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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

いつもと少し違う。幻想的なクリスマスシーズンの世界遺産

世界のクリスマスを覗いてみませんか

12月25日はキリストが降誕したお祭りと言われるクリスマス。皆が「クリスマスはイエス・キリストの誕生日」と言いますが、実はイエス・キリストの誕生日ではなく、イエス・キリストが降誕した日を祝う日なのです。

そんなクリスマス。街中のイルミネーションやクリスマスソングを聴くだけでウキウキしてしまいます。

日本のクリスマスも幻想的で綺麗ですが、世界のクリスマスはどういった雰囲気なのか気になりますよね。
そこで今回は、世界遺産検定準一級を目指す私が、得意な世界遺産とクリスマスを絡めてみなさんに幻想的な世界遺産をご紹介!

イエス・キリストが生誕した地・ベツレヘム

聖誕教会前にあるマンガー広場

キリスト教の聖地と言われているベツレヘムの聖誕教会。パレスチナ国・エルサレムから南に10km先に位置します。
ここベツレヘムは、イエス・キリストが生まれたとされる地でもあります。

聖誕教会は339年に建てられ、カトリック教やギリシャ正教、フランシスコ会、アルメニア教会の女子修道院や教会なども含め世界文化遺産に登録されています。そして鐘楼や庭園などの巡礼路も世界遺産に登録されました。

ここベツレヘムの聖誕教会は、世界遺産登録当初の2012年から漏水等による破損で建物が倒壊する危険性が見受けられたため、危機遺産にも登録されました。
ユネスコは緊急でベツレヘムの遺産を保護する必要があるという理由から正規の登録手順をふまない『緊急的登録推薦』という方法で登録されました。

登録された翌年2013年から約150年ぶりの大規模な修復を行い、6年後の2019年には世界遺産委員会で修復も評価され、ベツレヘムは危機遺産リストから登録解除されました。

ベツレヘムのクリスマスシーズンは多くの観光客で賑わっており、12月25日のイエス・キリストの降誕の日には多くの巡礼者で教会はいっぱい。

しかし、昨年2023年はイスラエル軍のガザでの戦闘でクリスマスは観光客もおらず、閑散としていました。ベツレヘム周辺のホテルも翌年の予約までキャンセルされる事態に。今年2024年のベツレヘムのクリスマスシーズン。ベツレヘムに暮らしている人々や観光客が少しでも安心して過ごせる日であってほしいと願うばかりです。

3つの宗教が集まる聖地・エルサレム旧市街

イスラエル王国にあるエルサレムは、1981年に『エルサレム旧市街とその城壁群』という名で世界遺産に登録されました。

紀元前965年にソロモン王によって創建され、ローマ軍に破壊された嘆きの壁(ユダヤ教徒の聖地)、聖墳墓記念聖堂(キリスト教徒の聖地)、岩のドーム(イスラム教徒の聖地)などの歴史的建造物が評価されました。

登録年の1981年は、パレスチナとイスラエル軍の紛争や都市開発などが進んでおり、翌年1982年には危機遺産に登録されました。2024年現在も危機遺産リストから外れていません。

エルサレム旧市街は、3つの宗教の聖地が集まる場所であり、イエス・キリストが処刑され、埋葬、復活した場所でもあります。

毎年エルサレム旧市街のクリスマスシーズンには、サンタクロースが一人だけやってきます。エルサレム旧市街でたった一人のサンタクロース。

エルサレム旧市街は3つの宗教の聖地ですが、クリスマスは宗教関係なく『サンタが大好き!』という子どもが多い。
そんな子どもたちのためにエルサレム旧市街でたった一人のサンタクロースは、サンタクロースの家を建て宗教問わず歓迎しています。

そしてサンタクロースが乗る動物といえばトナカイですが、ここエルサレム旧市街では『ラクダ』に乗ってサンタクロースがやって来ます!

今もなお紛争が絶えないイスラエルではありますが、子どもたちはサンタクロースが来るクリスマスシーズンをきっと心待ちにしているでしょう。

クリスマスマーケット発祥の地・ドイツ

今や日本でもクリスマスの醍醐味になっているクリスマスマーケット。

クリスマスマーケットの発祥の地とされているドイツでは、「ニュルンベルク」「ドレスデン」「シュトゥットガルト」の都市が3大クリスマスマーケットの地と言われています。クリスマスシーズンは多くの人で賑わっています。

ドイツでは、アへーン大聖堂やケルン大聖堂、ハンザ都市リューベック、ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像などの世界遺産が登録されています。

ドイツ北西部に位置する『ブレーメンのマルクト広場の市庁舎とローラント像』は、2004年に世界遺産に登録されました。

名前の通りグリム童話の『ブレーメンの音楽隊』で有名な場所でもあります。
中世にハンザ都市同盟として栄え、ブレーメンの繁栄を示す世界遺産となっており、ハンザ都市同盟の歴史を語る世界遺産のひとつです。

旧市庁舎は1405年から1409年にかけて建てられ、15世紀にゴシック様式で建てられ、17世紀初頭にはルネサンス様式で改築されたそうです。

20世紀初期には新しい市庁舎が隣接され、第二次世界大戦では爆風でブレーメンの多くが消失。しかし、市庁舎とローラント像だけは戦火を逃れたといいます。戦火を逃れた理由、それは市民が囲いを作り守り抜いたから。ブレーメン市民の強い思いに心を打たれます。

市庁舎に隣接しているローラント像は、中世を代表する叙事詩『ローランの歌』に登場する英雄ローランを表したもの。

フランク王国のカール大帝に仕えた十二勇士のリーダー・ローランは、フランク王国の軍勢がイベリア半島遠征から撤退する途中、敵のイスラール軍が休戦協定を破り、圧倒的な軍勢で最後尾のローランらに襲いかかります。
ローランは援軍を呼ばずに手勢で剣デュランダルを手に奮戦しましたが戦死を遂げました。

1404年に建てられたローラント像は、正義の盾と剣を持ってブレーメン市民を守り続けています。

ブレーメンのクリスマスシーズン。マルクト広場ではクリスマスマーケットが開催され、多くの人で賑わっています。
クリスマスなだけあって装飾もとても綺麗で豪華。美味しそうな食べ物にクリスマスグッズなどがたくさん売られ、人々がクリスマスを今か今かと待ち侘びている感じが個人的にたまらなく大好きです。これぞ本場ドイツのクリスマスマーケット。

 

世界遺産のクリスマス風景と解説の2つを楽しめる映像も

クリスマスが近づくと観たくなる『世界遺産のクリスマス欧州3国・映像と音楽の旅』。

You Tubeなどでもクリスマスシーズンの世界遺産はたくさん観ることができますが、『世界遺産のクリスマス欧州3国・映像と音楽』では世界遺産の解説付き。BGMもクリスマスにピッタリの音楽ばかりで観ただけで行った気分になれます。個人的には行きたい欲が増すばかりです。

こちらの映像はAmazon Prime、U-NEXTなどで観れるようなので、気になった方は世界遺産の歴史を学びつつ、世界遺産のクリスマスを楽しんでいただけると嬉しいです。

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