フィンランド語の代名詞1
フィンランド語にも日本語や英語と同じく代名詞があります。
代名詞とは、「私」「あなた」「彼/彼女」などの人称や、日本語の「こそあど」に対応するものを表すための単語です。
今回は、フィンランド語の人称代名詞について見ていきます。
フィンランド語の人称代名詞でわかる事
フィンランド語の人称代名詞を見ると、人称と数の二つがわかります。
人称とはその代名詞がどの人物であるかを示します。
数はその代名詞が表す人数や物が単数か複数かを示します。
またフィンランド語の人称代名詞には、3人称に男性と女性の区別がなかったり、2人称複数を聞き手への敬称として使えるなどの特徴があります。
実際にどのような代名詞があるかを紹介します。
人称代名詞
-
- 1人称単数
minä
話し手の「私」を表します。
-
- 2人称単数
sinä
聞き手の「君」を表します。
-
- 3人称単数
hän
「彼/彼女」を表します。フィンランド語では3人称に男女の区別はありません。
-
- 1人称複数
me
話し手の「私達」を表します。
-
- 2人称複数
te
聞き手の「あなたたち」を表します。
-
- 3人称複数
he
「彼ら/彼女ら」を表します。
-
- 2人称単数(敬称)
te
聞き手に対する敬称「あなた」を表します。
活用は2人称と同じです。
フィンランド語での人称代名詞の使われ方
フィンランド語の人称代名詞は、人間のみに対して使われます。また、格変化は普通の名詞と同じ活用の形を取ります。
英語のような言語とは違い、フィンランド語では動詞がそれぞれの人称と数によって変化するので、人称代名詞がなくてもその文章に現れる人称が何であるかがわかります。なので、人称代名詞は省略される事も多いです。
特に1人称と2人称は強調する場合以外は省略される事が多いです。
ただし、「hän menee」「彼/彼女は行く」のように3人称は必要とされます。
フィンランド語の口語においては、人称代名詞は特別な強調の意味なしに使われます。
参考
言語学大辞典セレクション ヨーロッパの言語(三省堂)
ニューエクスプレスフィンランド語(白水社)
Finnish grammar(Wikipedia英語版)