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宇多田ヒカル、レコードで振り返る初期3作

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1998年、宇多田ヒカルの鮮烈で衝撃的なデビュー

リアルタイムで宇多田ヒカルを聴いてきた世代の僕ですが、彼女のデビューは今でも印象に残っています。当時、姉が衛星放送のスカイパーフェクTVを自宅で観られるようにしてくれていました。MTVやスペースシャワーTVを毎日のように観ていました。邦楽、洋楽、どちらも好きで、今の僕を構成する大事な養分を摂取していた時期でした。

Automatic/time will tell

宇多田ヒカルのデビュー曲、「Automatic/time will tell」が1998年12月9日に発売されました。どこの放送局もパワープッシュしていて毎日のように「Automatic」のMVが流れていました。「本物」感がすごかった宇多田ヒカル。「一体何者なんだ、彼女は?」と世間の人々は皆、その実態が明かされるのを待ちわびていたと思います。作詞作曲を手がけているのは15歳の少女で藤圭子の娘だとメディアが取り上げると、瞬く間に人気を得て社会現象になりました。衛星放送のおかげでフルサイズのMVが観られたのは幸運でした。僕も宇多田ヒカルに魅せられて、CDを購入しました。「Automatic」を聴いていて、今まで聴いた事のないジャンルなのはわかるのですが、不思議と口ずさんでしまうポップさがあり、後に「どんなジャンルでも宇多田ヒカルが歌えば、宇多田ヒカルの曲になるんだ」と、凄さを実感することになりました。

Movin’ on without you

続くセカンドシングル、「Movin’ on without you」が1999年2月17日に発売しました。確か車のCMに使われていたと思います。ロック調のこの曲は、今聴いても、はっとするものがありますが、カップリング曲のB&Cが僕はお気に入りでした。

First Love

そして1999年3月10日にファーストアルバム、「First Love」を発売。発売日に買ったと思います。車で出かけて買って、すぐにカーステレオで聴きました。一番印象に残ったのは表題曲の「First Love」でした。あまりに良い曲だったので涙腺が緩んだのを覚えています。このアルバムは日本国内のみでおよそ765万枚、日本国外も含めるとおよそ990万枚の売上枚数を記録してるそうです。1999年4月28日にアルバムから表題曲「First Love」がシングルカットされました。

ここまでTV出演はなかったと思います。しかしとうとう「ミュージックステーション」に出演することになります。歌ったのは「First Love」。登場時に階段から少し転んだのも一興でした。少しだけ緊張していた風に見えましたが、存分に自身の歌唱力を披露していました。次の日は宇多田ヒカルで話題一色でした。今でもこの宇多田ヒカルのデビューは記憶に新しいです。思春期に宇多田ヒカルの音楽を聴けたのはやはり幸運だったと思います。

レコードで宇多田ヒカルの復習

宇多田ヒカルの活躍は皆さんも体験していると思います。発表する楽曲、どれもがその当時を物語っていて名曲です。僕の人生は少なからず宇多田ヒカルの影響があります。CD、MD、MP3、サブスクリプション、色々と記憶媒体は変わろうと、常に宇多田ヒカルの音楽は共にありました。そして今回、レコードを購入しました。「First Love」、「Distance」、「DEEP RIVER」の初期3作を購入しました。彼女の作品の中でも特に思い入れがあるアルバムです。

まずジャケットのインパクトが大きかったです。CDのサイズに比べてレコードは大きいですし、宇多田ヒカルの顔面どアップの迫力はレコードならではです。綺麗な顔立ちですよね、宇多田ヒカルって。今回購入したレコードは全て2枚組です。レコードは収録時間が長くなるほど、音量と音質に影響を与えるそうです。そのため、リマスタリングした良い音を、より良い音質で届けるために2枚に分けているそうです。

なるほど、確かに音は素晴らしいものとなっております。しかし音飛びが結構ありました。ネットで調べると「宇多田ヒカル レコード 音飛び」という検索結果が上位に表示されるくらい周知の事実らしいです。レコードクリーナーや針圧調整など色々と試しましたが、改善するまで時間がかかりました。僕はレコードプレーヤーを買い換えていて、現在、2台目なのですが、プレーヤーを変えたら、宇多田ヒカルのレコードは音飛びが無くなりました。レコードの音飛びというものは、本当に神経をすり減らすので、直ってよかったです。

