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2019.10.10:フリーペーパーVol.43発刊!

社労士が説明する「自然災害のとき会社を休んでいいの?」

仕事よりもまずは自分の命を守ることを第一に行動しましょう

九州地方を記録的な大雨が襲い、河川の氾濫や浸水など、大きな被害をもたらしました。避難生活を強いられたかたも少なくなかったようです。

今回の記事では、「自然災害」と「仕事」について、働く人が知っておきたいことをまとめました。

天災のとき会社に行く必要はあるの?

社員は、雇用契約書やシフト表などで出勤日と決められている日には、会社に出勤をして仕事をしなければなりません。雨の日に「今日は天気が悪いから会社には行きたくない」という無責任なことをしてはなりません。

ですが、「記録的な豪雨」となると話は別です。いくら仕事とはいえ、道路が水没していたり、土砂崩れや洪水の危険性がある中、命の危険を冒してまで仕事に行く必要はありません。真面目な人ほど、無理をして会社に行こうとしてしまいますが、自分の命を守ることを第一に考えて下さい。

たとえ社長や上司から出社を求められたとしても、社長や上司の家の前では大したことはなくても自分の家の前は危険な状態になっているということもありますので、事情を説明して出社を断ることは、決して後ろめたいことでも恥ずかしいことでもありません。

自宅でパソコンを使ってできるような仕事であれば、テレワークを申し出てみるのも良いかもしれません。

お給料はどうなるの?

豪雨などの天災のために会社に行くことができないのは本人の責任ではありませんが、かといって、会社の責任ということでもありません。ですから、お給料は無給扱いとなるのが一般的です。

ただし、会社によっては就業規則で「天災による就労不能の場合は有給扱いにする」ということが定められている場合もありますので、自分の会社の就業規則をいちど確認してみてください。「災害休暇」のような特別休暇制度が定められている会社もあります。

実務的によく行われるのは、年次有給休暇への振替です。会社は必ずしも応じる義務はないのですが、2019年4月1日から年間5日以上の有給休暇の取得が義務化されたこともありますので、応じてくれる会社が多いのではないかと思います。

なお、逆に会社の判断で社員本人に断りなく、勝手に有給休暇の取得日扱いとすることはできません。有給休暇は、あくまでも社員本人の自発的意思に基づいて取得するものだからです。

あらかじめ分かっていれば事前の対策を

明日は豪雨や大雪になるとか、強い台風が接近するといったようなことが天気予報で分かっている場合は、前日のうちに会社に相談をして、有給休暇の申請をするというのも一手です。

会社側から「有休奨励日」ということで、「希望者は有給休暇を申請するように」と言ってくれたり、臨時休業日や休日振替ということにして会社自体を休みにするという場合もあります。

給料の前払いが受けられる

天災によって、不幸にも自宅が被災してしまうなど、財産的被害を受けることも発生します。そのようなときは、労働基準法の第25条を思い出してください。

「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない」

と定められていて、天災による被災を含む非常時には、給与支給日以前であっても、会社から前払いを受けることができるようになっています。

罹災休暇や災害見舞金の制度

上記給与の前払い以外にも、就業規則で会社が福利厚生として独自の支援制度を定めている場合がありますので、あらかじめ就業規則を確認しておくと良いでしょう。

多く見られるのは、罹災休暇と災害見舞金です。

罹災休暇は、災害によって自宅が全壊や半壊した場合、生活の立て直しのために一定期日の休暇を与える制度です。

災害見舞金は、災害によって自宅が全壊や半壊した場合に、一定額の見舞金が会社から支払われるという制度です。

まとめ

ここまで述べてきたことをまとめますと、自然災害に直面した場合には、まずは、仕事よりも自分の命を守ることを第一に考えて行動してください。その上で、休暇制度や見舞金制度など、金銭的な面で活用できる会社の福利厚生制度を必要に応じて活用していきましょう。

 

プロフィール

榊 裕葵(ポライト社会保険労務士法人代表)

大学卒業後、製造業の会社の海外事業室、経営企画室に約8年間勤務。その後、社会保険労務士として独立し、個人事務所を経てポライト社会保険労務士法人に改組。マネージングパートナーに就任。勤務時代の経験も生かしながら、経営全般の分かる社労士として、顧問先の支援や執筆活動に従事している。また、近年は人事労務freee、SmartHR、KING OF TIMEなどHRテクノロジーの普及にも努めている。

主な寄稿先:東洋経済オンライン、シェアーズ・カフェオンライン、創業手帳Web、打刻ファースト、起業サプリジャーナルなど

著書:「日本一わかりやすいHRテクノロジー活用の教科書」

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