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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

お笑い第7世代って、一体なんなのぉ〜?

新たな時代のお笑いを形づくることが期待される世代

ここ最近のバラエティ番組などで20代中心の若手芸人を指す言葉として「お笑い第7世代」という言葉がよく聞かれるようになりました。
霜降り明星をはじめ、EXITやミキ、ぺこぱ、四千頭身、宮下草薙…などなど、彼ら達を見ない日がほぼありませんよね。

そもそも「お笑い第7世代」とは、一体何なのでしょうか?
この言葉の由来や定義を「お笑い」の歴史から読み解いていきましょう。

「お笑い第7世代」とは?

お笑い第7世代とは、2010年以降にデビューした若手お笑い芸人を指す俗称で、明確な定義はないですが、平成生まれの20代から30代前半の芸人が該当するとされています。

霜降り明星(吉本興業)、EXIT(吉本興業)、ミキ(吉本興業)、四千頭身(ワタナベエンターテインメント)、宮下草薙(太田プロダクション)、ハナコ(ワタナベエンターテインメント)、ぺこぱ(サンミュージック)、ゆりやんレトリィバァ(吉本興業)、3時のヒロイン(吉本興業)、ティモンディ(グレープカンパニー)、エイトブリッジ(ナチュラルエイト)、納言(太田プロダクション),ガンバレルーヤ(吉本興業)、フワちゃん(フリー)etc…

「お笑い第7世代」が広まったきっかけ

霜降り明星のせいやさんが、ラジオ番組で「次の年号の世代を『第7世代』と勝手に銘打ち、20代で区切って固まる」ことを提案したことがきっかけで、彼らと同世代の芸人が注目されるようになりました。
これは、当初は芸人に限った話では無く、同世代のYouTuberやミュージシャン等とともにジャンルを超えて集まることの提言でした。
そういえば、人気のあのフワちゃんもYouTuberから有名になった「お笑い第7世代」の芸人ですよね。

ちなみに、この時の「7」という数字は、せいやさんの思いつきによるものだそうです。
また、「上の世代に勝とうとかじゃなくて、自分ら20代でしかできないお笑いがあるのではないか、そういう可能性を探る世代」としています。

「お笑い第7世代」の”定義”

特に明確な定義はないそうですが、大まかに3つの定義があります。

  • 平成生まれ(生年が1989年(昭和64年/平成元年)以降)。
  • 2020年(令和2年)現在20代から30代前半。
  • 1987年(昭和62年)以降に生まれたゆとり世代・デジタルネイティブ。

ゆとり世代は、年上の人たちからの差別や偏見を持たれたりもしがちですが、学生時代からインターネットやパソコンがある生活環境で育っていますので、ITスキルや、情報収集能力、メディアリテラシーにおいて非常に長けており、逆に「劣っている」とか「ゆとりだから◯◯」というネガティブな言葉とは無縁の存在でしょう。

また、お笑い界の上下関係にあまり縛られていないこともあり、先輩たちの枠にとらわれず自分たちの世代ならではのお笑いを追求し、可能性を模索するという特徴を持っています。

だからこそ、新しいお笑いの時代が「お笑い第7世代」の彼らには作れるのでしょう。

日本お笑い歴史年表

現在に至るまでの「ニッポン」のお笑いの歴史を順に見ていきましょう。所々、懐かしさも伝わってきますでしょうか?

コント番組中心の時代

まず第1世代にあたるのは、1970年代に一世を風靡したコント55号の萩本欽一や志村けんを擁したザ・ドリフターズといった芸人です。彼らは、テレビが娯楽の中心だった時代に数々のコント番組を持ち、国民的なスターとなりました。
特に、今年3月に死去したザ・ドリフターズの志村けんさんは、本当に偉大なお方でした。あの人の笑いをまだまだたくさん見たかったです。

「お笑いBIG3」登場!!

