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2024/10/10:フリーペーパーvol.103発刊!

アフターコロナ、以前の生活へ戻ってほしくないモヤモヤ感

外出自粛生活は普段よりも生きやすく感じた

新型コロナウィルス(COVID-19) による外出自粛が徐々に解消され、第2波も心配される中、少しずつ自粛前の生活が戻ってきています。この数ヶ月で好きな芸術家が次々と感染し、亡くなる方もいました。知人にも一名、犠牲者がでました。遺族や故人を愛する人々にとっては、まだまだ日常に戻る気持ちになれないと思います。

現在、治療中の方も居ます。新たな感染者も出ています。心より、みなさまの回復を願っています。

日常の生活でも様々な変化を強いられてストレスをかかえる人も多く、日々の生活に困っている方がいることも理解しているつもりです。

一方で在宅就労を初めて経験した人のなかには、自分に合った生活環境と働き方について改めて見つめ直し、今までの働き方と比較した方も多いのではないでしょうか?

私も2ヶ月間在宅就労へ変更していましたが、6月からは通常勤務に戻りました。正直言ってまだ困惑しています。不謹慎ながら、もともと外出の苦手な私にとっての自粛生活は、普段よりも肯定的になり、生きやすいと感じる生活だったからです。

在宅就労で疲労も少なめ、心にゆとりを持てた日々

私にとって自粛生活で大きく変化したことは、在宅就労になったことです。もちろん感染予防と体調管理に気をつけ、様々な場面で日常とは違う環境になりました。

もともと外出が続くと疲れ切ってしまい、日常生活がおざなりになる私にとっては、在宅就労は最低限の外出で済み、自粛生活中は体調の良い日が多くなりました。外出での体力の消耗が減ることで、食事も普段と比べて時間をかけて作り、バランス良く摂れました。たまっていたやりたいことも少しずつ片付き、出来ることが増えたために自信を持つことができました。生活全般のリズムも良くなったので、心も身体面も余裕が出来ました。

外出で疲弊する日々から自粛生活への変化

私は短時間の外出でも、心身ともに疲弊して体調が悪くなります。帰宅したら身体の痛み、頭痛やめまい、吐き気を治すため、まずは横になって一眠りします。

仕事を含めて外出した日は、夕食の用意が出来ないことが多く、なんとか日々をこなしている状態です。一人暮らしで頼る人も近くに居ないので、最低限の生活に必要なことは自分でしています。朝から仕事のために外出するとなれば、「早く起きて家事をして、仕事へ行く準備をしなければならない」と気負うため、前日の夜は緊張で寝付けないことも多く、朝は疲れ切った状態。やっと起きるという感じです。何をするのにも時間がかかり、食事が摂れないことも多いです。それでも充分良く頑張っているね、と褒めるようにしています。

自宅に居る時間が長くても、ほぼ横になって休んでいるために時間が足りないと感じ、いつも余裕がありません。遊びに行ったり、人と会うための外出は何年もできていません。決まった用事で人と接するだけで、今は精一杯です。ですから在宅就労という環境は、移動や緊張する場面が少なく、体力の消耗が減り、仕事への集中力においても私に合っていると感じました。

在宅就労で元気な日が増えたと実感

私にとっての在宅就労は、とてもありがたい環境でした。その生活にリミットがあるとわかっているからこそ、余裕のある時間を有意義に使えたとも思いますが、特に朝の仕事開始までの時間帯は、通勤時間も準備の時間も減った分、時間と体力に余裕があり、家事もこなせる量が増えました。平均して良い生活リズムで過ごた日が多かったです。早く起きることが出来た日は、ベランダで育てているハーブの手入れをしながらゆっくり日光を浴びて、身体も楽な日が多くなりました。

仕事の際にも自分が過ごしやすいように椅子やパソコンを好きな状態に調整して、周りも気にせずマスク無しの楽な格好で作業ができたので、身体的にも精神面でもずいぶん楽でした。体調が悪くて動けない日も、ギリギリまで横になってベッドからそのまま移動し、テーブルに付いて仕事を開始さえすれば集中して仕事モードになり、生活のリズムが崩れにくいと思いました。作業する時間も通所時よりトータルが増えました。仕事が終わったらベッドで横になって休む必要はありましたが、疲労が浅くて早くリセットできるので、日々蓄積していく疲労が少ない生活でした。

在宅就労期間中の生活を振り返って

在宅就労中は心に余裕があり、苦手な朝も少しずつ楽しめる日が増えました。

週の半分程度は朝6時頃起きて部屋中の窓を開けながら、ベランダでゆっくりハーブの手入れをしました。しっかり朝日に当たり、朝の新鮮な空気をたくさん吸って身体が目覚めるのを待ちました。

洗濯機をまわしながら収穫したハーブを使った朝食を用意したり、ぬか床の手入れをして、コーヒーをゆっくり味わう余裕がありました。めまいや腰痛で立っていられないのは変わりませんが、座って休みつつ、これらをこなすと9時前後になり、仕事の準備に入るのが朝の流れでした。