「First Love」

宇多田ヒカルのファーストアルバムです。完成度は言わずもがななのですが、令和の今、聴いても、リアルタイムで聴いていた感動がよみがえります。まず1曲目の「Automatic」の出音の良さに感動します。ベースの音が明確に聴こえますし、かといって音のバランスが低音よりというわけでもなく、全ての楽器、そして宇多田ヒカルの声がきらびやかな印象を持ちました。アルバムを通して、音へのこだわりを感じました。特に4曲目の「First Love」はこんなに繊細だったかなと思うくらい、音が暖かく優しいです。何度も聴いたアルバムなのに、レコードで聴くと全曲、新鮮さがあり、圧倒されます。5曲目の「甘いワナ~Paint It Black」の気持ちが上がる感じもダイレクトに伝わって来ますし、8曲目の「B&C」もポップだけど切なさや愛しさがすごくうまく表現されていて、アルバムのハイライトが本当にたくさんあります。最高のファーストアルバムだと思います。

「Distance」

宇多田ヒカルのセカンドアルバムです。2001年3月28日に発売されました。僕はとにかく1曲目の「Wait & See 〜リスク〜」が昔から大好きです。この曲がオープニングなのが本当に素敵だと思います。このアルバムはシングル曲とアルバム収録曲のバランスがとても上手く構成されていると思います。次々と良曲が続きます。3曲目の「DISTANCE」、6曲目の「Eternally 」は本当にセカンドアルバムの曲なのかと思うくらい完成度が高いと思います。8曲目の「For You 」も、もはや宇多田ヒカルが10代だとか関係ないくらい、洗練されたメッセージが伝わってくる楽曲ですし、9曲目の「蹴っ飛ばせ!」も痛快なロックチューンで、心が震えます。このアルバムに限らず、宇多田ヒカルのアルバムは本当に聴きやすい、耳に優しいと思います。宇多田ヒカルは、1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)の声を持っています。1/fゆらぎとは居心地の良い空間と情報を与え、人の心を落ち着かせるといわれています。これだけ評価されて、今日まで聴かれ続けているのは、こういう要因もあるのかもしれませんね。

「DEEP RIVER」

宇多田ヒカルのサードアルバムです。2002年6月19日に発売されました。遠藤周作の「深い河」にインスパイアされたタイトルです。このアルバムから影響されたわけではないのですが、「深い河」、僕も読んだ事があり、感銘を受けたのを覚えています。後にこのアルバムと「深い河」の関係を知り、嬉しかったです。このアルバムは捨て曲無しです。シングル曲も素晴らしいですがアルバム収録曲の完成度がすごいです。どの曲も個性を持ちつつ、それでいてアルバムのよどみない流れに逆らわず、アルバムの全体をおおう内省的な雰囲気を芸術的にまとめる成分としての役割を果たすのに成功しています。フェイバリットを挙げるのも本当に難しく、それくらい全ての曲がカッコイイです。アルバムを通して、1曲目の「SAKURAドロップス」から12曲目の「光」まで順に聴くことをおすすめしたいと思います。

宇多田ヒカルのレコードを聴いて

今回購入したのは上記の3枚でしたが、他のアルバムももちろん素晴らしいです。現在の話なのですが、僕は洋楽のレコードをよく購入していて、邦楽は宇多田ヒカルのレコードのみです。宇多田ヒカルのレコードは持っておきたかったです。他にも素晴らしい邦楽アーティストはたくさんいますが、僕にとって宇多田ヒカルは青春時代を共に生きた盟友なので、優先して購入しました。それくらいには宇多田ヒカル、好きです。今の宇多田ヒカルも好きで、好んで聴きます。
今回、宇多田ヒカルのレコードを聴き、何だか奇跡を聴いている気分でした。このような人が存在していて、このようなアルバムが存在している。”宇多田ヒカル”という現象がいかにすごかったか、少しでも、伝わっていただけると嬉しいです。リアルタイムの人もそうでない人にも。
それでは今回も読んでいただきどうもありがとうございました!(2023年7月11日時点)

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