和食の人気が海外でも高まっています。
2013年12月にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。

北米、欧州など健康志向の強い地域では、低カロリー高タンパクの日本食は健康に良い高級食材として人気を博しています。

和食の味を決めるのは「ダシ」です。
ダシの良し悪しが、料理の出来を決めるといっても過言ではありません。

なかでもカツオ節からとるダシは代表的なものです。
しかしこれまでヨーロッパに対し、カビの一種で発がん性が懸念される「ベンゾピレン」を主な理由として、かつお節の輸出は認可されていませんでした。

そのようななか、静岡県焼津市の水産加工会社「新丸正」は、世界でも厳しいとされるEUの食品衛生基準EUHACCPをクリアし、ヨーロッパにおける販路に糸口をつけたのです。

ヨーロッパでのかつお節への反応

ヨーロッパでは、日本食に使われるかつお節の「うまみ」が注目され、人気の高まりとともに、かつお節の需要も高まっています。

しかし、かつお節の製造に必要なカビの一種「ベンゾピレン」が発がん性物質であるとして日本からの輸出は認められませんでした。

それなら現地で生産しようと、鹿児島県枕崎市のカツオ加工業者は数社で協力して現地にかつお節の製造工場を作りました。

工場の建設されたフランスのブルターニュ地方コンカルノ市では竣工式が賑々しく催され、現地法人枕崎フランスのブルターニュ支店長グエネル・ペリランさんは、全身全霊を捧げられる仕事として現地の工場運営に取り組んでいます。

日本のかつお節が本格的に生産されるまで、ヨーロッパでは主に韓国や中国製のかつお節が使用されていたようですが、ベンゾピレンを基準まで抑えた日本のかつお節は断然の人気を誇っています。

国内のかつお節業者

今回、静岡県焼津市の新丸正は国内生産のかつお節を、基準に適応する形で輸出する道を開きました。
枕崎フランスは現地に工場を作ることで販路を拡大しましたが、新丸正によるかつお節業界への貢献度は多大なるものです。

新丸正は今後、他のかつお節メーカーや食品会社などと協力の道を探り、海外でのさらなる販路拡大、市場規模の拡大を貪欲に目論んでいます。

もともと、食文化の栄えたフランスでの日本食に対する需要は高いものがありました。その熱い要望に応えようと、さまざまな食品メーカーが規制をクリアできる製品の開発に尽力してきた取り組みが花開いたといえるでしょう。

EUHACCPをクリアするためのメーカーの努力

焼津市はカツオの水揚げ日本一を誇り、かつお節の製造は長年の地場産業でした。
しかし近年、国内でのかつお節の消費は落ち込み、新たな販路を求めてヨーロッパの市場を開拓するに至りました。

燻製の一種でもあるかつお節は、ヨーロッパの研究機関により他の燻製食品をしのいで高い風味があることが証明されています。

新丸正に限ったことではありませんが、かつお節を広めるため協力関係にある各メーカーは美味しいカツオ節と「うまみ」たっぷりのダシを広めたい一心で努力を続けてきました。

現地の工場には現地で採用した人材を責任者として任用しています。
かつお節が海外の土地で深く根付いた産業となるための努力の一環とも言えるでしょう。

枕崎フランスのペニランさんは、かつて日本に留学していました。
日本では、湯気を上げて揺れるお好み焼きに乗せられたかつお節に驚き、寺で禅宗の体験に臨んだときには、朝の味噌汁の香りに目を覚ましたと語ります。

近年、和食の人気はさらに広がりを見せています。
今回の開発努力は、どんな国に行っても和食の魅力を広められるという自信につながったことでしょう。
実績を携えて今後も”KATSUOBUSHI”の”UMAMI”を広めていくことに期待します。

さまざまな産業が販路を広げ、市場を世界規模で考える時代に突入し始めています。

自動車や産業機械など、海外の市場を期待してあたりまえな業界へと、日本の代表的な食品である「かつお節」も仲間入りを果たしたと思えば、今回のヨーロッパ進出は当然の結果といえるかも知れません。

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