2015年8月から、全国105ヶ所で自主上映会が開かれているドキュメンタリー映画「風は生きよという」。地域で、呼吸器を使いながら自立生活をしている(目指している)、10~50代の男女5人の日常を1年3ヶ月に渡って追ったドキュメンタリー映画です。私の住んでいる鹿児島でも、2度自主上映会が開催されていたのですが、この映画のことを知ったのが約1週間前だったので、まだ観ることが出来ていません。呼吸器ユーザーがどのような日常を送っているのか、(私を含め)知らない方が多いと思います。上映会が開催される地域の方には、ぜひご覧頂いて、何か感じていただければと思います。

呼吸器ユーザーで地域で暮らしている方に出会ったことありますか?

本国内の在宅人工呼吸器使用者は、22,524名(平成26年厚生労働省調査)いらっしゃるそうです。以前、理学療法士として病院で働いていた頃、入院されている呼吸器ユーザーの方のリハビリを担当したことはありますが、地域で暮らしている方とは、まだお会いしたことがありません。以前は、勝手なイメージとして、人工呼吸器を使うレベルの症状だと、寝たきりに近い状態なのではないかと思っていました。言葉は悪いですが、人工呼吸器=生命維持装置というイメージ。目が悪い人がメガネをかけるように、足が悪い人が杖をつくように、自発呼吸が難しいからそれを助けるために呼吸器をつける…生活を支える道具の1つなんですよね。昔は、巨大な鉄の箱だった人工呼吸器も、今は、お弁当箱サイズになっています。手伝ってくれる人がいれば、日常の外出も可能ですし、旅行も、ひとり暮らしさえも出来ます。呼吸器をつけている、介助が必要である、私たちと違うところがあるとすれば、そこだけなのに…。

身体が動かなくなっていく自分を想像できますか?

脊髄性筋萎縮症(SMA)、ネマリンミオパチー、低酸素性虚血脳症、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)。これは、映画に出演されている5名が診断されている病名です。どの病気も身体の自由を奪っていきます。自分の身体が徐々に動かなくなっていく恐怖、あなたは想像出来ますか?私は正直、まだその感覚分かりません。でも、誰しもこのような病気にかかる可能性はありますし、重度の障害を負う可能性もあります。私たちより先に病気にかかった先輩方の日常を少しでも知ることで、自分の身体が動かなくなってきた時の心構えができるかもしれません。また、自分の大切なひとが病気にかかってしまった時の混乱した思考を和らげてくれるかもしれません。

重度障害者だからこそ人と人とを繋げてくれる

重度障害者の存在価値って何だろう?と考えてしまう方もいるかもしれません。効率を優先する世の中では、生産性のない人達を毛嫌いする人もいるかもしれません。でも、仕事が出来なくても、税金が収められなくても、存在価値を見い出すことは出来ると思います。重度の障害を持っている方が生活するにあたって、家族だけでなく、多くの方々の助けが必要になってきます。その方がいるからこその出会いがあり、人と人の繋がりが出来ます。それはとても大きなことで、その人の周りにいる方の、ものの見方・考え方を広げてくれる一助になるでしょう。そこに存在してくれているだけで、存在価値は十分すぎるほどあるのです。

まだまだ人工呼吸器ユーザーが地域で暮らすには、生きにくい社会の流れがあります。尊厳死制度の動きや新型出生率診断(NIPT)で異常判明時の中絶率が96.5%に達したこと、ある県の教育委員や国会議員の心ない発言や社会の無理解など課題は山積みです。しかし、この映画を通して、地域で自立生活している方の日常を垣間見ることで、重度障害者の地域生活での可能性や克服していかなければいけない問題など、今まであまり考えてこなかったであろうことに対して真摯に向き合い、彼ら、彼女らが、生きる場所・生き方を自由に選択できるようになったらいいなと思います。ちなみに全国各地で、自主上映会は継続中で、大阪では劇場公開もあります。大阪市淀川区にある第七藝術劇場で2月11日から3週間です。監督や出演者の舞台挨拶もあるようです。ご本人たちの思いを聞くことができるいい機会だと思いますので、お近くにお住まいの方はぜひ…。

 

トップページ | 映画「風は生きよという」 上映実行委員会 公式ホームページ呼吸器から吹く風に乗り、つながりあう人と人との物語。監督:宍戸大裕。私たちは、ふだん障害者に関わることの少ない方にこそ、本作を観てもらい、地域の人に、重度障害者の地域生活の可能性について少しでも知ってもらえればと考えてお…kazewaikiyotoiu.jp

via:映画「風は生きよという」上映実行委員会

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