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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

うつ論(うつのHOW TO )-その2-

(体が)とんとフリーズ<その2>

突然うつ病を発症した私の物語。
当時、どのような状況だったのか、どのように苦しんだのか、どうやって前に進んで行ったのか(現在も奮闘中ですが…)、どうにかこうにか日々を生き抜いてきた男の話をエッセイ風にして書いてみました。

どうぞご覧ください。

前回の記事はこちら

うつ『病』という『病』

落ち着いてくると同時に、改めて職場と向き合わなければならないという気持ちが湧いてきた。

しかし、今すぐ職場に連絡を入れるのは自分の身が持たないということも理解していた。無理に行動を起こせば再び体が重量を増し、今度こそ再起不能になってしまうかもしれないと思ったのだ。

このように書くと「何を大げさな」と鼻で笑う人も出て来るであろう。しかしあの時私が感じた重圧、及び全身を鎖でギチギチに縛り付けられるような圧迫感はあれから三年近く経過した今でも鮮明に覚えている。そして思い出す度に呼吸が苦しくなるのだ。

視覚で共有出来なくとも、私が味わったうつ病の恐怖と苦しみは私の心の中に傷跡を残し、未だ燻り続けるものなのだ。

理解・納得の有無に関わらず、うつ病はこの世に確かに存在する苦しみの一つなのだ。この文章に目を通す紳士淑女の皆様方におかれましても、これから何らかの形でうつ病と付き合う状況になった時にはこのことを思い出してもらえると幸いである。

でんわにでるわ

話を戻す。
そうして職場からのメールを宙ぶらりんにしていた私は、考えに考えた末、せめてもらったメールくらいはチェックしようと決意した。が、それを行動に移すにもかなり時間を要した。

“行けると返信したのに、そのすぐあと行けないと再返信した”
という私の行為はどう考えても無礼に当たる。
・とんでもない量のお叱りを受けるかもしれない
・首を切られるかもしれない、物理的に(図)

などとあることないことを色々考えてしまった。
しかし、確認しないで後々まで遺恨を残すのも嫌だったので、清水の舞台から飛び降りる気持ちでエイヤッとメールを確認してみた。(図)

幸いにも上司からは承知した旨を伝える簡素なメールだけが送られており、私の危惧していた罵詈雑言は影も形もなかった。
私はホッとすると同時に自分の精神が追い詰められている事を改めて確認し、可能な限り早く病院を受診しなければと次の一歩を踏み出そうとした。

しかし一難去ってまた一難とはよく言ったもの、そう簡単に物事は進まなかったのである。

当時私がお世話になっていた先生は週ごとに来る曜日が決まっており、私がどれだけ泣こうと祈ろうとその日程が前倒しされることは無かったのである。

次に来るのは二日後であったため、私は精神不安定な状態で48時間の孤独な籠城戦を強いられることとなってしまった。

そーっとお外へ出てごらん

布団から起き上がれなくなってから早二日、2020年9月3日(木)のPM17:30。孤独な闘いをどうにかしのいだ私は寝床に留まらんとする体に鞭打って、外への一歩を踏み出した。行き先はもちろん病院である。

まるで戦争に赴くかのような体の震えと動悸を抑えながら、おっかなびっくり自宅を後にした。この時の玄関の扉の重さたるや、ゾルディック家の屋敷の門もかくやと思わんばかりのものであった。※
(※なんのこっちゃと思った人は漫画『HUNTER×HUNTER』を読んでみよう)

当時私が住んでいたマンションは、職場が契約していた実質社宅のようなものであり、そのため職場との距離が異様に近かった。職場の人間といつ鉢合わせてもおかしくない立地であったため、私はフードを目深に被り、他者の視線に気を配りながらよたよたと出発した。

 

次回へ続きます。
お楽しみに!

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