fbpx
2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

リモートワーク〜相手の中に自分を見るような話しかた

マスクを着けたコロナ渦のコミュニケーション

相手に何かを伝えるとき、あなたは自分の意識をどこに置きながら話しますか。

新型コロナウイルスをきっかけに多くの企業でリモートワークの導入が進んだ結果、意思疎通が難しくなったと感じる人の増えたことが、総務省の調査で明らかになっています(注1)。

伝える内容、説明に使う言葉、相手の表情の変化など、意識をどこに置きながら話すかによって、使う言葉も相手への伝わり方も、大きく変わってくるものかもしれません。

注1:総務省「図表2-3-2-4 テレワーク(在宅勤務に限る)を実施してみて問題があったこと」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd123210.html
(2021年7月8日確認)

伝えるための説明

分かってもらう、分からせる

聞き手の理解を確認しながら話すというのは重要なことです。理解とは、話し手が聞き手に対して一方的に押し付けることのできないものだからです。

私達は普段、自分の話がどの程度相手に理解してもらえたのか、その表情を見ることで判断します。しかし口元が隠された状態では、そういった判断をしづらくなってしまいます。

電話で伝えることの難しさ

どこかのお店を利用して、サービスや商品について質問したいことがあっても、カスタマーセンターへの説明が負担でやめてしまった経験のある人も多いのではないでしょうか。

電話の場合、文字だけの情報として言葉で詳しく説明しなければならず、映像の力を借りて視覚に訴えることはできません。近くの相手なら図や写真を使って説明できることも、リモートの場合は言葉での説明の割合が増加し、電話ならすべてを言葉で説明しなければなりません。

話す内容

決まったことを話す

学校での授業のように、決まった内容をある程度決まった方法で生徒に伝えるといった場合、聞く側もこれから説明される内容がどのようなものであるかを、ほとんどの場合知っています。

さらに、内容の説明に使われる単語、最終的に教員がどう結論したいのかさえ知っている生徒にとって、学習内容を理解するといった点でそれほど大きな影響はないのかもしれません。

しかし、私たちが日常的に交わす会話は、聞き手が話の内容を知った状態から始まるような例はほとんどありません。聞き手は、出てくる言葉を出てきた順番どおりに頭の中で組み立て、内容をイメージしていくしか理解する方法はないのです。

リモートワークとビジネスチャット

Zoom、Slackなど、職場でのビジネスコミュニケーションアプリを使った意思疎通の機会が増加しました。仕事が進めづらくなったと感じる主な理由は、身振り手振りを交えた説明が十分にできないといった点にあります。

仕事では、情報を簡潔に伝えることが求められるため、普段の会話ほど感情面を表現する必要はないのかもしれません。あまり多くの人と時間を、説明に割けないといった事情もあるでしょう。

しかし、表情から相手の意図を汲み取るといったコミュニケーション手段は、限られた空間で一定の期間、同じメンバーが共に仕事を進める上で、効果的な意思疎通手段でした。

相手の中に自分を見ながら話す

マスクで口元を隠した会話

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、外出時にマスクを着けることが当たり前となっている現在、私たちは目の前で話す相手の口の動きを見ることすらできません。

音声で言葉を聞き取れば、意図される内容を字面として理解することはできます。しかし、意味の取り違えを防ぐ必要から、会話における聞き返しが増えたことに、心当たりのある方もいるのではないでしょうか。

聞く側の理解を確認しながら言葉を継いでいく話し方において、相手の表情が見えないことは大きな障壁となります。自分でも気付かないうちに一方的に話してしまい、相手に何も伝わらないまま終わってしまうこともあるでしょう。

理解を確認しながら話す

このような日常で思い返されることは、言葉で伝えることの難しさと同時に、「相手の理解を確認しながら話すことの重要性」ではないでしょうか。

話し手はすべての内容を知った状態で話を始めますが、聞き手は自分が知らない内容についてのぶつ切りの説明文を、前から後ろへ順番に辿っていくことでしか、理解を進めることはできません。

相手が理解してくれることを期待して話すなら、最終的な結論に至るまでの途中の説明についても、聞き手の理解を確認しながら進めていく必要があるということです。相手の理解は相手の中でしか作られることの出来ないもので、自分がすでに持っている理解を相手に植え付ければ済むといった性質のものではないからです。

まとめ

何かを人に伝えたいと思ったら、相手の中に、自分の話を聞く自分自身をイメージしながら話すことが重要ではないでしょうか。

主語・述語はあるか、動詞は正しいものを指定できているか、時間的な前後は矛盾していないか、これから話すこの内容はすでに説明を終えた前の部分に矛盾していないか… などの点について、自分の話が客観的に理解できるものであるかを確認しながら、論理を進めていくのです。

そうすれば、自分の話が相手にどのように聞こえるのか理解し、自分の話を聞き手として評価しながら、自分の話を進めていくことが出来るでしょう。

普段の自分が漠然としたイメージだけで言葉を選び、自分の話に対する相手の理解も、自分にとって都合のいい形で相手に期待していたことに気付かされるかもしれません。

自分の説明が自分でもよく分からなくなってしまうようなことがあれば、相手がそれを理解できるはずはありませんから、相手の表情が明るくなる様子を確認しながら、話を進めてみてはいかがでしょうか。

最新情報を購読しよう!

就労継続支援・就労移行支援事業者様へ

HIFUMIYO TIMESでは毎月フリーペーパー版を発行しており、各エリア版の加盟店を募集中です。福祉事業者に最適なブランディングと広報力をご提供します。詳しくはお問い合わせください。