優先であるにもかかわらず車両の通過を待ち横断しなければならない歩行者
横断歩道等における歩行者等の優先
第三十八条
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
注:e-Gov法令検索「第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法(横断歩道等における歩行者等の優先)第三十八条」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
ざっくり
歩行者と車の関係
日本の道路交通法では、道路を横断する歩行者がいるとき、自動車は歩行者の進行を妨げてはならないことが定められています。
横断歩道付近等における交通ルール
横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。また、歩行者や自転車が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道や自転車横断帯の手前(停止線があるときは、その手前)で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければなりません。
注:警察庁「横断歩道付近等における交通ルール 1運転者のルール」https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/oudanhodou/info.html
信号機のない道路
ましてや、信号機が無く横断歩道が描かれ、さらに歩行者優先標識の立てられた道路を歩行者が横断しようと待つその前を、車が徐行すらせず、歩行者と衝突すれすれの距離でそのまま通過してしまったとしたら、法令による安全を目指した優先規定など全く無視されているとしか言えません。
警察は違反を放置
ところが、日本の多くの道路では、このようなおかしな違反がまるで車の方に優先権でもあるかのようにまかり通っています。
横断歩道を渡る時は右見て左見てって習わなかったのかな?
普通に教育受けて育ってきたならそれぐらいできるよね。
お前らみたいなクソ雑魚ナメクジの脳内フラワーガーデン野郎がいるからこういうしょうもない事故が起きるんだよ。
なんでもかんでも歩行者優先にしてんじゃねーよ邪魔くせえな— 満秀 (@ZaQ2BXgkFHf6KA8) 2018年11月27日
横浜市、交通安全協会からのお知らせです
最近、自転車が加害者になる交通事故が増えています、「自転車も、乗れば車の仲間入り」歩道では歩行者が優先です— 48系統コットンハーバーBot (@48_cotton_Bot) 2018年11月27日
11/22-11/28は信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発強化期間。横断歩道は歩行者優先。横断しようとする歩行者がいるときは必ず一時停止を!歩行者と車両が衝突する死亡事故の約8割が横断中に発生。 道路を横断するときは左右の安全を良く確認し、横断歩道を渡りましょう。
— 4 SEASONS (@kiss_4seasons) 2018年11月21日
横断歩道での交通事故増加 対策として「歩行者ファースト」のステッカーを作成し、配布…
って歩行者優先なのは当たり前
こんなこと分からないなら運転しないで下さい— さゆあや (@sayuaya7272) 2018年11月21日
「横断歩道は歩行者優先」初の全国一斉強化 五輪会場周辺で啓発
車対歩行者の死亡事故のうち7割は歩行者が道路横断中に発生している事から、警察庁は22日から、信号機のない横断歩道での歩行者優先を徹底させるため、初の全国一斉の広報・指導強化期間を設けた。
千葉日報 https://t.co/tDR2vb02Ba pic.twitter.com/pWenqG1yEm— jazieta (@jazietar) 2018年11月25日
鹿児島市の場合
歩行者として横断する時点ですでに優先権があるわけです。車は歩行者の横断を確認し次第、徐行しなければなりません。
徐行は交通状況を考えてのこと
鹿児島市の道路を、鹿児島市民の私は頻繁に渡るのですが、ほぼいつもといっていいほど、車は、自分から止まろうとはしません。交通状況を総合的に考え、停止がふさわしくないと判断される場合、車が止まらないことをそのまま検挙に結びつけることはできないのかもしれません。しかし、その横断歩道のある場所は見晴らしの良い直線道路で、中央線の引かれた幅員にも余裕のある普通の道路です。片側1車線ではありますが、信号機の設置された交差点には右折専用車線も設置されています。