新鮮な空気、新鮮な野菜、清潔な部屋で気分良く仕事を始められますし、朝食の準備で発生する湿気や臭いも、時間をかけて空気の入れ替えが出来ます。在宅中は窓も押入れも開けたまま、サーキュレーターで空気を回していました。天候が急変したり桜島が噴火したら、すぐに洗濯物を室内に移して窓を閉められますし、布団もいつでも取り込めるので安心して気軽に干せました。

お昼休みは食べたいものを作りました。料理が好きなので、仕事の時間からの気分転換になり、休憩時間も充実しました。米を炊きながら仕事に入る日もありました。多めに作ったら夕食用にストックし、コーヒーを淹れてゆっくり休むと休憩開始から40分程度です。

私は血圧も体温も低く、たくさんの薬を使用して副作用もあるため、朝は血の気の引いたフラフラな状態です。室内用に置いているツエを使うなど、非常にゆっくりとした行動です。在宅就労だと実際に時間にも余裕ができ、慣れたら心にも余裕ができたので、疲労が溜まりにくく、仕事にも楽しく集中できました。作成した文章の音読ができることも、大きな利点だと思いました。あらゆる面で普段よりも出来ることが増え、その達成感で心も充実し、良い状態で早寝ができる日も多くなり、そのような時は早起きもできました。外出ついでの余計な買い物も無いので、全ての面で余裕が生まれ、丁寧な暮らしになったと思います。

自粛生活は世界中の人々と一体感を感じられた

自粛生活で在宅時間が増えたもの同士、普段よりもコミュニケーションが深まっていたと思います。オンライン食事会をすることもできました。

SNS上では世界中の人々と直接繋がり、ともに大変な時期を乗り越える同志のような連帯感があるのも、悪い気がしなかったです。好きなアーティストが自宅から発信するライブや生活の紹介も、普段は観ることができない貴重なものでした。

さまざまな場面で普段とは違う一体感、連帯感を感じました。

また丁寧な暮らしは遠のく? 通所での生活に戻ることへのモヤモヤ感

そんな私も、6月から通常の就労形態に戻りました。自宅へ帰ると、まずは横になって休み、その疲れを引きずったまま過ごす日々が戻りました。ちょっとした外出でも緊張するので、長いこと安定剤の頓服薬を飲んでから外出しています。

一度充実した在宅就労での生活を経験した今、完全に元の生活へ戻す必要があるのかを、少なからず考えてしまいます。少なくとも今私が取り組んでいる仕事は、基本的には在宅就労で可能な内容です。もとに戻ることへ違和感を感じることを贅沢だ、我儘(わがまま)だ、と言われたらそうかもしれません。しかし人や状況により、心地良く感じる環境が違うことは事実だと思います。今回の自粛生活が、それを深く考えるきっかけになりました。

モヤモヤの個人的な理由

大きな不安や心配は無いのですが、私が外出する際には最小限の疲労で済むように予防や対処が必要になります。

PTSDによる解離で時々意識が途切れます。バス移動の間に、自分がどこに居るのか判らなくなってしまい、慌てて違うバス停で降りることもあります。そういう時に不安発作やパニックにならないよう、おそらく外では常に緊張しています。数年前はまともに外出もできないひどい状態だったので、より良くなるにはある程度の年月が必要だと思っています。

私がかかえているPTSDのフラッシュバックも、無意識のちょっとしたきっかけで起きます。蓋をして見ないふりをしてきたことでも、月日が経つほど鮮明に新しいことを思い出すようになっています。そして心も身体も、強い虚脱感に襲われます。医師からは、頭をふせて身体を支えて休み、悪い記憶に引っ張られないよう好きで難しいことをして深く集中し、とにかくやり過ごすように言われています。自宅だと人目を気にせずに対応しやすいのですが、外では難しい問題です。

外出したら帰ってすぐに寝る。そんな生活がまた戻ることへ、モヤモヤしているのだと思います。

アフターコロナ、私の課題

在宅就労による自粛生活は、通勤時間ゼロ、外出しないで済むことで疲労が最小限で済みました。自宅にこもっていても、それが当たり前と言い切れる心地よさもありました。仕事においては部屋の明るさや温度調整も自分仕様、マスク着用不要、服装も自由、アレルギー用のテカつく薬やアロマも自由に使えたのは、大きなポジティブ要素でした。基本的には私の普段からの生活プラス、在宅で働けるという生活でした。

6月からもとの就業形態に戻ったことで、その変化や疲労に適応していけるように試行錯誤中です。ネガティブ要素ばかりに目を向けず、徐々に外へ出ることが平気になって、人と接しても自分をしっかり持って生活してける本来の自分へ戻るための訓練だとも思っています。

まだまだ感染が心配される状況です。東京の知人は夏場のマスクの着用を懸念して、フェイスシールドを購入しました。これが大げさでは無く、あたりまえのこととなりつつあるようです。私も夏場に向けて少しでも快適に外出をできるように、ランナー用のUV速乾冷感フェイスガードを購入してみました。

一日も早く新型コロナウィルス(COVID-19)の研究と予防治療法の確立、安心して暮らせる生活に戻ることを願っています。

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