第2世代の代表格はタモリ、ビートたけし、明石家さんまの「お笑いBIG3」です。特に、たけし、さんまの出演する『オレたちひょうきん族』では、芸人同士がお互いの秘密を暴露し合うような“内輪ノリ”の新しい形のコントが若い世代の視聴者に支持されました。これによってザ・ドリフターズが出演していた裏番組の『8時だョ!全員集合』は終了に追い込まれることとなります。
あの32年間続いたお昼の伝説的長寿番組の『森田一義アワー 笑っていいとも!』が始まったのもこの頃です。
♪お昼休みはウキウキWatching〜あっちこっちそっちどっちいいとも〜♪

お笑い第3世代

第3世代と呼ばれるのはとんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウン、B21スペシャルといった面々です。彼らは上の世代の芸人に対抗心を燃やし、新しい価値観の笑いを生み出していきました。彼らはフジテレビのゴールデンタイムに自分たちの名前を冠したコント番組を持ち、そこで独自の笑いを追求していきました。「ダウンタウンのごっつええ感じ」や「とんねるずのみなさんのおかげです」あたりが有名ですね。

マスコミや雑誌が彼らを「お笑い第3世代」と呼んだことで、彼らより上の世代がそれぞれお笑いの「第1世代」、「第2世代」として位置付けられることになりました。

『めちゃイケ』『ボキャブラ』ブーム到来!!

第4世代の筆頭はナインティナインやロンドンブーツ1号2号です。この世代の芸人の精神的支柱となった番組が『めちゃ×2イケてるッ!』でした。ナイナイを中心にして、極楽とんぼ、よゐこなどが脇を固め、ドキュメンタリー風の演出を取り入れた新しいお笑い番組の形を確立しました。

また、『ボキャブラ天国』をきっかけに若手芸人ブームが起こり、ここに出ていた芸人たちが一時的にアイドル的な人気を博しました。しかし、その後もテレビで生き残れたのは爆笑問題、くりぃむしちゅー、ネプチューンなど極々少数の芸人だけでした。

その他にも、FUJIWARA、雨上がり決死隊、バッファロー吾郎、キャイ〜ン、博多華丸・大吉、千原兄弟、ココリコ、オアシズなど
『吉本印天然素材』、『新しい波』、『めちゃ2イケてるッ!』、『進め!電波少年』、『ボキャブラ天国』世代及び同世代の芸人が「第4世代」と呼ばれています。

ネタ番組がブームに

第5世代の芸人はネタ番組から出てきた人が多く、この時代の代表的なネタ番組が『爆笑オンエアバトル』と『M-1グランプリ』でした。オンバトからはアンジャッシュ、タカアンドトシなど、M-1からは中川家、ますだおかだ、フットボールアワー、ブラックマヨネーズなど多数の芸人が輩出されました。
『爆笑レッドカーペット』、『エンタの神様』、『笑いの金メダル』などいわゆる「ネタ見せ番組」が増え始めました。
陣内智則やオリエンタルラジオ、安田大サーカス、次長課長、南海キャンディーズ、おぎやはぎなども有名になりました。

キングコングがMCの「はねるのトビラ」も人気でした。ドランクドラゴンやインパルス、ロバート、北陽、アンガールズなどの面々がコントや体を張ったゲームに挑戦したりして面白かったですね。

また、『ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア 笑わせたら100万円』や『とんねるずのみなさんのおかげでした』での「博士と助手〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権〜」など、短尺のネタを1ネタだけ披露させる構成のネタ見せ番組もブームとなりました。
ネタの時間が短いため多くの出演者を確保でき、新人芸人の出演チャンスが増やされた事がこれらの番組の大きな特徴です。

「一発屋」と呼ばれる芸人が急増したのもこの頃です。レイザーラモンHGや小島よしお、天津木村、桜塚やっくん、小梅太夫、波田陽区などが一世を風靡しました。年末年始の番組に多数出演し、その後は飽きられてしまうという暗い運命に陥ってしまいがちですが、中には流行語大賞を受賞したり、紅白歌合戦に特別出演したり、輝かしい活躍をした芸人もいました。

お笑いコンテスト番組が登竜門に!?

