在宅睡眠簡易検査で超重症、そしてVIP扱いを受ける
みなさん、睡眠はとれていますか?
私は長年、眠りに悩んできました。日によって原因は変わりますが、睡眠薬のタイミングを逃して朝まで眠れない日もあれば、運良く眠れても、ひどい寝相、いびき、寝言、悪夢、息苦しさ……と熟睡とは程遠い状態で、起きた瞬間からぐったりと疲れた状態でした。
私のようにADHDがあると、睡眠中も脳が休まらないという話も聞いたことがありますが「よく眠れてスッキリした!」なんて言える日は、年に一度もありませんでした。
ざっくり
枕探しの旅から大学病院の検査へ
「上手く眠れない」というのは、本当に辛い悩みです。眠れないと、嫌なことを考えてしまったり、翌日のパフォーマンスも低下します。もちろん、健康にも良くありません。
眠れるように色々と試すものの、なかなか上手く眠れません。きっと、枕の高さが合っていないのではないかと、運命の枕を探して気がつけば50代です。
しかし、先日とうとう大学病院で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の「簡易検査」を受けることになりました。 長年、睡眠に悩んできた私が、なぜ検査へたどり着いたのか。 そのきっかけは枕ではなく、ある「ちょっと珍しい難病」が原因と判明したからでした。
難病「エーラス・ダンロス症候群」と無呼吸の関係
私は横になると、舌の付け根や喉が潰れて息ができない感覚、体の痛みの強さが増して横になっていられない感覚、全身のしびれなどがありました。
もちろん長年の間、通院でも睡眠のことを相談してきました。でも、あまりに症状が多岐にわたるため、「メンタルの問題では?」「神経過敏になっているだけ」と、腑に落ちない言葉で片付けられてきました。明らかに症状があるのに、「気のせい」と言われるほど悲しいことはありません。
そんな中、首の痛みがひどくなって、しばらく整形外科でリハビリを受けることになりました。
ある日、リハビリ中に軽くほぐしてもらっていたら、肩を脱臼しそうになりました。そんな事は普通、ありえないと言うので、それを機に大学病院で様々な検査を受けて、私には生まれつき『エーラス・ダンロス症候群』という難病のあることが判明しました。
このエーラス・ダンロス症候群とは、遺伝的にコラーゲン組織の結合がうまくできないために、全身の関節・皮膚・臓器・血管などが柔らかく、結合が緩い病気です。神経と結合組織(コラーゲン)の共通の特性から、ADHDやASDの診断を受ける人の割合も多い、というエビデンスもあるそうです。
私の場合は、幼少期から顎関節症や全身に痛みがあり、関節の緩さが出やすかったようです。
つまり、その特性のせいで、寝ている間に顎や舌の筋肉が緩んで、物理的に気道を塞いでしまっている可能性がわかったのです。
そして、この難病が分かったおかげで、苦しくなるのは「メンタルのせい」という誤解が解け、案外あっさりと睡眠の検査へと進むことになりました。
眠れないのに睡眠の検査はできるのだろうか
最初に私が受けたのは、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある人が在宅で行う簡易検査です。 大学病院で説明を受け、検査キットを自宅に持ち帰って、当日の夜に装着して検査をしました。
その検査機器は、体に巻くベルトに本体がついていて、そこから伸びる「指先のセンサー(酸素濃度を測る)」と「鼻のチューブ(呼吸を測る)」を装着して、各々が取れないようにテープで指や顔に固定して眠ります。

簡易検査イメージ
装置をつけて、いつもより早めに寝る準備を済ませましたが、説明書には「計測に約6時間の睡眠データが必要」とあります。眠れないのが悩みなのに、6時間も眠れるのだろうか?説明書を読んでから、急に不安になりました。
全然眠れなかったけど測定できたのか
「寝なきゃいけない」と思うほど、かえって目がさえてしまう。不眠に悩む方なら、この辛さを分かっていただけると思います。
睡眠検査の機器を装着したものの、寝返りでチューブが外れないか心配だし、顔に貼ったテープもムズムズして気になります。横になって睡眠薬でウトウトはするものの、すぐに目が覚めてしまいます。
さらに、だんだんと鼻の穴に当たるチューブが動いてかゆくなり、酸素濃度を測る指が腫れて痛くなってきました。指を変えて貼り直したり、鼻のチューブをずらしたり、落ち着きません。
結局、寝たり起きたりで、トータル4時間も眠れませんでした。
翌日には検査キットを郵送で返却しましたが、「あれでちゃんと測れていたんだろうか……」と、2週間後の診察で結果がわかるまで、心配な日々を過ごしました。
衝撃の検査結果
そして、2週間後。結果を聞きに診察室へ入ると、ドアが閉まる前に先生は開口一番「超〜重症だったよ」と言いました。
どうやら、私が睡眠中に叩き出した無呼吸の回数(AHI/無呼吸低呼吸指数)は、一時間あたり約58.6回とのこと。ちなみに、正常の値が5回未満、重症ラインが30回以上とされていますから、重症ラインの倍近い数値です。
先生は真顔で告げました。 「起きている時間を含めてこれだから、一晩に倍の回数くらいの無呼吸があると思う。一分に1〜2回は息が止まっている計算になるから、寝ている間はずっと溺れているようなものだね」
通常の流れでは即治療対象のところ、珍しい難病が原因と考えられることもあり、より詳細なデータを取るべく一泊二日の入院で行う「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)」を行うことになりました。
まさかのVIP待遇 スピード入院決定
通常このPSG検査は、常に予約が一杯で、私の通う大学病院でも3ヶ月待ちは当たり前です。中には、予約がかなり先になってしまうので、急ぎの場合は外部のクリニックへ検査依頼をする事もあるそうです。
しかし、なんと私は一週間後に決まりました。どうやら先に院内でカンファレンスが行われて、「例の重症の人」として話題になっており、主治医が「あの人の予約を」と言った瞬間に、検査側ですんなりと枠が確保されたようです。
この有名人のような扱いに先生までもが大喜びしていたけれど、よく考えたらずいぶん不名誉な理由です。とはいえ、背に腹は代えられません。「眠っている間中 溺れている」と言われた私が挑む、初めてのPSG検査入院。
果たしてその結果は、どうなるのでしょうか。続きは次回の【入院検査編】でお伝えします。
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