自治体による強制入院や就業制限などの措置が可能に
中国を中心に世界中で感染拡大をみせている”新型コロナウイルスによる肺炎”。日本国内でも中国・武漢市から帰国、来日した4人の感染者が確認されています。日本政府は28日、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法による「検疫感染症」の指定を閣議決定しました。これにより、感染が疑われる人に対して自治体による強制的な入院措置や就業の制限を行うことが可能となります。
新型コロナウイルスによる肺炎
2019年12月、中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎の発生が報告されて以降、感染の拡大が続いています。中国では旧正月「春節」の大型連休で、帰省者や海外渡航者など、人の移動が一斉に激しくなったこともあり武漢市のみに留まらず、市外さらには国外へと感染者が移動し世界規模での危機を招いています。
【新型肺炎 中国で死者100人超】https://t.co/x5FmLsGPIp
中国湖北省政府は28日、新型コロナウイルスによる肺炎の死者が前日から24人増え100人になったと発表、中国本土の死者は106人となった。日本政府は、新型肺炎を指定感染症に閣議決定している。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 28, 2020
日本国内でも4人の感染者+渡航歴なし感染者を確認
日本へも武漢市からの来訪者は非常に多く、25日までに4人の感染者が確認され、さらに1/28時点では新たな感染者を確認。一人は新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中国湖北省武漢市への滞在歴がないにもかかわらず、1月に2度同市からのツアー客を乗せたというバスの運転手でした。
【速報】武漢市への渡航歴ない感染者確認https://t.co/RDm0J4Tz5E
加藤勝信厚労相は28日、国内で新たに2例の新型コロナウイルス感染者が確認されたことを明らかにした。1人は中国の滞在歴がないバスの運転手で、1月に2回武漢市からのツアー客を乗せたという。
— ライブドアニュース (@livedoornews) January 28, 2020
「指定感染症」になると?
都道府県知事が、新型コロナウイルスによる肺炎の感染疑いがある人に対し、感染症対策の整っている医療機関への入院勧告を行うことができます。もし従わなければ、強制的に入院させることもできます。そのほか、患者に仕事を一定期間休ませる就業制限の指示や、感染患者を見つけた医師へ報告義務を課すことが可能に。
強制的に入院させられると言っても、治療・入院にかかる医療費は公費で負担します。
「検疫感染症」
空港や港などでの入国時に感染が疑われた人に対し、検疫所が検疫法に基づき強制的に検査や診察を指示できるようになります。万が一、この指示に従わない場合は罰則が課されます。
症状が出たら速やかに医療機関の受診を
厚生労働省は武漢市から帰国する日本人に、発熱・せき・息苦しさなど呼吸器の症状が出た場合は速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。症状が現れない場合でも約2週間の健康観察を行う必要があり、症状が現れた際は最寄りの保健所に連絡してください。
医療機関を受診する際は事前に連絡し、武漢市への渡航歴や症状を伝えてから受診を。
中国人に限らず、武漢市から帰国した人など多くの人が日本に入って来ている以上、感染者がこれからも国内で確認される可能性があります。感染拡大を防ぐには個人レベルで高い意識を持って予防対策に努めることがカギとなるでしょう。
現在のところ過剰に心配する必要はなく、インフルエンザと同様に手洗いや咳エチケットなどのを予防対策に努めるよう厚生労働省は呼びかけています。
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