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2019.08.10:フリーペーパーVol.41発刊!

AED普及率は世界トップクラスも使用率の低い日本(1)

ためらわずに使ってほしい 判断の目安は”呼吸の変化”

日本に設置されているAEDは約60万台と普及率は世界でもトップクラス。しかし、救命処置が必要な場面においてAEDが近くにありながらも使用しないというケースが多く、使用率は年間約4%ほどに留まっているのです。猛暑が続く夏、寒さが心臓に負担を与える冬など、私たちの日常には”突然死”のリスクが存在します。AEDは生存率を上げる優れたツールです。AED使用に対する知識を持つことが、いつか誰かの命を救うかもしれないのです。

AEDの迅速な使用が救命率を左右する

日本は世界でもトップの普及率ですが、心停止などの救命処置が必要な場面でAEDを使用するケースが非常に少ないのです。未使用の理由に多いのは「電気ショックの必要があるか見極めができない」「電気ショックを行うことにためらってしまう」といったものです。

心室細動

突然倒れ意識を失う場合、心臓が「心室細動」を起こしている可能性があります。
心室細動とは、電気刺激によって規則的に収縮することで全身に血液を送っている心臓が、何らかの原因で収縮が不規則になり不整脈を起こしている状態です。血液を全身に送っている”心室”が、ブルブルと震える”細動”を起こすと血液を送り出すことができず、重要な臓器に血液が行き届かなくなり、やがて心臓も停止してしまいます。

救命率

心停止すると「生存し退院できる可能性(救命率)」は、1分ごとに約7〜10%ほど低下し、5分経過すると50%にまで落ちると言われています。日本の救急車の到着までに要する時間は平均約8分30秒。その頃には救命率は20%にまで低下してしまうのです。

電気ショックは心室細動を起こした心臓に対する唯一の治療法だと言われています。1秒でも早く電気ショックを行うことが重要で、傷病者を移動させずにその場で迅速に救命処置を開始することが求められます。AEDを使用したからといって救命率が100%になるわけではありませんが、使用しなければ救える可能性はさらに低くなります。

救えなかった命、桐田明日香さんのケース

2011年9月、さいたま市の小学校で6年生の桐田明日香さんが駅伝の課外練習中に倒れ、翌日病院で亡くなるという悲しい事故がありました。校内にはAEDが設置されていましたが、明日香さんが倒れた直後に”けいれん”や”あえぐような呼吸”をしていたため、その場にいた教師たちはすでに心停止状態にあることに誰も気付かず、AEDの使用は不要と判断しました。

事故対応マニュアル「ASUKAモデル」

明日香さんのような悲劇を繰り返さぬよう、明日香さんの遺族とさいたま市教育委員会は共同で事故を検証し「体育活動時における事故対応テキスト:ASUKAモデル」を作成。これは突然死を防ぐための対応マニュアルであり、傷病者の呼吸確認や心停止の判断をする際に、”判断ができなかったり迷った場合は胸骨圧迫とAEDの使用に進む”ことが強調されています。

AED使用の目安”死戦期呼吸”

明日香さんにも見られた「あえぐような呼吸」。これは「死戦期呼吸」と呼ばれ、脳の酸素が不足し意識を失ってもなお、必死に生きようと死と戦っている状態です。酸素を取り込もうと下顎を動かし空気を飲み込むような動きは、一見呼吸をしているように見えても実際は酸素を取り込めていません。そのため、死戦期呼吸が始まったら1秒でも早い”胸骨圧迫”や”AED”を用いた救命処置が必要となるのです。しかしながら、医療従事者でなければ見分けることが難しく、まだ呼吸が出来ていると判断され胸骨圧迫が遅れてしまったり、AEDが近くにあっても使用しないということに繋がるのです。

死戦期呼吸の種類

  • 下顎呼吸・・・パクパクと下顎を動かし口の開閉を繰り返し、空気を飲み込むような呼吸。顎だけが動き胸はほとんど動かない。
  • あえぎ呼吸・・・「…ハッ…ハッ…ハッ…」と苦しそうな呼吸。

このような不規則な呼吸が続いた後、呼吸が停止します。死戦期呼吸について知ることで、胸骨圧迫やAEDによる救命処置が必要か否か迅速に判断することができます。

 

心停止状態の傷病者に対しては、”1秒でも早い電気ショックによる救命処置が必要”であり、”AEDを使用する目安に「死戦期呼吸」がある”。この知識があれば、いざその場面に立ち会わせても適切に対処することが出来るでしょう。そして、AEDを”ためらわずに使用する”ためには、その機能や仕組みについても知っておくべきかもしれません。

次回「AED普及率は世界トップクラスも使用率が低い日本(2)」では、知っているようで知らない「AED」の使用法や機能等について紹介します。

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