発達障害についてもっと知ってもらえたら…。そんな思いから4コマ漫画と共に具体的なエピソードを紹介する「発達障害の日常マンガ」シリーズ。
今回のエピソードは黒板の文字を移す「板書」と戦う私の体験談です。誰もが普通に行っている板書。しかし、そこには思わぬ強敵が…!
新しいストーリーと共に「大変だけど楽しい」発達障害者の生活を知ってもらえたらと思います。
板書が間に合わない!
板書が遅れてしまう理由とは?
原因① 文字を認識することがニガテ
発達障害の中にも様々な種類の症状があり、今回紹介するのは「LD・SLD」とも呼ばれる勉強がニガテと感じる原因になるものです。
その一つに「文字を認識することがニガテ」という特性があります。なぜニガテなのかというと…
1文字が二重に見える
2文字が反転して見える
3文字が歪んで見える
4文字にノイズがかかって見える
このような特性があるからです。
視力が悪いわけではないのですが、脳の活動の異常などによりこのようなことが起こってしまいます。また書体によっても見えにくい種類があり、紹介したもの以外にも様々な見え方があります。
そのため黒板の文字が見えにくく、板書が遅くなってしまう原因になっているのです。
原因② 文字を読むことがニガテ
「LD・SLD」には他にも特徴があります。それは「単語を認識することがニガテ」というものです。
例えば「もうふをとる」という文があった時に
「もうふ / を/ とる」=「毛布をとる」
と単語を分けることができます。しかし、それを瞬時に認識することが難しく…
「もうふを / と / る」=「モウフヲ と ル」? 「もう / ふ / を / とる」=「もう麩を取る」?
と文を認識することがニガテで、一文を覚えて書き写すことが難しいです。その結果、文を間違って写してしまったり、何度も黒板を確認する必要があったり、板書に時間がかかってしまう原因になっています。
周りの人にできること
では、板書を遅れないようにすることはできるのでしょうか?
①黒板の文字を読んでもらう
原因でも述べたように私は文字を認識することと読むことがニガテでした。しかし聞くことがニガテなわけではありません。
隣で黒板の文字を読んでもらうことが出来れば黒板を確認する時間が減り、格段に板書のスピードが上がります!
②板書をしなくても良い方法を選択する
板書がニガテだなと感じる場合は、板書をしなくて良い方法を選ぶことも一つの手です!
黒板を写真で撮ったり、授業の最後にノートのコピーをもらったりなどの方法があります。板書をすることだけが勉強ではありません。自分に合った勉強方法で効率よく勉強して行くことも大切だと思います。
上で述べた対処法が出来ればとても過ごしやすくなると思いますが、学校や自分の身の回りの人の協力が不可欠です。もしかすると、黒板の文字を読んでもらったりカメラを持ち込んだりすることが難しい場合もあるかもしれません。
その場合は、まず家や理解してくれる人の中で対処法を試していき、理解者をどんどん増やしていくようにしてみましょう。私も最初は理解されないこともありましたが、応援してくれる人は必ず見つかると思います!
まとめ
今回は板書が遅れてしまうという出来事を中心に、文字を読むことと認識することがニガテという問題について書いてみました。
「文字が見えにくい気持ち分かる!」と思った方、「そんな風に文字が見えている人もいるんだ!」と驚いた方もいるのではないでしょうか?様々な人が発達障害と文字の見え方について考えるきっかけになれば嬉しいです。
繰り返しになりますが、「黒板の字を読んでもらう」「板書をしなくても良い方法を選択する」という二つを実践するには周りの人の協力が不可欠です。この記事を通して文字の見え方で困っている人がいることを知ってもらい、理解者が増えていく手助けになればと思います!