本当に正しいと思うなら警察の前でも行けばいい
しかし、警察署や交番の前、パトカーの巡回中や警察官が交通整理しているような場面では、いつもは止まらない車も止まるのでしょう。普段から車が優先されることに自信があり通過しているなら、警察がいようが正々堂々と進行すればいいのではないでしょうか。自分の運転が正しいことを認識しているからこそ、歩行者が立っていても進行しているのでしょうから。
交番への相談5回
私はその道路の住所を担当しているはずの地域の交番に、この件について電話で相談したことがあります。まるで歩行者を牽制するかのように、むしろ加速気味に自身の車両進行を優先する車もいることを含め、もう5回ほど。1回目の電話から、現在で約3年経過しています。
道路交通法
警察の方では、何らかの対策を取っているのかもしれませんが、少なくとも個人的に通行する限り、状況は一向に変化がありません。こちらが横断歩道の前で静かに待てば待つほど、車はむしろここぞとばかりに自身の進行を優先し、止まろうとする気配はありません。車の流れそのものが切れるまで、歩行者が待ちます。優先権のある歩行者が、譲る立場にある自動車に、譲るわけです。
ケリをつけるなら信号機
結局のところ、優先順位をはっきりさせるための一番いい方法は、信号機を設置することです。しかし今のところ、その場所に信号機が設置される気配などありません。
全国一斉の意識改革
止まろうともせず、歩行者にぶつかりそうになりながら、その歩行者を逆に睨みつけるように過ぎていく車のなんと多いことか。この現状について報告を受けながらも、徹底した解決には乗り出そうとしない警察による対策のなんと緩慢であることか。さらにこの傾向は、地域を限定することなく全国で当たり前のようにまかり通っています。そういう違反運転が継続的に放置される結果、罪のない歩行者が事故に遭い、亡くなっていくのです。
【5歳死亡 歩行者優先ルールは】「横断歩道は歩行者優先」にもかかわらず、車が止まらない。横断中の5歳児が車にはねられ死亡した事故をきっかけに、兵庫県警が緊急取り締まりを実施すると、16日間で1668件摘発。 https://t.co/jgZarmgS3M
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2018年3月8日
8月中旬から年末にかけて歩行者の死亡事故が多くなります。横断歩道を横断中の歩行者が事故にあうケースも。ドライバーの方は、『横断歩道は歩行者優先』を忘れないでください。
— 愛知県警察交通部 (@AP_koutuu) 2018年8月23日
【死亡事故も】横断歩道で歩行者優先せず、16日間で1600件超摘発https://t.co/RNjnC3jhNa
兵庫県警では、わずか16日間で昨年1年間の摘発数の4割に迫る件数を摘発。全国的に見てもドライバーによる横断歩道でのルールが守られていないという。 pic.twitter.com/c2b4dBHKT7
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2018年3月8日
Better Japan, Better Life.
被害者は、母子、幼児、通学児童、足腰の弱い高齢者、車椅子利用者など、もともと移動手段が限られた交通上の立場が弱い人たちが多数です。こういう状況を警察や行政がこのまま放置するなら、そうであるならいっそのことお願いしたいことがあります。
「弱者優先の法則を無くしてください。今だって、弱者がぜんぜん優先されていないじゃないですか。おかしくないですか? もし今の原則を続けるなら、徹底して取り締まってください。それをしないなら、弱者優先なんて口先ばかりの文言はやめてください。できないって言うなら、どこもかしこもきっちり信号で白黒つけてください。今までだって、たくさん人が死んでいるじゃないですか。人が死んでからでなければ動かないような、後手後手の政策にはもううんざりなんですよ」
改革は既に死んでしまった者にとって何の意味もない
明日もまた、私は同じ道路を横断するでしょう。車も、同じようにまた自分を優先して通過していくのでしょう。その事実に対して、おそらく全国すべての警察が、解決に向けた政策など決して取ろうとはしないのだろうと思います。
English edition:‘’Priority pedestrians stand in front of the crosswalk and wait for vehicles to pass‘’ HIFUMIYO TIMES
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