2016年10月12~14日の期間、「第43回 国際福祉機器展 H.C.R.2016」が、東京ビッグサイトで開催された。その中で、知的障害のある人が就労現場で混乱なく働けるようマイクロプレインが開発したiPad専用ソフト、「だれでもワークプロ」が紹介された。2017年3月から4月に完成し、5月に販売の予定だ。

知的障害のある人の就労現場には、作業の工程を説明するカードなどが備えていたりする。しかし、紙に書いたボードでは長期に渡る使用を経てボロボロになってしまい、その都度作り変えているのだ。

管理者がそのボードを電子版にし、各作業員のタブレット端末に転送、内容を理解してもらおうというソフトが「だれでもワークプロ」である。タブレットの仕様に不慣れな作業員に対しては、内容を紙に出力することもできる。

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画像引用:日経デジタルヘルス

例えば、就労現場がクリーニング会社で、衣類を畳む作業を指示する場合を想定する。作業員の仕事は、畳むという動作を反復することと、衣類が十分洗濯されているかどうかなど条件を判断すること。知的障害の人にとって、「汚れがあるから別に棚に入れる」と判断するのは困難であることが多い。

そのため同ソフトは、端末を通じて1枚1枚、ほつれなどの衣類の状況を問う画面を出す。作業員による「はい」「いいえ」の答えに合わせ、畳み方の指示あるいは畳まずに棚に取り置くよう指示が表示される。その中には休憩をとるよう指示する画面も挟まれ、集中のあまり過度に疲労することを防いでいる。このソフトにより、補助員が側にいなくても作業できるのではないかと期待されている。

「一人で判断ができるように」工夫されている。

画面には、実際に作業する機器をそのまま写真にとって使用する。

知的障害のある人にとって、機能が同じものであっても機器の色が異なることで、作業できなくなることもあるからだ。

「だれでもワークプロ」の前身となったソフトが、発達障害児の歯科治療を助ける「はっするでんたー」だ。歯科治療器具の特殊な音にパニックを起こす児童もいるため、治療工程や道具を説明し、先の見通しを示すことで治療は可能になる。

はっするでんたーを使用した医療機関からは、「子どもが興味関心を持っていた」や「操作が簡単で直感的」などの声が届いたという。

近年、学校での学習にも多用されているタブレット。その使いやすさから、労働現場でも親しみ深い道具として受け入れられていくはずだ。

via:日経デジタルヘルス