V9(日本シリーズ9連覇 1965〜1973)を達成した2人の英雄
1965~1973年、川上監督に代わり、「チャンスに強い」長嶋茂雄と、「一本足打法」王貞治の2人のスーパースターが誕生した。「長嶋が打てば王が打ち、王が打てば長嶋が打つ」と言われるほどのV9達成となる2人の英雄だ。
今回は、彼ら2人の生涯打率・本塁打・得点圏打率を比較して、記憶に残る長島や王と言われる理由を検証する。
2人の生涯打率
長嶋茂雄の生涯打率は「.305」、王は「.301」である。決してそれ程の大差はないが、長嶋は首位打者に6回(’59〜’61、’63、’66、’71)、王貞治は5回輝いている(’68〜’70、’73、’74)。
どこに違いがあるかは、長嶋は新人の時から5年間3割超えしているのに対し、王は新人から4年3割超えがない。新人の時から本塁打王、打点王、新人王も取り、華やかなデビューで大活躍した長嶋と王との差はここで生まれたのだろうか。
長島のシーズン最多安打数10回というものも大きな記録である。やはり、長島は大学からのデビューでいきなりプロでの活躍というものもあり、スター性が十分にあったのだろう。
本塁打(ホームラン)
長嶋は現役時代、本塁打を444本も打っている。しかし、王の打ち放った本塁打868本となる世界記録のホームランの前では影を潜めたのだ。
王の記録は世界の記録に残るものだ。王が引退するまで19年連続30本以上のホームランを打つとは、誰にも真似できない偉業である。
長嶋も、400本塁打の2,000本安打を同時に達成するのは、大卒初ですばらしい記録を持っている。しかし、王の世界記録の前では対抗できない。王の一本足打法からのホームーラン数は、他の人と比べてぐんを抜いてるからだ。
得点圏打率
得点圏打率(2塁または3塁にランナーがいる時の打率)を見ると、長嶋「.314」、王「.323」である。何故、勝負強いと言われている長島の方が打率が低いのだろうか?チャンスに強い長島のイメージがついたのか疑問が残る。
チャンスに強いイメージ感は、得点圏打率に関して王よりも長嶋の方が上回る気持ちがあった。でも、数字をみれば王の方が上である。
しかし、長嶋は走者3塁にいた時の打率は「.347」にまで伸びていた。満塁でも「.330」である。長島の得点圏打率以上の勝負強さ(本塁に近ければ近い程打率が上がる)や、ここぞという時の一打が国民受けしたのだろう。
2人の生涯成績
長島と王の生涯成績は以下の通りである。
長嶋茂雄 生涯成績
タイトル
首位打者6回(’59~’61、’63、’66、’71)、最多安打10回(’58~’63、’66、’68~’69、’71)、本塁打王2回(’58、’61)、打点王5回(’58、’63、’68~’70)
表彰
新人王(’58)、最優秀選手5回(’61、’63、’66、’68、’71)、ベストナイン17回(’58~’74)、ゴールデングラブ賞2回(’72~’73)、正力賞1回(’94)
記録
首位打者6回、最多安打10回、三塁手ベストナイン17回、三塁手・シーズン・連続シーズン最多連続守備機会無失策214(’69.7.17~10.9)、最多連続試合三塁打4(’60.5.8~5.14)
王貞治 生涯成績
タイトル
首位打者5回(’68~’70、’73~’74)、最多安打3回(’69~’70、’73)、本塁打王15回(’62~’74、’76~’77)、打点王13回(’62、’64~’67、’71~’78)、最多出塁12回(’67~’78)
表彰
最優秀選手9回(’64~’65、’67、’69~’70、’73~’74、’76~’77)、ベストナイン18回(一塁手’62~’79)、ゴールデングラブ賞9回(一塁手’72~’80)、正力賞4回(’77、’99、’03、’06)
記録
三冠王2回(’73~’74)、本塁打王15回、打点王13回、最優秀選手9回、一塁手ベストナイン18回、通算最多試合出場2831、通算最高長打率(4000打数以上)0.634、通算最多打席11866、通算最多得点1967、通算最多安打2786、サイクル安打(‘63.4.25)、通算最多本塁打868、シーズン最多本塁打55(’64)、ゲーム最多本塁打4(‘64.5.3)、最多連続試合本塁打7(‘72.9.11~9.20)、通算最多満塁本塁打15、通算最多サヨナラ本塁打8、通算最多塁打5862、通算最多長打1315、通算最多打点2170、通算最多犠飛100、通算最多四球2390、シーズン最多四球158(’74)、通算最多故意四球427、シーズン最多故意四球45(’74)、シーズン一塁手最多守備機会1607(’63)、シーズン一塁手最多刺殺1521(’63)、シーズン・連続シーズン一塁手最多連続守備機会無失策991(‘80.4.25~10.20)
まとめ
以上のことから、長嶋は記録面では、世界記録を持つ王に劣るけれども記憶的には、ミスタープロ野球長嶋茂雄と言う代名詞がついた。それを決定的に印象付けたのは、巨人ー阪神の天覧試合であろう。
王、長嶋ともにその日、ホームランを打ち盛り上がった試合だが、長嶋は9回にサヨナラホームランを打ってミスターを不動のものにした。それが結果的に、国民みんながミスタープロ野球長嶋を認めた日となったのである。
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