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2018.7.10:フリーペーパーVol.28発刊!

血糖コントロールができればうつ病改善の可能性も

うつ病と糖尿病、ともに鍵は血糖コントロール!

「うつ病患者には糖尿病が多い」と言われています。うつ的な気分が強い方はそうでない方の2.3倍、糖尿病になりやすいとの調査結果があります。一方、「糖尿病患者の1割がうつ病」という事実があります。うつ病と糖尿病。一見全く違う病気に思われますが、ともに血糖をコントロールすると症状が改善するという共通点がみられます。

うつ病と糖尿病との深い関係性

うつ病患者に糖尿病が多い、糖尿病患者にうつ病が多い…。脳の病気と血管の病気、全然違う病気なのになぜ?と思うかもしれません。まだあまり知られていませんが、血糖コントロールがうつ病と糖尿病、双方を改善させる鍵になっています。

糖尿病患者のうつ症状が軽減したことがヒントに

うつ症状のある糖尿病患者の不眠や抑うつなどの症状が改善すると血糖コントロールが良くなるという傾向がありました。また、食事などで血糖コントロールができるようになるとさらにうつ症状は改善される…なら逆もあり得るのではないか…それがうつ病治療のヒントになりました。

食事療法をうつ病に

糖尿病患者の血糖値コントロールとうつ症状の関係から、血糖値の高いうつ病患者に食事療法を実施し、血糖をコントロールしたらうつ症状の改善がみられるのではないか、という仮説からうつ病の食事療法は始まったようです。

うつ病の生活指導・食事療法

うつ病患者の多くが生活リズムや食事の摂り方に問題があります。1日1食や2食、1つの食品だけを継続して食べるなど。食後高血糖になったり、栄養が不足したりすることもあります。

うつ病の生活指導の基本

うつ病の生活指導の3つのポイント。
・1日3食きちんと食べること
・バランス良く食べること
・夜10時に就寝すること

当たり前のことだとあなどるなかれ。生活リズムが整っていくこと…これがうつ病改善のポイントだと思います。うつ病になると悪い生活リズムを継続しがちです。だから、長引いてしまいます。この3つのポイントのまず1つでいいと思います。何か生活の中で1つポイントを作れば、生活リズムも徐々に整っていくのです。

うつ病の食事療法の基本

うつ病の食事療法の3つのポイント
・そのひとに適切な摂取カロリーを3回に分けること
・単品にしないこと
・バランスの目安はご飯を軽く1膳に主菜と野菜

食欲がないひとはとりあえず食べられるものを食べる、という観点からラーメンやパスタなどの単品が多くなりがちです。また、食べる行為自体、億劫になるので食事の回数もおのずと減ります。食後高血糖や栄養過不足にならないためにも、食事のバランスの目安は「ご飯を軽く1膳に主菜と野菜」がいいでしょう。カロリーを計算するのも大切だとは思いますが、見た目でOKとのことです。

糖質が心に与える影響

うつ病の食事療法の基本の1つに単品にしないこと、という項目がありました。忙しさからパンのみ、おにぎりのみ、カップ麺のみという食事になっている方は多いかもしれません。単品の食事は比較的、糖質を多く含んだ食品が多いように思います。

血糖値の急激な上昇・下降にはホルモンが関与

糖質の多い食事を摂ることで血糖値が急激に上昇し、上昇した後はすぐ下降するという現象が起こります。血糖値は安定していることが望ましいため、血糖値の上昇時にはインシュリンが、下降時にはアドレナリンノルアドレナリンというホルモンの働きが必要となります。

ノルアドレナリンが心の浮き沈みに関与

ノルアドレナリンは、神経を興奮させる神経伝達物質であり、意欲や不安、恐怖などと関係が深い物質と言われています。血糖値の急激な上昇や下降を繰り返すことで、ノルアドレナリンが一気に使われたり、急激に不足したりすると、倦怠感やだるさ、やる気が出ないなどの症状がでやすくなります。糖質過多がうつ病を引こ起こす…そんな可能性も考えられます。

うつ病と血糖コントロール

うつ病と糖尿病の関連性、食事療法がうつ病に効果がある、糖質過多による心の浮き沈み、ノルアドレナリンの過不足による問題などから、うつ病と血糖コントロールの関係は強いように感じます。

もちろん、うつ病には薬物療法や心理療法が有効というエビデンスがあります。しかし、血糖コントロールがうつ病改善のひとつの方法であることは可能性として十分あると思います。

うつ病と食事、うつ病と血糖コントロール。今後、日本でも症例が増えて、より具体的な日本流のうつ病の食事療法が構築されていけばと思います。