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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

食べ物が飲み込みにくい…食べる楽しみを奪う「嚥下障害」

私は昨年末、初めて入院というものを経験した。しかも2回・・・
どうして入院生活を送ることになったのかというと、風邪をこじらせて肺炎になってしまったからである。まず1回目は家から近い総合病院に1週間ほど入院したが、そこでどうやら肺炎が治りきっていなかったらしく、退院して約1週間後に再び入院となってしまった。

2回とも誤嚥(ごえん)性肺炎という診断だったが、今まで「誤嚥」なんてしたつもりはなかった。ご飯を食べるときは必ずしっかりよく噛んで、ごろ飲みや早食いはしないように心がけていた私がなぜ?そもそも「誤嚥」なんてしたら、もうその時点で相当苦しいはずなのに…
というような感じで最初の頃は、全く理解ができなかった。

そのように診断されたため、食べ物を飲み込む動作について意識することが多くなった。私が経験した「誤嚥」の謎と入院中に受けた嚥下(えんげ)の検査について、この記事で書いていくことにしよう。

嚥下障害とは?

嚥下(えんげ)障害とは、物を飲み込むことが難しくなってしまう障害である。
そもそも「物を食べる」とは、食べ物を「認識し」「口に入れ」「噛んで」「飲み込む」までの一連の動作からなる。このうちの「飲み込む」動作を「嚥下(えんげ)」という。

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画像引用:はとがや病院

嚥下が難しくなる原因としては、 口蓋裂などの生まれつきの病気や高齢による嚥下機能の低下、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、筋疾患・神経疾患、認知症など様々である。

嚥下障害があると、口から十分な栄養を取ることができず栄養失調を起こしたり、食べたものが気道に入り肺炎を引き起こすなどの問題が多くなる。場合によっては生命を脅かす事態になることもある。

主な症状は、食べ物を飲み込みにくくなった(嚥下困難)という自覚症状や食事の際のむせ(誤嚥)、声のかすれがある。
一方、むせない誤嚥というものもあり、自覚症状がないので気付くのが遅れやすく、むせる誤嚥よりも肺炎になるリスクが高いという。むせない誤嚥も全体の3〜5割を占めると言われている。

誤嚥があるかどうか調べる検査

嚥下障害の有無を確かめる検査には嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)の2種類がある。

嚥下造影検査(VF)では、造影剤が入った食品を食べている様子をレントゲン動画で撮影し記録して、嚥下に関わる器官の解剖や動き、食品の動きを観察する。
誤嚥の有無を確認しやすいのが利点となるが、レントゲン室でしか検査できないこと、被曝をともなうことが大きな欠点である。

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画像引用:看護に役立つ【ナースプレスbyナース専科】

一方、嚥下内視鏡検査(VE)は鼻から内視鏡を入れ、安静時と嚥下時の咽頭・喉頭を観察する。内視鏡を入れるため違和感はあるが、VFと比べ被曝がないために長い時間の観察ができ、検査機器に携帯性があるため病室や在宅など場所を選ばずに検査ができる。

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画像引用:看護に役立つ【ナースプレスbyナース専科】

検査を受けてみた結果…

私は2回目の入院の時、嚥下造影検査(VF)を受けた。
レントゲンなので当然ながら、窓がない完全に閉め切った空間の中に機械がたくさん並んでいる部屋で検査をするわけだが、主治医や管理栄養士、言語聴覚士(ST)、看護師などたくさんの人たちにじっと様子を見られながらの検査だったので非常に緊張した。

お粥や焼き魚、かぼちゃといった食材に何やら無色透明な造影剤を含ませて口に入れていくのだが、その造影剤が甘く少し苦味もあるとにかくマズい味で、逆に飲み込みにくい感じだった。看護師からは事前に無味無臭みたいだよと聞いていたが…

後日、話を聞くと検査中は誤嚥は確認されなかったということで一安心した。しかし、飲み込む際に気管のふたとなる部分に食べかすが留まりやすいので注意するようにとのことであった。
そして、退院前に栄養士から食事指導を受け、そこでは今後注意すべき食材についての説明を受けた。食べられる食材が減ってしまうのかと不安に思ったが、幸いにも私が元々嫌いで日頃から食べないきのこや海藻などの食材がほとんどでそこは助かった。

誤嚥性肺炎は食べ物だけでなくツバや痰をひっかけてもなる可能性があるということ、
必ずしも誤嚥は「ひっかけてしまった」とか「苦しい」とかいうような自覚症状があるものだけとは限らないということがわかった。
私は勘違いをしていた。誤嚥性肺炎と診断された「謎」が分かり、ようやく理解できた。しかし、「むせない誤嚥」もあるというのは怖い話だ。今後気をつけていこうと思う。

嚥下障害が疑われる場合、まずは食事形態を工夫していく必要がある。例えば、食材の切る大きさを小さくしてみる、食材にとろみをつける、煮て柔らかくする方法などが挙げられる。

食べる時には、水分補給も適度にはさみながら食べ物が喉に引っ掛からないようにする。食べる時の姿勢を調整することも重要である。

万が一、誤嚥したからといってすぐに肺炎になるということはなく、咳払いで気道に入ってしまったものや痰を出し切ることができれば問題ない。肺活量が乏しく痰なども出しにくいという人であれば、痰吸引器や排痰補助装置などの活用をおすすめする。僕も筋疾患の影響で痰が出しにくい時があるので、その時は使うようにしている。
また、誤嚥性肺炎を防ぐためには歯みがきなどの口腔ケアをしっかりして、口の中を常に清潔に保っておくことも大切である。

嚥下障害について書いてきたが、「食べ物が飲み込みにくいな」「むせやすくなったな」と感じている方はぜひこの記事を参考にしてほしい。

[栄養で治す]食の楽しみ奪う嚥下障害

via:yomiDr. / ヨミドクター

http://www.terumo.co.jp/consumer/guide/symptom/enge/about/index.html

via:テルモ

https://nursepress.jp/223333

via:看護に役立つ【ナースプレスbyナース専科】

http://gccatapult.panasonic.com/delisofter/

via:パナソニック

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