつ書き出しました。
外出先での多目的トイレの使用、注入のタイミングと場所、加えて長時間の外出に身体が耐えられるかどうか。だからこそ、実際の外出の中で練習を重ねながら、一つずつクリアしていくことにしました。週に1回の外出支援を、少しずつ距離と時間を延ばしながら、身体が耐えられるようにしていきました。
前も書いたように、ALS発症してから洋服、靴、化粧品をすべて手放している状況でした。捨ててしまったので、主人とヘルパーさんにサポートを頂きながら、一日かけてお店を回り、自分の手で服を探して選ぶことができました。お店を回り、洋服を自分で探し、自分で選んで買うことを、1日かけてすることができました。
この1日の中で、注入とトイレ介助にも取り組むことができたので、より旅行支援へ向けて具体的な計画が立てられました。
私の普段のトイレ介助は、前からと後ろからの二人介助です。両足に装具を装着し、膝をピンと伸ばしてもらって、私もちょっとの間なら立っている間に車椅子を外して、ポータブルトイレを設置してもらっています。
そうなんです。
外出支援の多目的トイレでは、トイレが固定されているため、どうにかして私が移動しなければいけません。
どうしようかなって、私も考えました。車椅子から二人介助で、まずズボンを着たままトイレに座らせてもらう。体勢を整えてからもう一度立たせてもらい、ズボンを脱がせてもらってトイレに座り、用を足す。車椅子に戻るときも同じです。
注入は、1日5回、半固形イノソリッド、液体ラコール、薬などを入れています。
これらをもとにUSJの計画を立てました。USJは約20年ぶりで、貴重な時間を無駄にしたくない思いが強くなりました。
家族、ヘルパーさん、みんなに喜んでもらいたい。だって、私の身体には次がある保証がない。
これらを最大限に有効活用するスケジュールを作るのに、とても参考になったのがYouTubeやテーマパークの本でした。何度も何度も見て勉強し、「んっ?」「へぇーっ!」となったりしながら、旅行支援のメンバーのヘルパーさんとスケジュールを立てていきました。その時間はワクワクが止まらず、楽しみすぎました。
私のUSJプラン
- 12/18
担当医、ケアマネジャーさん、ヘルパーさんと私で打ち合わせ - 12/28
ホテルに荷物を送る - 1/1
2:00~開園予定 - 4:00 注入・歯磨き・スキンケア
- 5:30 トイレ(家を出る直前に済ませて家を出る)
- 6:35 鹿児島中央駅出発・新幹線内で朝食(沢山仮眠しましょう)
- 8:30 新幹線内で注入
- 9:45 新幹線内でトイレ
- 10:35 新大阪駅着⇒乗り換え
- 11:30 ユニバーサルシティ駅着
- 12:00 ホテルに荷物を預ける(ホテル2階コインロッカーorセルフロッカー ¥100返却あり)
- トイレと注入をする
- 13:30〜14:30 入場予約 ランチ フィネガンズで注入をする
- 15:20〜15:40 SING 全員でみる
- ミニオンパーク&スパイダーマンエリアに行く (デザートをゲットしたいな)
- トイレ
- スヌーピーグッズをみる (お土産をなるべく済ませるように!)
- 17:30 ハリーポッターエリアで夜景集合写真をとる
- 17:45 ホテル着 トイレ
- 18:00 ホテル夕食予約 注入
- 20:00 入浴、注入
- 22:00 就寝 (良い夢をみて体力回復に徹します)
このように細かくスケジュールを立て、準備を行いました。(旅行二日目のスケジュールは省く)
誰一人欠けることなく
私の今回の旅行で、やってみたいことも沢山ありました。
みんなで集まり写真を撮ること、みんなで同じアトラクションを経験して、私はみんなが楽しんでる姿を見て、共通の話題を増やし、感想を聞きたいと思っていました。
8月から計画を立ててきた旅行当日を迎える。この日を誰一人として欠けることなく、家族とヘルパーさんとみんな一緒に迎えられたことだけで、嬉しく思えました。
この続きは、次回の記事「無理ですからのやってみましょうを重ねた結果、家族旅行に行けた話(3)」でご紹介します。
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