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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

羊文学がやってくれた!傑作のニューアルバム!

ニューアルバム、「12 hugs(like butterflies)」、発表!

羊文学のメジャー3rdアルバム、「12 hugs(like butterflies)」が2023年12月6日にリリースされました。前作、「our hope」が凄まじい名盤だったし、既に発表されているEPとフルアルバムはすべてCDで購入するくらいには羊文学を聴きまくっていた僕ですが、待望のニューアルバム、期待と、少しの不安がありました。「our hope」という、あまりにも完成されたアルバムの次ですから、やはりメンバーも重圧があったと思います。僕も勝手に心配していました。シングル曲がリリースされるたび、その楽曲のクオリティの高さに驚いて、ニューアルバムへの期待は深まっていきましたが、「アルバム」という概念を考えると、シングル曲だけ良作、というわけにはいかない。「羊文学」というバンドへの、リスナーの信頼度は、異常なほど高まっているかのように僕には感じました。アルバムからのリードトラック「GO!!!」がJ-WAVE TOKIO HOT 100にて1位を獲得したことからも、うかがえると思います。

運命の日、12月6日

僕はタワーレコードオンラインにて、アルバムを予約していて、発売日の6日早朝にセブンイレブンに受け取りに行きました。無事に受け取れ、家にて早速開封。まだ朝早く、ボリュームをしぼって、一回目の再生。正直に言ってしまうと、そこまで胸に刺さらなかったです。まずボリュームをしぼって聴いたのが大間違いでした。ヘッドフォンを使うべきでした。2度、3度聴き返して、思いました。「あっ、ヤバイ。超傑作だわ、これ」と。

感覚としてニルヴァーナの「ネヴァーマインド」を聴いたときを思い出しました。あのアルバムも一聴したときは「よくわからない」というのが僕の感想で。でも名盤というのは一聴しただけでは、理解できない、というのが僕の持論です。そしてまた名盤というものは、それでも2回目、3回目と聴かずにはいられなくなる、というものだとも思います。それはそうです、人を理解するのがとても困難であるのと同じで、丹精込めて作った人々のアルバムを理解していくことも困難です。アルバムを聴くという事は、人を理解する作業だと思います。そして作った人々が気持ちを込めるのと比例してアルバムの理解度は難しくなります、そう思っています。

「12hugs(like butterflies)」の楽曲

前置きが長くなりました。今の時点での僕の、このアルバムを聴いた感想など書かせていただきます。

ジャケットから感じ取れるのは、人の優しさや内包された強さ、そして人の生々しさです。この女性はセルフハグしてます。自分を大事にする、それが他人を大事にすることに直結する、そんなメッセージなのでしょうか。

1 Hug.m4a

iphoneで音源を録音したそうです。羊文学のアルバムの1曲目は2曲目に繋ぐ布石のようにあると僕は思っています。今回は優し気な弾き語りでオープニングを飾ります。

2 more than words

この曲は説明不要かとも思いますが、何度聴いてもまったく飽きさせない、すごいパワーを感じますね。サビのファルセット、「just be by your side」の部分がお気に入りです。MVは夜の風景で、人の願いや祈りを感じさせてくれます。

この世界はくそったれかもしれないけど、人はそれでも歩み続けなきゃ、僕にはこの曲はそんな、なりふり構ってられないような人々にこそ刺さっていく楽曲に思えてなりません。

3 Addiction

ギターリフがカッコイイ!ソニック・ユースやスマッシング・パンプキンズを彷彿させるリフです。歪んだギターに透明感のある歌声、羊文学の代名詞になっていると思いますが、この曲は羊文学の十八番でしょう。

4 GO!!!

この曲は聴けば聴くほど凄みを増します。羊文学の新境地かと思います。つい先日、MVが公開されましたが、またこのMVがいい!MVでより化けた印象があります。

5 永遠のブルー

ザ アオハル!な楽曲。歌詞が本当に秀逸です。中でも「強さなんてまだまだ、わからないけど痛みなら少しは知ってる」は大好きなフレーズです。この曲も化けたかと。アルバムを通して聴くと、その楽曲の力強さが強調されます。

6 countdown

元気いっぱいな楽曲ですが、羊文学の特有の一筋縄ではいかないコード進行がサビで炸裂します。曲名通り、カウントダウンの部分があり、そこがまたカッコイイ!

7 Flower

ゆったりとした曲調。こういう曲を聴かせる瞬間があることが、羊文学が本当に優れたロックバンドであることを象徴していると思います。

8 honestly

僕がこのアルバムを通して、一番好きな楽曲。批判されるかもしれないほど、赤裸々な歌詞に、羊文学の今持てる、最大の力強さを感じることが出来る楽曲です。ドラムの演奏が特に素晴らしい!ヒリヒリする緊張感をとても丁寧に表現しています。

9 深呼吸

この曲が好きだというファンの方が多い印象です。まるでまだ汚されていない朝の朝日を浴びている、そんな気持ちにさせてくれる楽曲です。この曲も羊文学の新境地ではないでしょうか。

10 人魚

キラーチューンが続きます。サビの使い方が上手いですね、羊文学は。非常に感動的な楽曲です。まさしくHugされているような感触の楽曲。

11 つづく

この楽曲から最終曲、「FOOL」につづくくだりがこのアルバムのハイライトかと思います。人として生きる以上、世界の闇の部分に触れることもあります。それでも一瞬一瞬の希望や愛、光に救われ人は何とか生きていけます。絶望や混迷、光が届かない時は確かにあり、それは「つづく」けれども、一筋の人の想い、「歌」はどこかに必ずあると信じていけるように、という羊文学の願いが込められている楽曲だと思います。

12 FOOL

サビのコーラスがヤバいくらい素敵な楽曲。シングル曲ですが、ピタッと最後の曲にはまりました。羊文学のメンバーも地に足のついた終わりかたが出来た、と感じているようです。

正直、僕はこのアルバムの概要が発表されたとき、最終曲にシングル曲である「FOOL」をもってきていることに、残念な想いがありました。未発表曲の素晴らしいラストを期待していたので。何十回も聴いた「FOOL」でアルバムが締めくくられるのが、嫌でした。でも今は「FOOL」以外、エンディングは考えられないと思っています。ここまでの終わり方は他の楽曲では不可能です。本当に化けた楽曲。

いかがだったでしょうか

羊文学はまさに「希望」だと思います。音楽界、それのみにとどまらず人の生き方とか考え方の模範になっているように思えます。羊文学を聴いている人、聴いていない人、それらがカテゴライズされるほどの影響力を持つのも時間の問題でしょう。先程も引き合いに名前が出ましたが、あの「ニルヴァーナ現象」と羊文学は類似していると思います。なにを大げさなと思われる方が多いと思いますが、僕にはそう思えてならないのです。そしてニルヴァーナの最後を知る僕は、どうか羊文学は救われてほしい、と思うのです。

話が長くなりましたが、ここで明るいニュースを。羊文学がTHE FIRST TAKEにて「more than words」を披露してくれました。相変わらず、歌唱力、演奏力がオバケなのは頼もしい限りです。是非ともご覧ください。それでは今回も読んでいただき、誠にありがとうございました!

(2023年12月14日時点)

 

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