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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

東京パラリンピック2020はゴールではなくスタートに

パラスポーツ「2021問題」

東京パラリンピック2020は2年後の今日、2020年8月25日に開幕。

多くのパラアスリートはパラリンピックを想定して国際大会をこなしています。先日開催された世界選手権で、ウィルチェアーラグビー(車いすラグビー)は初の金メダル獲得、ボッチャ団体は銀メダルと結果を出しています。選手たちはあと730日に迫った東京大会への準備を着々と進めています。

東京パラリンピック開催決定後、正式競技となった22競技は苦しいながらも、今までより資金面・環境面は改善されつつあります。しかし、東京パラリンピック終了後、パラスポーツ普及・推進のスピードは失速するであろうといわれています。

障害者の露出が増えたメディア

障害者やパラスポーツをテレビでみる機会はすごく増えました。障害者関連の話題をニュースで取り上げることも多くなっています。パラスポーツに関しては、ウィルチェアーラグビーと車いすバスケットボールの世界選手権がBSで放送されました。

パラスポーツを知ってもらうこと

パラリンピック以外のパラスポーツが連日テレビ放映されることは今までありませんでした。今後もパラスポーツの国際大会の放送は増えるかもしれません。あと2年、東京パラリンピックまではパラスポーツ普及・推進の追い風は吹き続けるでしょう。イベントや体験会、テレビ放送などでできるだけ多くの方に知ってもらう、興味をもってもらうことが、今後のパラスポーツ普及・推進にはとても大切だと思います。

パラアスリートの練習環境改善

最近は、ナショナルトレーニングセンターや国立スポーツ科学センターの使用ができるようになりました。また、パラバトミントン専用体育館、日本財団パラアリーナなどパラスポーツ専用の施設もできました。以前よりはトップアスリートの練習環境は改善されつつあります。しかし、パラアスリートの練習環境は恵まれたものではありません。まだまだ充実しているとは言い難く、競技力向上にはさらなる環境面の強化が必要と思われます。

パラリンピックを利用して

今まで、障害者・パラスポーツ・パラアスリートに興味・関心がなかった方も東京パラリンピックが行われることで、少しは見聞きすることが増えたと思います。言葉は悪いですが、パラリンピックを利用して、マイノリティである障害者のことを特別視しない、ダイバーシティの機運が高まればと思います。

パラリンピックの機運が高まる一方で

今日は様々な会場で、「東京パラリンピックまであと2年」を謳うイベントが開催されています。

いろんな方々にパラリンピックの楽しさやパラアスリートの凄さを実感してもらいたいので、お近くにお住まいの方にはぜひ参加していただきたいです。一方、競技関係者は、パラリンピック後のパラスポーツ支援の打ち切り・予算の削減などで頭を悩ませています。

パラリンピックサポートセンターの閉鎖

2015年5月、日本財団の支援によって設立されたパラリンピックサポートセンター。パラリンピック競技団体の体制整備・パラスポーツの普及啓発事業・インクルーシブ社会の実現へ向けた事業を展開しています。今、東京パラリンピック・パラスポーツ発展において中心的存在のパラリンピックサポートセンター。東京パラリンピック終了後、その役割を終え、2021年には閉鎖されます。パラスポーツの普及啓発の肝になっているだけに、なくなるというのは各競技団体にとってとても不安だと思います。

国・自治体のパラスポーツに対する予算の削減

東京パラリンピック開催決定後、パラアスリートの競技力向上やパラスポーツの普及に対して、様々な予算がつきました。しかし、2021年度からはその額が維持される可能性は少なく、おそらく減額されるでしょう。しょうがないことだとは思います。しかし、大幅に予算が削減された場合、競技力の低下は免れないと思いますし、裾野を広げることも困難になります。東京パラリンピックを観て、今後の自分に何かしらの希望をもった子どもたちが、やりたいスポーツをやる機会が極端に減ってしまう、そういう事態に陥ってしまう可能性が高くなります。

企業のパラスポーツへの支援継続も不透明

トップパラアスリートの多くは、企業の支援のもと競技を続けています。パラリンピックが東京で行われることが決まってから、多くの企業がパラアスリートの支援に動きました。アスリートにとって、資金面・仕事面・環境面において、多くのメリットがあると思います。この状態が続いて欲しい、という願望がありながら、継続は難しいのではないかとも思ってしまいます。

企業がスポーツ選手を抱える場合、広報としての役割を期待します。東京パラリンピックを2年後に控えた今、パラアスリートはメディアに出る機会が増え、企業としては選手の遠征費・強化費を負担したとしてもメリットが大きいはずです。パラアスリートの認知度が上がり、(言葉は悪いですが)商品価値が上がれば別ですが、東京パラリンピック終了後は今のように取り上げられるかは不透明です。ということは、企業のパラスポーツ・パラアスリートへの支援継続も不透明ということになります。

パラスポーツ「2021問題」をどう考えるか

東京パラリンピック2020までは、パラスポーツに対して追い風が吹き続けるでしょう。しかし、2021年からはその機運を継続することは困難であると考えられます。サポート・支援が希薄になることが予想される中、今できることは何か。

今だからこそ、多くのひとにパラスポーツの魅力を発信すること、体感してもらうこと、そして、障害者が特別な存在ではなく、身近な存在であるということを知ってもらうこと。

パラスポーツは、
観て楽しむことができます。
人間の可能性を感じることができます。
そして、障害をもったひとにとっては、生きる糧になることもあります。

2021年以降、パラスポーツを安心して行うことができる日本であって欲しいと切に願います。

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