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2024/11/10:フリーペーパーvol.104発刊!

意外と身近な精神疾患・統合失調症ってどんな病気?

統合失調症とはどんな病気なんだろう?

たくさんある精神疾患の中の一つ、統合失調症。その患者数は、人口の約1%(100人に1人)と言われています。有名人の中にも公表されている方か沢山いて、お笑い芸人の岡村隆史さんや SEKAI NO OWARI のリーダーの Fukase さん、Kinki Kids の堂本剛さん、さらには夏目漱石や、ゴッホも患者であると言われています。
そんな、意外と身近な統合失調症を今回は取り上げてみようと思います。

統合失調症とは?

統合失調症とは、感じ方や考え方・行動をまとめる(統合する)ことがうまくいかなくなる病気です。先にも触れた通り、100人に1人がかかっていると言われており、決して珍しい病気ではありません。
原因ははっきりとは分かっておらず、脳内のドパミンという神経伝達物質の働きの乱れや、心理的・社会的なストレスが関係しているのでは?と言われています。
気分の落ち込みや意欲の低下など、様々な症状が現れますが、治療・服薬・カウンセリングなどを含め、上手に付き合うことで日常生活を取り戻すことができます

統合失調症の症状

まず、統合失調症の時間経過と症状をみていきましょう。

・前駆期
職場や学校などでストレスが発生している時期です。不眠や不安などの症状が出始めます。
休息や休養などが必要です。また、メンタルクリニック等に相談に行くのも良い解決法になるかもしれません。

・急性期
幻覚や妄想などの陽性症状が現れる時期です。また、自分のことでいっぱいになってしまうため、周りの注意や意見を聞けなくなってしまったり、記憶力・注意力・集中力・判断力の低下という認知や機能の障害も見られます。症状の中では、1番悪い状態です。
休息や休養を取ったり生活リズムを見直し、規則正しい生活リズムを作るように心がけたり、メンタルクリニック等の治療を受けることが必要になってきます。

・休息期
やがて、陽性症状が落ち着くと、感情の鈍化や思考の貧困・意欲の欠如や自閉(引きこもり)などの陰性症状が現れます。
バランスの取れた活動を始め、生活のリズムを整えたり、カウンセリングなどリハビリテーションを始め、リカバリーに向けて整えていく時期でもあります。
この休息期に一気に頑張りすぎてしまうと、ストレスなどでまた再発してしまう危険性もあります。早く普通の生活に戻りたい気持ちは痛いほどわかりますが、じっくり腰を据えて自分がどういう時に症状が出てしまうのか、症状が出た時の対処法をしっかりと把握することも後々大切になってきます。周囲の人にもそれを伝え、理解してもらうことで、自分としても活動しやすくなってくると思います。

・回復期
通院やリハビリなどのサポートを受けながら、社会生活が出来ていく時期になります。最初は不安などもあるでしょうが、周囲の理解やサポートとともに問題を解決していくことにより、徐々に消えていくことでしょう。
サポートは引き続き受けていくことをお勧めします。もし何かあった時の相談先として、大事なところになるからです。病院ならば、周囲の人に話せないことなどの相談もできるでしょう。

治療には目標を持って

服薬治療だけでは回復できないのも、統合失調症の特徴です。むしろ精神疾患全般に言えることかもしれません。
薬物治療は現段階ではイライラや興奮の低減ぐらいしか効果はありません。心理的な不安を取り除くことによって幻覚や妄想を軽減していき、作業療法や生活技能訓練などで認知機能を改善していき、就労訓練で社会機能の回復を目指していきましょう。
一つ一つの段階において、自分が納得できるように治療の方針を決めていきましょう。お医者さんと話し合うこと、ゆっくりと考えることも必要です。示された方針について、どういったいいこと、悪いことがあるのか、自分が急ぎすぎていないかなど、ゆっくり考えて納得のいく治療をしましょう。長く付き合っていくことになる病気ですので、きちんと納得して続けられるような治療の方法を選びましょう。

社会復帰・自立のために

他の精神疾患同様、再発のリスクの大きなものに服薬の中断・生活リズムの乱れ・ストレスがあります。

・きちんと服薬を継続する

お薬は毎日服用することで効果が安定し、生活をサポートしてくれます。自分勝手な判断でお薬をやめてしまうと困った体験や症状がまた出てきてしまう(再発してしまう)ので、お薬の服用は続けることが大切になってきます。
忘れがちな方は、飲んだらカレンダーに印をつけてみたり、食事と一緒に薬の準備もしておいたり、お薬ボックスやお薬カレンダーで分かりやすいように整理してみたりしましょう。また、お薬の服用をやめてしまった場合、きちんと続けた場合に比べて約5倍再発の危険性があると言われています。

・生活のリズムを整える

起床・食事・日中活動・就寝などのスケジュールを決め、できる限り規則正しい生活を送ることを心がけましょう。生活リズムが整うと、精神的にも安定してきますし、また、十分な睡眠を取ることによって、ストレスを受けた脳を休ませる効果があります。食事の時間を決めることで、薬の効果を十分に発揮させることもできますし、飲み忘れも少なくなるでしょう。

・ストレスに備えよう

ストレスは再発の引き金にもなりますので、備えと対処法を知っておく必要があります。
引っ越しや職場(学校)など、環境の変化があると、大きなストレスを受けやすくなります。その回避方法として、準備期間を十分に取り、ゆっくりと慣れていくようにしましょう。
また、回復期の所で書いた通り、サポートとともに対処したり、自分が対処できた内容を記録しておくことでもストレスに対する備えになります。“私のトリセツ“を作るというのも話題になっていましたね。

1人で悩まずに、サポートも使いましょう

いきなり社会復帰というのも色々な不安が渦巻いてしまい、難しいものです。そこで、精神科デイケアや地域支援センターなどでリハビリテーションを受けてみるのもいいと思います。
同じ病気を持つ者同士が交流し、悩みを話し合ったり、ともに活動する中で対人関係を学ぶこともできます。また、定期的に通うことで、生活リズムを作ることもできます。

将来は社会復帰を目指したい人には、地域活動支援センターや就労継続支援事業・就労移行支援事業などの選択肢もあります。それぞれの特性に配慮した活動の場で人間関係の築き方を学んだり、仲間を作ったりできます。詳しくは、各市町村の障害福祉課や支援課の担当窓口、病院のケースワーカーなどに相談してみましょう。

通院のお金が不安な方には、自立支援医療制度もあります。精神科の治療のため、定期的・継続的に通院している場合の医療費を補助していただける制度です。通院による医療費のみの対象になりますが、自己負担を1割に減らすことができます。詳しくは、かかりつけの病院へお問い合わせください。

また、病状の程度によっては、精神障害者保健福祉手帳(精神障害者手帳)の交付や障害年金の受給ができる場合もあります。手帳を持っていると、交通費などの割引サービスを受けられることがあります。詳しくはかかりつけの病院やお住まいの市町村にお尋ねください。

今回は統合失調症について見ていきました。私の友人にも統合失調症の方がいて、現在病院のグループホームからB型作業所に通っています。将来的には社会復帰を目指して頑張っています。
私も違う病気(うつ病)ですが、外部サービス利用型のグループホームからB型作業所に通っています。無理をして再び病院に帰ってくる方もいます。無理せず、焦らず、じっくりと病気との付き合い方を考えていきたいですね。

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