最近、自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などといった「発達障害」への注目が集まっている。ついには、発達障害を持つ人への援助などについて定めた発達障害者支援法が、今年5月25日に改正された。改正法の内容としては、教育と就労支援を強化することを柱にしており、特に就労支援については、事業主にも発達障害者の特性に応じた雇用管理を求めているという。

疑問に思うのは、どうしてこれ程まで、発達障害への注目が集まったのか?ということである。
その大きな原因として、小児特有の病気だと考えられてきた発達障害が、大人になっても改善されないケースがあると分かってきたからだ。

「大人のアスペルガー症候群」や、「大人のADHD」など、皆さんも聞いたことがないだろうか?今回は、その中でも、「大人のADHD」に焦点を絞った記事を紹介しよう。

「ADHDは、1980年代までは、微細脳機能障害と呼ばれており、出生時に軽度の脳障害が起こり、それが原因で発症すると考えられていた。しかし、ADHD患者への脳の検査を行ったところ、脳炎などの後遺症を除いては、どの患者も脳の障害は発見されなかった。そのため、現在では、ADHDは脳への器質的な障害がない生まれつきの疾患であるとされている。脳の神経伝達物質がアンバランスになっているという仮説もあるが、はっきりとした原因はまだわかっていない」

と、昭和大学医学部 精神医学教室 教授の岩波明先生は語っている。

それでは、具体的に大人のADHDの症状とは、どのようなものなのか。
大きく、2つの症状があり、それは、多動性と衝動性』、『注意力・集中力の欠損』であるそうだ。

『多動性と衝動性』は、落ち着きがない、じっとしていられない、ちょっとしたことで怒りやすいといった症状。一方、『注意力・集中力の欠損』では、ケアレスミスや物忘れが多い、人の話を集中して聞けない、約束が守れないといった症状が挙げられる。

しかし、このうち『多動性と衝動性』は大人になるにつれ、症状を自覚して改善していくことがある。そのため、大人のADHDでは、『注意力・集中力の欠損』の症状が目立つようになり、社会人になると、要求される仕事や責任が重くなるために、不注意や集中力の無さによる職場でのトラブルに悩まされるケースが多いとあった。

「私の病院でも、職場での様々なトラブルがきっかけになって診察に訪れるケースがほとんどだ。自分でおかしいと気づいて診察に来る場合と、周りの人から勧められて診察に来る場合の2つがあるが、いずれにしてもADHDの症状を本人が認識した上で来院している」

それでも、大人のADHDは診断の難しい病気であるそうだ。その他の発達障害であるという誤診や、うつ病との併発を見抜けない場合があるという。

「アスペルガー症候群や自閉症スペクトラム障害は、対人関係が極端に苦手だが、ADHDは対人関係についてはそれほど苦手ではないので、面談をすれば症状は切り分けられる。難しいのはうつ病との合併で、大人のADHD患者はストレスをためこみやすい性質もあり、うつ病になりやすいという背景がある。そのため、うつ病と診断されてしまうことも多い。うつ病の裏側に潜むADHDを見つけだすことが、診断の課題といえる。しかし、大人のADHDの診断ができる精神科医は多くないのが実状で、とくに地方では正確な診断が難しい状況になっている。大人のADHDに関する正しい情報を広く伝えて、医療体制を充実させていく必要がある」

確かに、これは大きな問題だ。やはり、正しい診断を受け、正しい治療を受けることこそが重要なのである。実際、以下のように推定患者数がでている。

大人のADHDの有病率は、成人の3~4%といわれている。仮に3%とすると、日本では約400万人の患者がいると推定される。統合失調症の有病率は1%とされており、これに比べるとADHDの患者数はかなり多いと感じている。

大人のADHDは意外にも社会に溢れていて、これはもう「他人事」ではないのだ。最後に岩波先生は、

「ADHD患者の多くは、周囲の人から理解を得られず、小さい頃から大人になるまで、いろいろな人に責められ続け、大きなストレスを抱えながら人生を送ってきている。しかし、自分がADHDであることがわかれば、今までのトラブルはADHDが原因であると考えて、気持ちをかなり楽にすることができる。もし、多動性・衝動性や注意力・集中力の欠損によるトラブルに悩まされている人がいたら、ぜひ精神科を受診して、ADHDの診断を受けてほしい。ADHDであることを自覚することこそが、その症状を改善する近道であり、周りからの協力も得られるようになる。これからの生き方も変わってくるはずだ」

とコメントしている。

今、発達障害が話題になっているというこの状況下だ。
これまで自身が持つ病気に気がつかず、生きづらさを感じていた人々が、正しい診断を受け、その「生きづらさ」を少しでも解消することが出来ればと良いと、私は思う。

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