「高機能不安障害」についてご存知だろうか?
アメリカ国立精神保健研究所のウェブサイトには「高機能不安障害の人には、ネガティブな考えが頭を離れない、ゆっくり落ち着けない、筋肉が緊張するなどの特徴がある」と書かれている。
この心の病を抱えている人は、一見落ち着いて見える。また、職場で仕事を上手くこなし、頼れる友人、家族でもある。しかし、冷静に見える一方で「私はよくない友人だ」・「仕事がちゃんとできていない」「私はみんなの期待に沿えていない」と言った考えが頭の中を駆け巡っているという。
頑張っていても自分を責めてしまう傾向にある病だ。
あまり名前を聞いたことがない高機能不安障害などのメンタルヘルスについて、ウェブサイト「マイティ」では動画で説明を行っており、動画に出てくる若い女性は、この心の病についてこう説明している。
高機能不安障害の人は、努力家で、いつも忙しく動き回り、完璧主義な一面がある。
それが爪を噛む、貧乏揺すり、髪を触り続けるといった形に現れることがあるという。
「周りの期待に応えられていないのではないか…」誰しも一度は自らを評価し、ネガティブな気持ちになったことがあるだろう。ただ、本人が思っているほど、周りは敏感ではない場合もある。
過度な不安によって引き起こされる様々な症状は、周囲に理解されにくい傾向にある。
「周りの期待に沿えていない」高機能不安障害の人は、こんな気持ちを抱えています https://t.co/uRIe0wYBWZ
これ、昔の私だ。たまに今もなる。しかもADHDだから本当に辛かった。これね、本当に辛いんだよ。でも言語化デ出来ないし誰も分かってくれない。余計辛かった— 容子 (@geigekreuz) October 18, 2016
- 「私は人を満足させていない」
- 「人に頼ってばっかり」
- 「彼は私が、彼がいなきゃ何もできない人間だと思っているはず」
- 「なんであんなこと言ったんだろう」
- 「もし相手が嫌がっていたらどうしよう」
- 「なんで私頑張れないんだろう」
- 「自分は上手くやっているように見せるのが得意な人間だ」
- 「まるで詐欺師」
- 「みんな私のことを嫌いなんだろう」
- 「私は悪い友達」
- 「悪いきょうだい」
- 「悪い娘(息子)」
- 「どうせ私は何もできない」
本人はそんな風に考えているが、その間は周りから見るととても冷静に見えるのだそうだ。
こういった高機能不安障害を抱える人の中には、不安にかられるあまり、何かを書いたり、単純作業に没頭したり、走ったりというように、何でもいいから自分を忙しくするものを探こともあるのだ。
踊ったり歌ったりジャンプしたり、一見楽しいことをしているかのように振る舞うが、それは頭に浮かぶネガティブな考えをなくすための演出なのだそうだ。
アメリカでは18%の人たちが毎年、高機能不安障害を含む不安障害になると言われている。しかし、アメリカ疾病対策センター(CDC)の調査では、心の病を抱えている人の中で「他の人が自分の経験を理解してくれている」と考えていたのはわずか25%だった。
私たちの身近にも、この問題で苦しんでいる人はいるかもしれない。
あまり知られていないが、不安障害の中でも、自らの身体を傷つけてしまう症状に悩まされている人も多いという。
- 自傷性皮膚症
不安や抑うつ、強迫性障害、パニックに関連するもう1つの衝動調節障害。自分の皮膚を傷つけることで感情的な安らぎを求める。 - 咬爪癖(こうそうへき)
爪をかむ人は多いものだが、強迫的なほど爪を噛んでしまう咬爪癖という症状。衝動調節障害の一種で、強迫性障害の一症状となることも。 - 咬頬癖(こうちょうへき)
身体を傷つける反復性障害のひとつで、頬の内側の皮を噛みちぎってしまったり、異常な噛み締め・くいしばりなどが特徴。 - 自己臭恐怖症
自分がひどい体臭を発しており、周りから臭いと思われていると思い込み不安にかられる。異常なほど制汗剤を使用するなどし、人が密集する場所に恐怖を覚えるという。 - モルジェロンズ病
原因不明の発疹、痛み、蟻走感などの症状が現れる皮膚疾患。激しいかゆみや痛みで、日常生活にも支障をきたすとされる。
高機能不安障害はなかなか知られていない病気だ。もし身近にそういった症状の人が見られたならもしかすると「高機能不安障害」を抱えているかもしれない。
爪を噛んだり、貧乏ゆすりや自傷の癖もないけど、「自分を責めやすい」傾向として同感できる人は、意外と少なくないのではないだろうか。
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