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2021/09/10:フリーペーパーvol.66発刊!

最近話題になってきているアルコール依存症ってどんな病気?

アルコール依存症ってどんなものなの?

最近、アルコール依存症という言葉をよく見聞きするようになってきました。飲酒による事件や事故も毎日のように報道されています。ちょっとした失敗で済めばよいのですが、取り返しのつかない大変なことになってしまう場合もあります。そこで今回はアルコール依存症とはどんなものなのか、見ていきたいと思います。

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、自分でお酒を飲むコントロールができなくなった状態(飲む量、時間、状況など)です。
自分では大丈夫だと思っていても、周囲に止められたり、迷惑をかけてしまいます。そして、周囲と意見が合わなくなって孤立していきます。孤立することで、今度はストレスから飲酒量が増えていきます。状況を放っておけば、今度は肝臓など、身体的に影響が出てきて、最終的に死に至る非常に危ない病気です。
この病気の怖いところは、自分では分からない、分かったところで止められないところです。治療を始める頃には肝硬変など手遅れになっている方も少なくありません。

依存症の怖いところ

アルコール依存症に限って言えば、必ず言われることが、脳の萎縮と肝機能障害です。脳が萎縮することで判断力が鈍り、お酒をやめようと思っても脳のブレーキが壊れているため、できません。
身体的にも震えが止まらなくなったり、それまで出来ていたことができなくなったりと、日常生活にも深刻な影響が出ます。また、内蔵(特に肝臓)もダメージを受けます。最悪、肝硬変で手遅れになっている場合もあります。また、急にお酒をやめると手足の震えや幻覚などの離脱症状が出て、症状を止めるために飲酒するという悪循環に陥ることもあります。

本当に一番怖いのは、最終的に死に繋がる病であるのに自分の力ではどうすることもできないことです。自分では大丈夫と思っているから、周りから止められても嘘をついたり、目を盗んで飲酒します。嘘を付き続け、気がつけば孤立して、周りに助けを求めることもできない。助けを求められる相手がいなくなる、ということです。
どうにもできないから、そのストレスを紛らわせるために、もっとたくさん飲酒する。そこをずっとループするわけです。ループしていくことで肉体的にも、精神的にもボロボロになっていきます。これは本人だけでなく、家族など周囲の方々も、例えば暴力・暴言などをを避けるために金銭やお酒を与えてしまうといった共依存という形で巻き込まれて疲弊していってしまいます。
この共倒れのループに陥ってしまうこともまた、怖いと言われる一因でもあります。

私もかつて依存症病棟に入院していました。アルコールで入院される方は、入院当初は動けなかったり、ともすれば痴呆のような症状の方がいらしたり、アルコール性の癲癇(てんかん)を持っていたり、酒に酔っての暴力や交通事故など、様々な方が入院されてきます。入院患者同士、仲良くなって話すことがあるのですが、お酒が入っていないと本当に普通の方です。不満や近親者の不幸などのきっかけがあって、そこから深酒になってしまい、アルコール依存症になられる方がほとんどです。アルコール性の認知症になってしまう人も少なくありません。

アルコール依存症とお酒好きの境界線

皆さんの中には、毎日晩酌をされる方もいらっしゃるかと思います。毎日晩酌をするのがアルコール依存症かと言われるとそうではありません。しかし、習慣的に飲酒を続けていくと飲酒量が増えていくと言われています。同じ飲酒量で酔わなくなってしまうからです。酔いたいときに、もっとたくさん飲まなければならなくなります。これは、アルコールに対する耐性ができてしまうからです。

楽しく飲めるお酒はいいものですが、それによって他人に迷惑をかけてしまうのは困りものです。周囲の人から見て、お酒は控えたほうが、と言われたり、酔ってしまって、自分でもわからないうちに迷惑をかけてしまったりしているなら、アルコール依存症の可能性があります。自分の基準と周りの基準が合わなくなってきているのです。自分が、ではなく、周りから見て自分はどうなのか、ということなのです。

アルコール依存症の治療

現在、アルコール依存症の患者さんは全国で80万人以上、予備軍も含めると約440万人にも登ると言われています。アルコール依存症の治療の入り口は、”自分がアルコール依存症という病気である”と認識する(病識を持つ)ことから始まります。病院はあくまでサポート役であり、いくら治療法が進んでも病気であるという認識がなければ治すことはできません。
そして、通院治療でも入院治療でもそうですが、治療を受けるためには断酒が必要となってきます。なぜ断酒なのかというと、アルコールによって薬の効きが悪くなる事と、アルコールに対する耐性がついているので、簡単にもとの状態(飲酒量)に戻ってしまうためです。お酒を飲んだ自分と、お酒を飲まなかった自分がどんなに違うのか、現在・過去・未来について考えてみましょう。

アルコール依存症に治癒(完治)はない

アルコール依存症は、治癒(完治)することはありません条件付きで回復するという表現を使います。その回復率というのも約20〜40%と高くないのが現状です。病識を理解しても、自分はアルコールに対して無力ですし、家族などの周囲の理解、協力も得られなければ、回復の道は難しいのが現状です。
実際に私が入院していた病院でも、複数回入退院を繰り返している方もいらっしゃいますし、病院で生涯を終える方も少なくありません。もちろん、回復されて数十年断酒を頑張っておられる方もいらっしゃいます。

退院後、通院治療とともに断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)と呼ばれる、アルコールなどの依存症患者のための相互援助団体への参加も大事になります。軽視されがちですが、同じ依存症の仲間として問題や病識の共有、なにより同じ断酒という目標を持つもの同士として、一番つらさなどをわかってくれるところだと思います。相談等も一番しやすいところだと思います。
どうしても人前が苦手だという方には、Twitter など SNS での検索という方法もあります。全国・世界の仲間が頑張っていらっしゃる姿を見ることができ、励みになると思います。

最後に、”酒は百薬の長”と言われますが、吉田兼好著の”徒然草”によれば、

「酒は百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」

と書かれているのをご存知でしょうか?
楽しいお酒は人を幸せにしますが、過ぎたるは及ばざるが如しです。気をつけて楽しい生活を送りましょう!

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