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漫画『こころを病んで精神科病棟に入院していました』の紹介

side view of empty hospital bed in clinic chamber

地活に置いてあった漫画

今年の7月から地域包括支援センターに行くようになり、そこに置いてあった漫画でいい漫画があった。それは『こころを病んで精神科病棟に入院していました』。

この漫画は作者の安藤たかゆきさんが、大学時代に閉鎖病棟に入院していた体験をもとに描いたノンフィクション漫画だ。地活に置いてあった漫画の中でもよく読み返す漫画の一冊となっている。

吃音、統合失調症、いじめに耐えて

安藤たかゆきさんの描く閉鎖病棟は悲しくもユーモラスに満ちている。読んでいて暗くはならない。安藤さんは元々吃音があり、それが原因でいじめを経験。それが引き金になって統合失調症を発症する要因になってしまう。

10代の頃に学校でいじめに遭い、リストカットを繰り返すようになり、大学時代に本気のリストカットを実行してから救急車で運ばれ、一命を取り留める。閉鎖病棟に入院した安藤さんは、そこで過酷ながらも慎ましい生活を送るようになる。

閉鎖病棟で出会った人たち

閉鎖病棟で出会った人たちは、みんな心に傷を抱えながらも前へ進もうとしていた。同じ統合失調症の武島さん、作家の池波正太郎が好きなうつ病の笹木さん、いつも見守ってくれる看護師さんたち、時には厳しく諭す主治医など病棟には多くの人がいた。安藤さんは病棟で苦しみ藻掻きながらも前へ進み、ゆっくり焦らず快方に向かおうとする。

安藤さんは退院を焦るあまり、保護室へ入れられたこともあったが本作ではそんな辛い体験も、持ち前のユーモラスによってあっさりと書いている。安藤さんの物事の捉え方はポジティブで明るい。私もそんなポジティブシンキングを見習おうと思った。

読んでいて癖になる漫画

安藤さんの画風はシンプルだけど癖になる。内容が当事者物で共感を得られやすいということもあるが、何回読んでも元気が湧く。地活でも具合が悪い時に安藤さんの漫画を読むと元気になる。安藤さんの漫画にはどんなに辛い出来事に対しても、ポジティブに変えてしまう力を備えている。

安藤さんの漫画を読み返しながら、私は心の中の澱みが浄化されていくのを感じた。精神疾患を始めとする当事者物の漫画は数多く出版されている。特に病状が悪化しているときは活字を読めないことも多くあり、エッセイ漫画は重宝された。

私も病状が悪いときにエッセイ漫画には何度も救われる。このように当事者物のエッセイ漫画は読みやすく、親しみやすい本が多い。病状が悪化したときでも、すらすらと読めるのが利点だ。安藤たかゆきさんの漫画を一度手にとってはいかがだろうか。

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