サッカーと人生、ふたつの闘いが交差し魅了する映画
先日、鹿児島である映画が期間限定で上映されました。
電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画、「蹴る」。
そこには、サッカーに賭ける選手たちの命がけの闘いが描かれていました。
障害者サッカー、電動車椅子サッカーとは
「蹴る」は中村和彦監督による、障害者サッカードキュメンタリーの3作目になります。
監督はこれまでに知的障害者によるワールドカップを追った「プライド in ブルー」、ろう者サッカー女子日本代表の初めての海外への挑戦を映した「アイ・コンタクト」。
そして、サッカー日本代表のオフィシャルドキュメンタリーDVD「日本代表激闘録」シリーズなども手掛けてきました。
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日本の障害者サッカーは上肢・下肢切断障害、聴覚障害、精神障害など、7つの団体に分かれています。
電動車椅子サッカーは、その名のとおり電動車椅子を操作できることが条件になります。
1チームのプレーヤーはゴールキーパーを含めて4名。
性別は関係なく、選手は障害の度合いにより2つのクラスに分かれます。
年齢層も幅広く、日本国内であれば5歳から公式戦に出場も可能です!(※要障害者手帳)
電動車椅子を操作できる障害者というと、やはり障害の度合いは重度になります。
わたしは、そこも電動車椅子サッカーの魅力のひとつと感じました。
普段は移動手段として使用される電動車椅子も、呼吸を整えるための人工呼吸器もハンデではなく、自分だけの武器へと変えていくのです。
実際に練習と試合も観戦したことがあるのですが、電動車椅子を体当たりで操縦するスピードと試合の運び、その迫力に息をのみました。
電動車椅子サッカーの映画「蹴る」観ました
ブラインド、デフ、アンプティなど色んなサッカーがある中で、恐らく、唯一自分の脚でボールに触れない電動車椅子サッカーですが、選手は確かにボールを「蹴」っていました。#ナンチェスターユナイテッド鹿児島#じゃんけんマンとツン隊長#感想浅すぎ笑 pic.twitter.com/fLxEE2Y9gS— 大西勝俉 (@shogo_onishi31) August 4, 2019
女性初の日本代表、永岡真理選手
「蹴る」は、Yokohama Crackersの永岡真理選手の話から始まります。
初めて、日本代表に選ばれた女性選手である永岡選手。
サッカーに対する情熱と苦悩、学生から社会人へ、選手同士の恋愛も。
代表入りの発表後、壁に向かって、ひたすら練習をする永岡選手の姿が印象的でした。
永岡選手に限らず、登場する選手それぞれの私生活も垣間見れます。
障害の状態も含めて、どのような思いでサッカーに挑んでいるのか。
その部分も赤裸々に見せてくれる選手たち、本当に魅力的でした。
映画「蹴る」面白かった!車椅子サッカーのシーンでゴールが決まると思わず立ち上がりそうになったり(笑)昨日の今日なので興奮しましたわ😁サッカー好きな人なら絶対楽しめますよっ!! #蹴る #シネウインド
— 里ジャムおばさん (@ricchori) August 5, 2019
鹿児島から日本代表へ
10番 東武範選手
そして、2人めの主人公は鹿児島の電動車椅子サッカーチーム「ナンチェスターユナイテッド 鹿児島」に在籍されている東武範選手。
胃ろうの手術前、映画最後の言葉、パンフレットのSNSから抜粋された言葉たち。
何事に対してもまっすぐに、熱く向き合う方だと感じました。
特に印象的だったのは、やはり映画最後のシーン。
思わず笑い、そして胸がいっぱいになりました。
11番 塩入新也選手
パンフレット内で、監督はこのような言葉を書かれています。
「世界にキャプテンは3人しかいない。マルディーニと長谷部、そして塩入だ。」
塩入新也選手はナンチェスターユナイテッド 鹿児島のキャプテンであり、2017年のワールドカップ日本代表のキャプテンも務められました。
監督は塩入選手の家に泊まることもあり、焼酎を酌み交わしながらサッカーの話をする仲だそうです。
東選手とともに、2017年のワールドカップに参加された塩入選手。
ワールドカップ中、自身の心情を語るシーンはあまり見られませんでした。
しかし、そこに写る塩入選手の表情は強く険しい眼差しで、その表情から内面を感じ取ることができました。
また、「ナンチェスターユナイテッド鹿児島」は週に1度のペースで練習を行っております。
見学だけでも歓迎とのことです。
練習日時や場所、見学につきましては公式サイトよりご確認し、ぜひお問い合わせください。
パンフレットの裏に監督、塩入選手、上映会の司会を務められた、じゃんけんマンのサインを書いていただきました♪
情熱と熱意に、尊敬と少しの嫉妬心も
時に悩み、葛藤し、喜び合い、どうしたらサッカーを続けられ強くなれるのか。
自分のこれまでとも重ねながら、真摯に伝える選手たちのその姿勢がまぶしくて、本当に格好よくて…、何度も涙が出ました。
感動、というより、選手と映画スタッフの熱意に心がえぐられる感覚。
スポーツとしての魅力、電動車椅子サッカーと出会えて誠実に向き合う選手たちへの尊敬と憧れ。
これほどまでに情熱を向けられることの、少しの嫉妬心とパワーも。
そして多くの人に映画を観て、電動車椅子サッカーのことを知ってほしい!
実際に練習や試合を観戦して、その迫力も感じてほしい!と、心から思いました。
選手たちの蹴る姿、本当に圧巻です!
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