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2018.8.10:フリーペーパーVol.29発刊!

もし、私が精神障害者を雇う立場になったなら

「精神障害者って、仕事長続きしないでしょ?」
と心の中で思っている方、結構多いと思います。

約5年前の調査結果ですが、身体障害者の平均勤続年数10年、知的障害者 7年9カ月に対して、精神障害者は4年3カ月(厚生労働省 平成25年度障害者雇用実態調査より)と明らかに短いという事実があります。

平成30年4月1日より、「障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わる」という事で、「どうすれば、法定雇用率がアップできるのか?」「精神障害者をどうやって雇用しよう?」などと、具体的に考えている経営者もいるかと思います。

一方、ある調査では、48%の企業が「障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わる」という事実を知らないと回答し、その中の71%は障害者を雇用していない企業との事。

ちなみに、厚生労働省 平成29年度 障害者雇用状況の集計結果によると、法定雇用率未達成企業は45,471社、障害者雇用ゼロ企業は26,692社あります。

で、ここで本題。

精神障害者の職場定着のために必要だと思うことを自分なりに考えてみました。

経営者目線で…もし、私が精神障害者を雇う立場になったなら…

まず、「トリセツ」をつくってもらう。

私自身、今、症状は安定しているものの、2週間に1回、精神科クリニックに通っているうつ病当事者です。
「精神障害者の当事者だから、他の当事者の事分かるでしょ?」と思ったあなた、とんでもないです。

もちろん、ある程度症状は理解できる、という部分はあると思います。
でも、精神疾患と一括りにされていますが、統合失調症、うつ病、双極性障害(Ⅰ型・Ⅱ型)、依存症(アルコール・薬物・ギャンブル等)、解離性障害、強迫性障害、適応障害、社会不安障害、パニック障害など、疾患によって症状は違いますし、個人差もあります。複数の疾患が絡んでいる事も。

ということで、精神障害の当事者であっても、他の当事者の事を理解することは困難。
なら、雇用を考えている方を理解する為にどうしたら良いか…

もし、自分の取扱説明書を作ってもらうことができたなら、ある程度、その方の考え方や疾患による症状、困難に思っている事などを知るヒントになりますし、対処法も自ずと分かってくるのではないかと思います。

仕事に対するイメージを語ってもらう。

私を含め、精神障害者の多くが、仕事に対する失敗経験を引きずっていたり、ある出来事やシチュエーションに対するトラウマを抱えていたり…

例えば…

「人間関係が苦手でコミュニケーションがとれないから、仕事以前にその場にいること自体がきつい」とか、「同僚が自分の事を悪く言っていると思い込んでしまう」とか、「気持ちではどうしようもできない落ち込みがあって、心だけでなく、身体も動かなくなって仕事にいけなくなる」とか。

今まで職場で経験したことを語ってもらい、そこから、仕事に対するイメージを正直に話してもらうことで、どんな事がきっかけで仕事を続けられなくなったか、大まかに理解できるのでないかと思います。

未来予想図。

未来の自分がどうなるのか…そんなこと誰にも分からないですよね。
自分の未来を語ってもらうことで、心の状態やなりたい自分が、希望とともに見えてくるかもしれません(逆もあるかもしれませんが…)。

それを具体的に文章や図、フローチャートなどで見える化することで、自分が何をやりたいのか、得意なものは何なのか、見えてくるかもしれませんし、そこって仕事をする上ですごく使える部分だと思うんですよね。

して欲しい事は?

仕事をする上で、「配慮して欲しい事は何なのか?」…これは押さえておきたいなと思います。
合理的配慮、必要ですよね。
何が自分にとって壁になり、どこをサポートしてもらえればブレイクスルーできるかもしれないと思っているのか、具体的に聞きたいなと思います。

でも、合理的配慮はするけど特別扱いはしない方がいい、と個人的には思います。

必要以上に気にする事は、お互いにとって負担になると思いますし、どうしてもそこにフォーカスしがちになるから…

仕事を当てはめるのではなく、つくる。

元々ある事業内容ができる可能性があるのなら良いのですが、そうとは限らないですよね。
だったら、まだここではやっていないけど、そのひとが得意そうな仕事を考えて、作っていくこともありなのかなと思います。
もしかしたら、可能性のある、自分たちだからこそできる新規事業が生まれてくるかもしれません。

尖った部分を伸ばしたい!

バランスの取れた方もいいですが、個人的には凸凹具合が半端ないひとを好みます。特に、面白い仕事をしようとする時は。

自分の持っていない感覚・個性・突拍子もない考え方…これってヒントの塊だと思うんですよね。多分、話をしていてワクワクするでしょうし、とても可能性を感じます。

 

結構、自分の理想論を綴ってきましたが、私が一番、精神障害者の職場定着のために必要だと思うことは、「そのひと自身が必要とされている感覚を持てるかどうか」だと思うんです。

自尊心・自己肯定感が低いひとにとって、「自分は、ここにいていい存在」と思えることがどんなに心を軽くしてくれるか…。

最後に…

精神障害者を雇おうと思っている方々にお願いがあります。

法定雇用率を上げる為だけに雇うならやめてください、そして、雇ってやってるんだぞと恩着せがましい態度も。

どうせ仕事出来ないんだから、1日中、シュレッダーをかける作業だけやらせるなんてこと、やめてくださいね。そんな仕事、誰だって長続きしませんから。