第6世代の芸人の特徴は、とにかく芸人の数が圧倒的に多いという点です。それまでいくつかあったお笑いブームの影響で、芸人志望者が年々増えていました。それらを取り込むためのネタ番組も多数生まれました。特に『エンタの神様』はレギュラー放送が終了してもなお、現在に至るまで、特番がほぼ定期的に組まれるなど人気が高いです。
『ピカルの定理』や『ミレニアムズ』、『爆笑レッドシアター』などの番組で、ピースや渡辺直美、ハライチ、ロッチ、はんにゃ、ジャルジャル、しずる、フルーツポンチ、オードリー、ナイツ、流れ星など多くの芸人が有名になり、バラエティ番組のレギュラーや冠番組を持ったりして活躍の幅を広げていきました。
「笑っていいとも」や「めちゃイケ」、「とんねるずのみなさんのおかげでした。」などの大人気長寿番組が軒並み放送終了を余儀なくされる中、深夜番組の「アメトーーク!!」などのトークバラエティ番組が人気を集めるようになりました。
番組MCや冠番組のみならず、ワイドショー番組のコメンテーターやリポーター、俳優業など芸人たちの活躍も多岐に渡るようになりました。

『M-1グランプリ』『R-1ぐらんぷり』『キングオブコント』『THE MANZAI』といったお笑いコンテスト番組も増えて、ネタが面白い芸人がチャンスをつかむという風潮が一般的になりました。
特に世間に驚きを与えたのが、2007年の『M-1グランプリ』でのサンドウィッチマンの優勝でした。それまでほぼ無名だったのにかかわらず、敗者復活戦から決勝に進出し、栄光を手に入れることができたというのは衝撃的でした。
また、2012年の『キングオブコント』で優勝したバイきんぐも、それまでほぼ無名でしたが、完全優勝を果たし、さらに歴代最高得点をマークするという快挙を成し遂げました。
一夜にして、スターの座に登ることができるというのは、これぞ正にスターへの「登竜門」ですね。
そして、2017年には女芸人のコンテスト『女芸人No.1決定戦 THE W』が新設されました。

「嵐」より嵐を呼ぶ「お笑い第7世代」の今後に期待!!

霜降り明星のせいやさんが、ラジオ番組で自分たちを「第7世代」と呼び始めてから、彼らと同世代の芸人たちを取り巻く環境は大きく変わりました。
2018年の『キングオブコント』でハナコ、『M-1グランプリ』で霜降り明星、昨年の『R-1ぐらんぷり』で霜降り明星の粗品さん、『女芸人No.1決定戦 THE W』では3時のヒロインが優勝の栄冠を手にし、お笑いコンテスト番組の場でも確かな実力を大いに披露しています。

人気アイドルグループ「嵐」の活動休止へのカウントダウンが刻々と迫る中、「お笑い第7世代」がレギュラー出演する番組が高視聴率を記録するなど、テレビ界に新たな「嵐」を呼び始めています。中でも、子供世代や若者世代から「アイドル的な人気」を集めているようです。
ある「嵐」の冠番組の裏番組が「お笑い第7世代」をレギュラーに起用した結果、子供世代や若者世代の層の視聴率では前者を完全に上回ったという検証結果も一部では出ています。

若者のテレビ離れが進んでいるとも言われている時代ですが、「お笑い第7世代」の彼らの活躍がそんなテレビ界を再び活性化させるいい起爆剤となりそうです。
また、テレビ界のみならず、動画サイトのYouTubeでも「お笑い第7世代」の芸人たちが続々と公式チャンネルを開設し、デジタルネイティブ世代ならではの活躍も見せています。

新たな「嵐」を呼ぶ「お笑い第7世代」の幅広い活躍に今後も目が離せませんね。

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