国際コミュニケーション英語能力テストTOEICの変遷とスコア850を目指す勉強法
10月28日(日)に第234回、11月18日(日)に第235回の、TOEIC公開テストが実施されます。受験者はそれぞれ自分の目標点数を設定して勉強に励んでいることでしょう。対策本や対策サイトが乱立するこのごろ、テスト実施団体は対策の対策をとることも容易になり、受験者によるテスト対策は困難なものになりつつあります。では、実際のところ対策は無駄なの? どういう勉強法があるの? テストのとき気を付けることは何? などの疑問に、元英語講師で翻訳者でもあった名人が、英語学習について普段思ってることも交えてお答えします。
新卒で就職しようとする時に提出する履歴書など、企業側の書類選考の時点での評価の分かれ道は、「TOEIC500点」です。
僕はTOEIC650点を三週間で獲得しました。
あなたもまずは650点を目指してみませんか? pic.twitter.com/H5Jbt6s7Cs
— @TOEIC必要な大学生 (@TOEIC87486119) 2018年10月15日
今でも役に立つTOEIC対策
特定の試験に特化して点数対策をすることがよく思われない風潮があります。しかし、長期的な成長を考えても知っておいたほうがいいテクニックもあります。
Part5、語い問題
Part5は単語、文法問題です。全部で30問あります。名詞、動詞、形容詞、形容動詞などの文を構成する主要な要素から、前置詞、接続詞、冠詞など、文全体の細かいニュアンスを左右するタイプの重要な語いについての意味や文法的な知識に関する問題が出されます。名詞の具体的な用法、動詞の時制、コロケーションを踏まえた特定の形容詞の用法、文における品詞の選択などが問われます。名詞であれば、単数か複数か、冠詞は付くか付かないか、付くなら”a”なのか”the”なのかなどをきちんと理解しているか、文のなかで具体的な名詞を使って試されます。単数と複数で同じ形の名詞などもありますし、数えられない名詞もあります。
Part3、4、リスニング
Part3が39問、Part4が30問あります。両者とも、ある程度長い英文アナウンスを聞いて選択肢から正しい答えを選ぶ回答形式です。Part3と4が難しい理由は、流れる会話、あるいは読まれる英文が長いこともあります。さらに、リスニング問題でありながら読解力とくに速読力も問われます。用意される選択肢の英文でさえ長いからです。英文がすべて読まれたあと、選択肢も読み上げられますが、1つの選択肢につき回答に許される時間は8秒〜10秒ほどです。1つの長文につき3問が用意されますが、3問目の選択肢を読み終え8秒なり経過すると、次の長文の読み上げが始まります。選択肢を読むために別の時間が設けられているわけではないので、長文を聴きながら選択肢を黙読で速読して理解しなけらばならないという2重の負荷がかかりますり。そこが、この2つのPartを難しくしている点といえるでしょう。なので、単にこのパートの長文を理解するだけにリスニングしてみると、案外、英文の内容は聴いて理解しやすいものになっています。
前回のTOEICの結果です。少しだけ自己ベストを更新しました。900点は遠いですが、気長に頑張ります。 pic.twitter.com/ZCKOGiSgky
— むぅ (@muta_nosuke) 2018年10月14日
TOEIC対策に対する昨今の常識
対策が効果的なのは、自分の持っているスコアがまだ低く、今後の伸びしろの多い受験者です。もちろん、何度も受験してテスト形式に慣れている受験者でも、何もしないよりは対策勉強したほうがスコアに反映しやすいのはいうまでありませんが。
TOEICは難化している
しかし、現在の形式のTOEICは、2000年ぐらいまでのTOEICにくらべると対策によるスコアが上げづらい内容になっています。リスニングパートは、部分的な単語を拾うことで正解できるタイプの問題が減少しています。リーディングパートは長文問題が増加し、3つの英文資料を同時に読み進めることによって正解を導き出すタイプの問題が増えました。850以上のスコアを目標とする上級者に必要な心がけは、リスニング・リーディングともに、「全部聴き、全部読む」というスタンスです。以前の形式のように「重要な単語を拾い読みして選択肢から選べばいい」といった方法は、なかなか通用しなくなってきました。
英語力のためになるテストへ
長文のなかに、キーとなる単語以外でも解答につながる重要な要素が散財することが増えました。リスニングも、本文をまとまりとして理解し解答を類推し、選択肢から読み取るものが増えています。問題集を中心とした勉強だけでなく、英語の小説を読んだりDVDで映画を見たりネットで生のニュースを見たり聴いたりする必要があります。テスト対策ではない生の英語の聴き取りがリスニング力の土台を作ってくれます。テストから離れた本来の英語力の土台を固めなくては、テクニックをとやかく議論しても、効果は薄いでしょう。
英検1級とかTOEIC900点台とか
私はどうでもいいんです。他にもそういう人は
数え切れないほどいるし。自分にしか教えられないものを
常に模索することを、他の発信者たちにも促したい。
肩書き止まりは
非常にもったいない。— あやき Ayaki (New!) (@EAyaki) 2018年10月14日
テスト会場で気を付けること
今のTOEICは、難化したことで良いテストになったという印象があります。テスト対策というより、総合的な英語力を上げるため訓練としてTOEIC問題に没頭し、形式に慣れる期間を2週間くらい取ってみましょう。TOEICリスニング問題特有の、次から次へと高速回転していく英文速度に反応する訓練だけは、特化してやっておいた方がいいと思います。
リスニングでは、聴き逃した1問にこだわって続く問題を何問もダメにしてしまわないことが重要です。リーディング問題では、ほとんどの受験者は最終問題200問目まで届くことなく時間が切れてしまうでしょう。自分が何点欲しいのか決めて、自分がどこまでできるのか理解しておくことが重要です。手を出すべきでない問題を把握することで、600点前後のスコアは確定できるだろうと思います。850点を超えたいなら時間ギリギリでも最後まで回答し精度を上げることです。語いや文法など知識でまかなえるものは網羅してください。リスニングは聴いた順番で理解する、考えなくても映像が浮かぶまで。リーディングも訳さずに理解することです。問題集を解く段階で文法や語法などルール的なものは全部理解しているくらいでなければ苦しいでしょう。
到達度を計るのに分かりやすい目安があります。容赦のないマシンガンのような英文をネイティブや英語上級者に自分に対して話してもらってください。おそらくは理解できないであろう英語の渦の中で、自分が「あれ…もやもやするけど概念が日本語を生み出してる…」のような、本能的に引っかかることがあれば耳が成長している証です。900点が、そのあたりから見えてくるだろうと思います。
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