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2020/08/10:フリーペーパーvol.53発刊!

障害者雇用率が令和3年3月から2.3%に引き上げられる意味

コロナ禍でも年度内に2.2%から2.3%へ0.1%引上げが決定

政府は、障害者の方が、希望・能力・適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍すること、および、障害者と共に働くことが当たり前となる社会を目指し、障害者雇用対策を進めています。

障害者雇用率とは

その目標を実現するために定められた法律が障害者雇用促進法で、2020年10月現在、民間企業には、2.2%の障害者雇用義務が定められています。これは、従業員100名当たり、2.2名の障害者の方を雇用しなければならないということです。

実際に何名の障害者の方を雇用しなければならないかの正確な計算は、正社員などのフルタイム従業員を1名、週20時間~30時間勤務のパートタイム従業員を0.5名、週20時間未満のパートタイマー従業員は除外する、という前提条件で算出を行います。

たとえば、フルタイム従業員300名、週20時間~30時間勤務のパートタイム従業員200名の起業であれば、(300名+200名×0.5)×2.2%=8.8名となり、小数点以下は切り捨てますので、8名の障害者の方の雇用義務があるということです。

なお、45.5名×2.2%=1.001名となりますので、45.5名を超える企業規模になると、障害者の方の雇用義務が発生するというのが現在の定めです。

障害者雇用義務に違反した場合

障害者雇用義務に違反した場合、懲役や罰金といった刑事罰は定められてません。

しかし、行政指導や、企業名公表を受ける可能性があります。障害者雇用が実現できていないとして企業名公表された場合、メディアなどで報道される可能性もあるので、ブランドイメージの棄損や採用活動への影響等にもつながるリスクがあります。

また、従業員数100名超の企業では、法定雇用数に達していない場合、罰金ではないのですが、「障害者雇用納付金」という納付金を国に納める金銭的負担が発生します。

この「障害者雇用納付金」は、法定雇用率を上回る障害者雇用を実現している企業に対して支払われる「障害者雇用調整金」の原資となります。

障害者雇用納付金は、法定雇用率の未達成1名につき5万円ですが、1年で5万円ではなく、1か月あたり5万円であることに注意が必要です。すなわち、年間通して障害者雇用義務が達成できなかった場合は、未達成1名につき、5万円×12か月=60万円もの「障害者雇用納付金」の負担が生じるということです。

ですから、このような納付金を支払うよりは、積極的に障害者雇用に取り組み、障害者の方に自社の戦力として活躍してもらうべきでしょう。「特定求職者雇用開発助成金」をはじめ、障害者の方を採用したら受給できる助成金も数多く用意されています。

障害者雇用率の引上げ

令和3年3月からは、障害者雇用率が2.3%に引上げられます。

この結果、43.5名×2.3%=1.0005名となり、43.5名を超える企業規模になると、障害者の方の雇用義務が生じることになります。すなわち、障害者の方のを雇用する法的義務のある企業の範囲が拡大されるということです。また、従来から障害者の方の雇用義務があった企業においても、雇用すべき人数に増員が生じる場合があります。

もともと、この法定雇用率の引上げは、令和3年1月から行われる予定でしたが、目下のコロナ禍を踏まえ、令和3年3月からに延期されました。しかしながら、この引上げのタイミングが、2か月しか後ろ倒しにならなかったことは注目に値すると思います。

コロナ禍で多くの企業が経営に打撃を受け、雇用調整助成金の大規模な支給や、社会保険料の減免制度も続く中、政府は事業年度としては令和2年度内の障害者雇用率の引上げに踏み切ったわけです。

政府は障害者の雇用の確保と安定を非常に重視し、民間企業にも協力を求めているということでしょう。

コロナ禍によるダメージは大きいですが、一方で、テレワークを始めとした多様な働き方も日常の風景となりました。そこには障害者の方の新しい雇用の可能性も芽生えているはずです。

各企業が創意工夫をこらして、法定雇用率を達成し、障害者の方の雇用拡大および、障害者の方の個性を生かした企業活動の活性化を実現して頂きたいと思います。

 

プロフィール
榊 裕葵(ポライト社会保険労務士法人代表)

大学卒業後、製造業の会社の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。その後、社会保険労務士として独立し、個人事務所を経てポライト社会保険労務士法人に改組。マネージングパートナーに就任。勤務時代の経験も生かしながら、経営全般の分かる社労士として、顧問先の支援や執筆活動に従事している。また、近年は人事労務freee、SmartHR、KING OF TIMEなどHRテクノロジーの普及にも努めている。

主な寄稿先:東洋経済オンライン、シェアーズ・カフェオンライン、創業手帳Web、打刻ファースト、起業サプリジャーナルなど

著書:「日本一わかりやすいHRテクノロジー活用の教科書

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