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2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

『障害攻略課』ゲーム感覚で社会に潜む障害を攻略!

石川県中能登町『障害攻略課』

今まで何で知らなかったんだろう。2017年4月に発足した一般社団法人『障害攻略課』。バンクーバーパラリンピック銀メダリスト(パラアイスホッケー)上原大祐さんらのアイデアから、社会に潜む障害をゲーム感覚で攻略する『障害攻略課』。石川県中能登町ではじまりました。この発想、シンプルにいいですよね。会議室でなんやかんや机上の空論を戦わせているより、よっぽど現実的です。

個性豊かなプロジェクト

『障害攻略課』では今まで、8つのプロジェクトを立ち上げています。どれも斬新!面白い!特に、滝に打たれてみたいという車いすユーザーの要望を聞いて実現した ”バリアフリー滝行” は、インパクト大です。

バリアフリー滝行

古くから修験者の荒行の場として知られる中能登町の「不動滝」を、誰もが安全に楽しめる滝行の場とすべく、あの手この手で攻略しました。

身体障害者駐車場を整備、滝壺までのでこぼこ道を段差のない道に舗装、車いすで走行しやすいようにポリエステル製のマットを敷く、岩場でも比較的動きやすい車いすをレンタルできるようにする。そして、まちの繊維技術(中能登町は昔から繊維産業が盛んなまちです)を活かして、下半身が濡れない撥水性が高い滝行用白装束の開発も行ったそうです。

車いすで滝行。やってみたい方も多いのではないでしょうか?

Techo School

2018年3月に東京・虎ノ門ヒルズで開催された ”Techo School(手帳スクール)”。先生は全員、障害者手帳をもっているという学校です。

いい意味で既存の会社の枠にはまらない働き方をしている(はまれなかった、採用されなかったとも言えますが)先生方の、最先端の働き方を学べる場。

「会社に自分を合わせるではなく、自分に社会を合わせる」という働き方を獲得した先生方の話は、障害のあるなしに関わらず、多くの人にとって興味があるのではないでしょうか?

いろんな地域で ”Techo School” 開催してほしいです!

その他のプロジェクト

UNITED ARROWS LTD.と連携してインクルーシブな服を開発した 041(ALL FOR ONE)FASHION041 OFFICIAL PAGEにて第二弾の商品販売中)、

「着物のすべてを、すべての人に。」のコンセプトで開催された車いすモデルファッションショー ”KIMONALL” 、「2020年までに、こういうことのない社会を」を合言葉に始まったハッシュタグプロジェクト ”#nono2020”

中能登町の繊維技術を活用した誰もが楽しめるインクルーシブスポーツを開発する ”繊維スポーツ”

目で視認できる「識字」と点字が一体となった究極のユニバーサルフォント ”Braill Neue(ブレイル ノイエ)”

中能登町の町民の写真が簡易スロープにプリントされた ”町民スロープ”と、斬新な、ユーモア満載なプロジェクトたち。ちなみに、町民スロープは、「町民全員で、皆様を支えます」という気持ちを可視化したそうです。

マチ・モノ・コト・ヒトを攻略

社会に潜む障害を攻略しながら、次々と発明をしていく『障害攻略課』。この発想がいろんな地域に飛び火していって欲しいと思います。『障害攻略課』には、マチ・モノ・コト・ヒトの4つの戦略軸があります。

マチの障害攻略

誰もが使いやすい・誰もが気軽に遊びに行ける・誰もが行きたくなる、これがマチの障害を攻略するキーワード。駐車場やトイレ、観光スポット、商業施設、駅などがもっている障害をどうやって攻略していくか? どこのマチでも課題になっていることではないでしょうか?

モノの障害攻略

誰もが着やすい服、誰もが使いやすい生活必需品やデバイスを開発することで、生活が豊かになる人、絶対に増えますよね!

プロジェクトのひとつ ”041(ALL FOR ONE)FASHION” は、いまだ解決されていない誰かひとりの課題を起点に、プロダクト・サービス(商品をどのように提供するか)を開発しています。

また、”Braill Neue(ブレイル ノイエ)” では、点字を視覚障害者専用の文字という固定観念から解放し、ひとつの書体としてすべてのヒトが点字を自由に活用できることを目指しています。

コトの障害攻略

誰でも参加できる、楽しめる遊びやスポーツ、イベントを仕掛ることで、そこに多くのヒトが集まりますよね。興味を持ち、関わることで、社会に潜む障害攻略はしやすくなると思います。ちなみに、中能登町に『障害攻略課』ができたきっかけは、2回開催された義足のビーナスたちのファッションショー「切断ビーナスショー」だったそうです。

ヒトの障害攻略

マチ・モノ・コトの障害攻略を通じて、他人の気持ちに寄り添うことができるヒトをデザインするのがヒトの障害攻略法とのこと。こんなヒトがたくさん住んでるマチは、絶対楽しいし、住みやすくなりますよね。

『障害攻略課』の考えを全国各地に

社会に潜む障害をゲーム感覚で攻略する『障害攻略課』。

障害攻略エキスパートやプロデューサー、サポーター、デザイナー、カメラマン、石川バリアフリーツアーセンター、中能登町企画課などが絡んだこの取り組みは、とても面白いですし、いい意味で固定観念を覆してくれています。

試しながら、楽しみながら、自分事として社会の障害を攻略していく取り組みが全国各地に飛び火して、誰もがやさしく、つよくつながっていく社会ができていくといいなと思います。

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