選挙権の年齢が18歳に引き下げられたことで、一部の高校3年生など、18歳に達した学生や生徒が新たに有権者となりました。

それは健常者と呼ばれる一般の生徒さんもそうですし、養護学校などに通学される障害を持つ18歳に達した高校生にも与えられた権利です。

障害者の投票は、障害の程度や種類によって留意点などがありますが、自分の子どもが有権者であること自体を知らない親も存在するのです。

ある特別支援学校と選挙管理委員会の取り組み

例えば千葉県八千代市、「千葉県立八千代特別支援学校」では、自分では文字をかけない生徒のために代理投票という制度があることが説明されました。

この土地の選挙管理委員会は、障害者の通う特別支援学校へ投票制度に関して「出張授業」を行っています。

保護者からの相談も受け付け、この5月には同校で出前講座も開かれました。

障害のある生徒たちの中には、人混みが苦手で当日投票所に行けない子どももいます。その場合は期日前投票の制度などを活用するよう案内するのです。

誰のための政治?

そこまで教えて、それでやっと投票できる子どもの1票って、おかしくないですか?と思う方もいるかもしれません。

しかし、政治や政治家などについてとても詳しい有権者も確かにいますが、政治の恩恵を受ける人とは主にそういった深い知識を持たない市民が多数を占めるのではないでしょうか?

そういった有権者もいることを前提として、投票は行われているのです。

障害者に寛容な社会は福祉の基本

期日前投票だけでなく、当日出向いて投票する権利だってもちろんあります。
そのとき親が付き添いになることもあるかもしれません。

それを迷惑ととらえる有権者もいるでしょう。

おそらく生徒たちは、身のこなしも不器用で、すべての手順でつまりながら投票を行うのですから。

それを理由に、出向いての投票を躊躇する有権者とその保護者を生み出すような社会的な風潮こそ、変えなければならないことなのではないでしょうか。

そのために、私たちは立候補者を選ぶわけです。

間もなく、国政選挙の投票が始まります。もちろん、立候補者についての議論は大切なことです。

しかし、視点を有権者に向けてみれば、有権者の間における「障害のある有権者」への眼差しには冷ややかな無関心が感じられます。

自分の一票をより内容の濃いものにするためにも、権利を持ちながら不都合を感じている有権者もいることに少しでも目を向けてみましょう。

そういった意識の変革も、政治への参加といえるのではないでしょうか。

via:毎日新聞