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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

越路 吹雪 日本のCHANSONの華、生誕100年を迎えて

越路 吹雪(1924.2.18〜1980.11.7)本名:内藤美 保子(旧姓、河野)
日本のシャンソン歌手。舞台女優。元宝塚歌劇団男役TOPスター。
ニックネーム「コーちゃん」

越路さんの宝塚当初での逸話としては、競争心がなく、宝塚の生徒としては劣等生であったと聞く。脚光を浴びるのは戦後の「ブギウギ巴里」のヒットによるものである。本格的な日本のミュージカル「モルガンお雪」「王様と私」「メイム」この辺でミュージカルスターの位置を確立した。
大柄な肢体を生かしたダンス、舞台女優としての台詞回し、宝塚の影響からか、その衣装のセンスと独特の表現力!パートナーの内藤法美の音楽性やアレンジ力、マネージャー兼作詞・訳詞家の岩谷時子との相性。その他演出家の浅利慶太や音響・証明・写真家など越路本人に見せられて共に仕事をし合った戦友の如きブレーンに恵まれて、舞台に対するストイックな向上心に支えられた越路吹雪という大女優!大歌手が出来上がったと言える。

ラストダンスは私に

ここで一曲往年の歌声をお聞きいただきたい。
越路吹雪 – ラストダンスは私に (from「越路吹雪 華麗なる世界」)

越路の舞台は生物とよく聞く、バックの音や会場の雰囲気に反応して再び同じ表現はしないというほどである。ありとあらゆる条件が揃ってこそこのようなエンターティナーが出来上がってゆくものと考えられる。羨ましい限りである。
10年間、日生劇場のロングリサイタル・プラチナチケットで完売!宝塚のOGも見入る中で常に完成度を求められ続けた越路さん。生きがいでも有り、その心象は計り知れない!越路さんのアルバムにはシャルル・デュモンの歌など珍しい選曲も多々見かけられるが、「アマリア」「若かりし恋人たちの歌」ブレルの歌など洒落た選曲、彼女の表現にあった選曲がなされている。

ろくでなし

皆さんご存知の日本の大衆に越路吹雪を根付かせた一曲をご紹介。
越路吹雪 – ろくでなし (from 「越路吹雪 華麗なる世界」)

彼女は日本人の大衆の中にシャンソンを根付かせた功労者の一人である。

愛の讃歌

岩谷時子さんが腕をふるって越路の世界にこの楽曲を落とし込んだ、「愛の讃歌」をお聞きいただきましょう。
越路吹雪 – 「愛の讃歌」~DVD『永遠の越路吹雪/日生劇場リサイタル’70』

彼女のカバーのヒット曲の中に代名詞である「愛の讃歌」がある。これはフランス語の原詩とかなり隔たりを見せる作詞である。
「空が崩れ落ちて、大地が壊れても、恐れはしないわ どんなことでも…と始まる原詩はキリスト教世界の世紀末思想に根ざしてこの世の終わりが来ても二人の愛は永久に変わらんと歌い上げる。フランスの国民的歌手エディット・ピアフが恋人のマルセル・セルダン(ボクサー)の飛行機事故により、身を引き裂かれた恋情を歌にたくした。
この名曲に感銘を受けシャンソンの世界に引き込まれた歌手は沢山存在する。

豪華な衣装を纏った舞台の華

イブサンローラン等豪華なオートクチュールを身につけ日生劇場の舞台が跳ねると夫の内藤法美と海外の旅へあしげく出かけ、話題のショウを観劇し次の舞台の衣装を発注に行く。パリのオートクチュールに自身のボディがあるのは、石井好子と越路吹雪と言われたものである。
しかし、実生活は堅実で瀟洒なマンションに夫婦で暮らし、お客が来てもお茶と梅干しだったというから、舞台にすべてを掛けた人生と言って過言ではあるまい。可愛らしい人だったとよく言われる。
このような逸話もある、夫の内藤法美さん作曲の「誰もいない海」がレコード大賞で受賞した。TVにめったに出ない越路さんはオレンジのタートルネックにパンタロンスーツというあっさりとした出で立ちで出演し熱唱する。そこに華やかな衣装の越路吹雪は存在せず、あくまでも楽曲を引き立てる。内助の功である!こんなところがコーちゃんの可愛いところなんですよね。人を惹きつけてやまない。
この手の舞台人は50代で他界する人が多く残念であるが、ひときわ輝いて人々に余韻を残し天に召されるので、これも神様のシナリオかと思う。
越路さんは今度どんな姿で生まれ変わってこられるだろう。美味しいタバコ楽しんでくださいね。早く会いたいなぁ〜!コーちゃん。Bye!

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