米の新型コロナ死者、黒人が多い理由
なぜパンデミック(世界的な大流行)最大の被害者は、アフリカ系アメリカ人であるとされるのでしょうか? 新型コロナウイルスは誰しもが感染する可能性があるはずなのに。
専門家は、この不思議な疑問の理由について、貧困と関連した疾患、医療における差別、黒人の多くが自宅以外での仕事をせざるを得ない点を指摘しています。
新型コロナの死者の多くは黒人?!
アメリカ・シカゴ当局の調べで、シカゴ市の4月5日時点のCOVID-19(新型ウイルスの感染症)患者は4,680人。うち1,824人が黒人でした。一方、白人は847人、ヒスパニックは478人、アジア系は126人。死者は98人で、その72%が黒人となっています。
黒人コミュニティーでは、糖尿病や心臓疾患、呼吸器疾患がとても広くみられるとのこと。新型ウイルスが「黒人の街シカゴを壊滅させている」として、商店などを見回り、社会的距離が保たれているかをチェックを厳しくしているそうです。
新型ウィルス拡大感染、地域での偏り
新型ウイルスは「平等に」感染が拡大するとされていますが、統計からは、住む場所によって感染する確率に違いがあることがうかがえます。4月6日時点で、黒人の人口比が14%のミシガン州では、新型ウイルスの感染者の33%、死者の41%が黒人となっています。
これに対し、白人は感染者の23%、死者の28%と、黒人より低くなっています。
住民の約80%が黒人の同州デトロイトと近郊には、州内の感染者の約80%が集中しています。
もとより黒人が身体に抱える問題とは?
同様の偏りがウィスコンシン州ミルウォーキーでもみられます。
非営利調査報道団体プロパブリカによると、ミルウォーキー郡では黒人の人口比は26%ですが、4月3日時点で約1,000人に上っていた感染者のほぼ半数が黒人でした。また、死者27人の81%が黒人でした。
新型ウイルスの影響が深刻なルイジアナ州では、COVID-19による死者の黒人の割合は70%を超えています。同州のアフリカ系アメリカ人の人口比は32%です。
同州内の死者の約40%は、住民の多数を黒人が占めるニューオーリンズ地域で確認されています。
ニューオーリンズ市当局は、肥満、糖尿病、高血圧の住民の割合が全国平均より高いことが、COVID-19に対する同市のぜい弱さにつながっているとしています。
貧困格差時代から引き継ぐものであったり、黒人ならではのかかりやすい疾患を含めた病気、彼らに対する対応策をも我々は模索し検討していかねばならないと思うのです。
肉体的に優れ、多くのアスリートを輩出しているアフリカ系アメリカ人。彼らは肉体的には強いかのように思えますがそうではないようです。黒人たちに対する平等で真の打開策となる医療や生活を考えなくてはならない時期が来たのではないでしょうか。
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