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2020/11/10:フリーペーパーvol.56発刊!

処罰から回復へ 刑務所で「対話」をする意味

受刑者の本音を知りたい

最近ニュースで、知的障害者入所施設「津久井やまゆり園」の元職員 植松聖被告の裁判の様子をみる機会が多い。植松被告のコメントの一部が公開されるたび、彼がなぜこのような残虐な事件を起こしたのか? 重度障害者は生きている意味がない旨の発言の真意は? なぜこのような考えに至ったのか? などわからないし、知りたいと思ってしまう。

平成29年版 犯罪白書によると刑法犯の検挙件数は30万9,409件。単純にいえば、これだけの人が刑務所に入っていることになる。でも、刑務所で何が行われているか、受刑者が何を考えているか、私たちは知らない。

回復共同体というプログラム

先日、坂上香監督の映画『LIIFERS(ライファーズ)終身刑を超えて』を観た。ライファーズとは、終身刑・無期刑受刑者たちを意味する。

映画『LIIFERS(ライファーズ)終身刑を超えて』

更生不可能といわれるライファーズたち。アメリカでは、重罪犯を対象にした回復共同体(TC:Therapeutic Community)というプログラムが効果をあげているという。『LIIFERS(ライファーズ)終身刑を超えて』の舞台は、アメリカ・カリフォルニア州にあるドノバン刑務所だった。

映画『PRISON CIRCLE(プリズン・サークル)』

2020年1月25日から東京・渋谷の【シアター】イメージフォーラムで公開されている映画『PRISON CIRCLE(プリズン・サークル)』の舞台は日本。島根県あさひ社会復帰促進センターだ。

『PRISON CIRCLE(プリズン・サークル)』は、初めて日本の刑務所にカメラを入れたドキュメンタリー映画になる。官民協働という新しい刑務所である島根県あさひ社会復帰促進センターでは、日本で唯一、TCプログラムを実施している。

日々のニュースで様々な事件が報じられるが、受刑者たちが刑務所でどんな生活をしているか、わたしたちはほとんど知らない。

この映画を観ると、受刑者の生活の様子や本音を聞くことができるだろう。

再犯者が多い現実

刑務所では罰を受ける、罪を償う。そんなイメージがある。軍隊のように整列。きびきびした行動。自由がない。刑務作業を行う。それぐらいしか思い浮かばない。もちろん、犯罪を犯したなら罪は償わなければならない。

平成29年度の再犯率は48.7%。10万4,774人が再び罪を犯した。2人に1人が再犯者。今の刑務所での生活がどうなのか疑問が残る。

対話することで過去の自分と向き合う

刑を全うしたら刑務所から出られる。当たり前かもしれないが、2人に1人が再犯者であるならば、刑務所での生活の仕方も変えなければ、このよくない流れは変わらないだろう。

処罰から回復へ。対話の中から生きなおす糸口をみつける。TCプログラムはそのようなものではないだろうか。

自分の罪と向き合う、自分の過去と向き合う。
たやすい作業ではないことは理解できる。

でも、そこを超えなければ、生きなおすことは困難だろう。

被害者が加害者に

坂上監督は集団リンチを受けた過去があるという。そして、弱い立場の弟に暴力をふるっていたと映画後のトークで語っていた。

受刑者の多くは、虐待やいじめを受けていたという調査結果もある。

被害者が加害者になる。そういう図式ができているようだ。ひとりではわからない、誰かと対話することでそこに気づく受刑者も多いという。

自分の過去を見つめなおして、掘り下げて、原因を考える。そして、対策を考えて社会へ戻る。そこにTCプログラムの意味があるのではないかと思う。

刑務所で「対話」をする意味を

『PRISON CIRCLE(プリズン・サークル)』は、東京・渋谷のイメージフォーラム以外にも京都・京都シネマ、大阪・第七藝術劇場でも公開されはじめた。

また、『LIIFERS(ライファーズ)終身刑を超えて』は、シネマ・チュプキ・タバタで公開されている。

これを機会に、刑務所で「対話」をする意味をこの2作品から感じていただきたい。また、生きなおすヒントもここからみつけていただきたい。

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