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2024/10/10:フリーペーパーvol.103発刊!

孤高のロックを奏でるバンド、キング・クリムゾン

プログレッシブロック界の重鎮

1968年に結成されたイングランドのロックバンド、キング・クリムゾン。プログレ五大バンドの一つとして紹介されることがあります。プログレ五大バンド、他にはピンク・フロイド、イエス、ジェネシス、エマーソン・レイク&パーマーとなります。そもそもプログレッシブロックとは何でしょう?「実験的・革新的なロックとして、それまでのシングル中心のロックから、より進歩的なアルバム志向のロックを目指した。1960年代後半に誕生し、全盛期は1970年代前半である。当初の進歩的・前衛的なロック志向から、一部のクラシック音楽寄りな音楽性が、復古的で古色蒼然としていると見られ、1970年代半ばから後半にかけて衰退したとされている」、これがプログレッシブロックの大まかな概要です。また「プログレッシブ・ロックとは進歩的ロック、クラシック的ロック、アート・ロック、前衛ロック、実験的ロックなどの概念を包括したジャンルである。プログレッシブ・ロック・バンドはロックに、クラシックやジャズ、フォーク、地域音楽などを融合させた」ともあります。(Wikipediaより引用)

前置きが長くなりましたが、キング・クリムゾン、僕の大好きなバンドです。2019年のころスポティファイでスタジオ・アルバムが聴けていたのですが、配信停止になり、最近まで聴けなかったです。それが今(2022年、12月)ではまた聴けるようになりました。ただ配信再開のニュースはWeb上のどこにも無くて、もしかしたら一時的なものかもしれません。今回はスポティファイで展開されているものを紹介させていただきますが、CDやレコードなども流通しているので、参考になれば幸いです。

20代の頃、夢中になってレコードで聴いていたキング・クリムゾン。今回はそのキャリアの1960年代末 – 1970年代前半にスポットを当てていきたいと思います。

クリムゾン・キングの宮殿

ジャケットが有名なので、目にしたことがある方も多いでしょう。彼らの記念すべきファーストアルバムです。ギターを担当するロバート・フリップがキング・クリムゾンの頭脳であり、心臓です。彼のギターテクニックはとてつもなく素晴らしいのですが、他のメンバーも負けてなく、見事にこの傑作を完成させています。ボーカルのグレッグ・レイクの声の力も圧倒されます。キング・クリムゾンは、1969年、ローリング・ストーンズによるハイド・パーク・コンサートの前座を勝ち取ることに成功しています。この時ライブ経験がわずか7回のキング・クリムゾン。彼らがいかに順風満帆なスタートを切ったか想像に難くないでしょう。曲としても1曲目の「 21st Century Schizoid Man(21世紀のスキッツォイド・マン)」は本当に傑作ですし、 映画「バッファロー’66」の使用曲として4曲目の「 Moonchild(ムーンチャイルド)」は有名です。キング・クリムゾン入門にはこのアルバムでしょう。

ポセイドンのめざめ

前作があまりにも名盤の為、こちらは少し、影が薄い印象があるセカンドアルバム。前作のメンバーが3人脱退して、メンバー交代がありました。ボーカルであったグレッグ・レイクも脱退、エマーソン・レイク&パーマーの活動へシフトチェンジします。このアルバムのボーカルは、レコーディング済みだったのでしょう、グレッグ・レイクがつとめています。(3曲目の「CADENCE AND CASCADE(ケイデンスとカスケイド)」のみ新メンバーのゴードン・ハスケルがボーカルをつとめています。)前作のインパクトはないものの、このアルバムも聴きどころがあると思います。ちょっと怖いくらいの真剣さは伝わって来るかと。

リザード

このアルバムは、何というかつかみどころがない、漠然とした、アルバムかなと。ただイエスのボーカル、ジョン・アンダーソンがゲスト参加している点は注目したいところです。プログレッシブロック界の交流は頻繫に行われていたのかなと思います。

アイランズ

このアルバムの最も素晴らしいことは、2曲目の「Sailor’s Tale 」(邦題、船乗りの話)が収録されていることでしょう。間違いなく名曲!キング・クリムゾンはメンバーが安定せず、苦境に立たされているのですが、それでも聴きどころがあるアルバムを発表しています。僕自身、メンバーが安定しないアーティストは好んで聴きませんが、キング・クリムゾンは別格なんです。

太陽と戦慄

リーダーのロバート・フリップはメンバーとの音楽性の相違から来るバンドの内紛に嫌気がさし、一度はバンドの解散を宣言します。しかしフリップは当時イエスのドラマーだったビル・ブルーフォードの演奏をライブで見て感銘を受け、イエスから彼を引き抜き、旧友ジョン・ウェットンらの新メンバーを集めてキング・クリムゾンを再結成します。このアルバムは「Larks’ Tongues in Aspic(Part Ⅰ)」(邦題、太陽と戦慄パートⅠ)と「Larks’ Tongues in Aspic(Part Ⅱ)」(邦題、太陽と戦慄パートⅡ)での「静と動」で構成された即興演奏が素晴らしく、インストゥルメンタルながら、彼らのレパートリーの中でも、今でも根強い人気があります。ちなみに「太陽と戦慄」はパートⅤまで制作されているようです。僕は普段、インストゥルメンタル音楽はあまり聴かないのですが、というより好きじゃありません。でも不思議とキング・クリムゾンのインストゥルメンタル楽曲は昔から好んで聴きます。

暗黒の世界

1曲目の The Great Deceiver (邦題、偉大なる詐欺師)からバンドの熱量の高さがうかがえますが、このアルバムも素晴らしいです。前作と同じくジョン・ウェットンがボーカルをつとめていますが、彼の哀愁ただよう、気持ちのこもった歌声が僕は大好きです。8曲目の Fracture(邦題、突破口)も素晴らしくかっこいい!このアルバムはスタジオ・レコーディングとライヴ・レコーディング、それぞれの音源が混合された作品だそうで、キング・クリムゾンは色々な試みをしています。

レッド

このアルバムはかのカート・コバーン(ニルヴァーナ)も衝撃を受けたそうです。確かに1曲目のRedからインパクトがありますね。僕が思うのはバラード曲がとても素晴らしいことです。2曲目の Fallen Angel(邦題、堕落天使)や、5曲目の Starless(スターレス)などキング・クリムゾンの歌モノの極みだと思います。特にスターレスはバンドの集大成だと思います。このアルバムをもってロバート・フリップはバンドの解散を宣言します。それ以降もバンドは再開するのですが、僕の中ではこのアルバムまでのキング・クリムゾンが最高だと思うので、Redがラストアルバムみたいな感覚があります。それくらいの緊張感と、叙情的で孤高ともいえるプライドが聴こえる作品だと思います。

いかがだったでしょうか

今回はキング・クリムゾンについて書かせていただきました。つたない文章で、往年のキング・クリムゾンのファンの方からはお𠮟りを受けるかもしれません。それでも読んでいただけると幸いです。1970年代までのキング・クリムゾンで、聴くことに満足した僕ですが、それ以降のキング・クリムゾンも聴いてみようと思います。今回、そう思えました。とりあえずは、これでキング・クリムゾンの紹介を終えさせていただきます。読んでいただき本当にありがとうございました!(2022年12月26日時点)

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