知性を感じるメガネ
あるアンケート調査では、メガネをかけている人を積極的に採用する傾向にあると回答した面接官の割合が多かったという結果が出ていました。また、積極的に採用する傾向にあると答えた人の意見の中で「知性を感じる」と選んだ回答が最も高い数値を出しています。もちろんメガネをかければ面接に通るということではありませんが、面接官に好印象を与える手段として古典的ですが有効と言えるでしょう。
視力が悪い=勉強を沢山している=頭が良い=知性を感じるという古いイメージがいまだに根強く残っているのは驚くべきことです。視力が悪くなる理由は勉強以外にも山ほどあると分かっているはずなのに何故でしょうか。
一方で、興味深いものを見つけました。視力が悪い子どもがメガネをかけることで成績が伸びたという研究データです。これはつまり、知性が上がって成績が伸びたと言うことです。それも短期的でなく、長期的にです。
なかなかおもしろそうな研究だったので、今回はその内容を簡単にピックアップして紹介していきます。読み終えた人は、メガネをかけたくなると思いますよ。
視力が悪い子どもがメガネをかけて1年後
アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学や非営利団体のチームは、あるプログラムを立ち上げました。公立の学校に通う子どもたち(日本における小学3年生~中学1年生対象)に、無料の視力検査を行い、適切な度数のメガネを提供するというプログラムです。2016年に始まったこのプログラムでは、5年間で6万4千人の視力測定と合計8000個を超えるメガネを配布したそうです。ジョンズ・ホプキンズ大学チームらは、このプログラムと並行してランダム化比較試験を実施。メガネをかけたグループとそうでないグループに分けて経過観察を行うという実験を始めました。
ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームらは、実験を開始した時期と1年後にリーディングと算数のテストを行って2グループの子どもたちの成績を比べました。それによれば、1年後のテストの結果、メガネをかけたグループはそうでないグループの子どもたちと比べて成績が大きく伸びたようです。その中でも特に著しい結果を出したのが、女子生徒や実験開始時に成績が低かった子、特別支援教育をうけている生徒ということも判明しました。
これは通常の学習以外で追加教育を行った場合、メガネを掛けた生徒はそうでない生徒と比較して2~4ヶ月の追加教育相当分。成績が下位だった25パーセントの生徒や特別支援教育の生徒の場合では、4~6ヶ月の追加学習分に相当する成績のようです。
ジョンズ・ホプキンズ大学の眼科学准教授は、子どもたちにメガネを与えることが学校で役立つことを示し、学校で苦労している子どもたちに最大の利益を与えると話しました。
しかし一方で、メガネと成績の関係は、2年後には影響しないという結果を報告。研究チームは、メガネの破損や紛失にともなって子どもたちがメガネをしっかり着用しなくなったのが原因ではないかと推測しました。ほかにも、アメリカの研究チームによれば、メガネを着用することや度数のあった定期的なレンズ交換が大切だと話していたようです。
メガネ選びのポイント
目が悪くてメガネをかけている人の中には、1本のメガネしか持っていない人が多いのではないでしょうか。実は目の負担を考えてあげるならメガネは複数持つこと。さまざまなシーンに合わせてメガネを変えることが大切です。
それでは、メガネ選びのポイントをいくつか紹介していきます。
近距離用のメガネ
スマホやPCの操作など、近い距離で目を使う場合は、近いところが見えやすいメガネをかけた方が目の負担が少なくて良いでしょう。他にも学習や読書、料理をする際も近距離用のメガネをかけた方が、内容もしっかり頭に入ってきてスムーズに作業ができます。
中距離用のメガネ
手元にある会議の資料や相手の表情、テレビや会議のスクリーンも見たい方は近距離用のメガネでは見づらいでしょう。こういった場合は、近距離や遠距離に優れたメガネではなく、中距離用のメガネの方が適しているでしょう。
遠距離用のメガネ
スポーツ観戦やコンサート、ライブの場合は、見る距離が遠くなります。遠い距離に適したメガネを選ぶなら遠距離用のメガネが良いでしょう。これは車の運転をするときも同じです。交通標識や歩行者を確認する際、悪天候の中でピントの合っていない近距離や中距離用のメガネをかけていると大きな事故につながる危険性があります。夜になると、視界がさらに見づらくなって目への負担が増えてしまうので遠距離用のメガネが良いでしょう。
まとめ
前述のように2016年から実施されたアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の研究によれば、メガネをかけたグループとそうでないグループで比べたとき、メガネをかけたグループの成績が、1年後大きく伸びたことが判明。一方で2年後の成績とメガネに相関がないことが報告されています。それはメガネの紛失や破損などでしっかりと着用をしていなかったこと、度数の合ったレンズを定期的に交換していなかったことが研究チームで挙げられた推測でした。
今回のジョンズ・ホプキンズ大学の研究から見れば、目が悪い人はメガネをかけると良いと言えるでしょう。一方、実験の対象年齢が小学3~中学1年生だったので、それ以上の年齢にも適用するのかは不明なところです。しかしながら、あやふやな視界の中ではっきりした情報を目からキャッチすることは容易ではないと考えられます。他にも、メガネをかけるとポジティブ思考になるようなので、「お守りアイテム」としてかけて損はないでしょう。
情報は五感の中でも、特に視覚からキャッチすると知られており、その情報量は約80パーセントを占めるとされています。視力に限らず、はっきりした情報を拾うことは知性を養うことに変わりはないように感じました。
さて、メガネについてみなさんはどう感じたでしょうか。とりあえず、メガネをかけて一緒に考えてみませんか。
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