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2024/12/10:フリーペーパーvol.105発刊!

「感動ポルノ」に立ち向かったリオパラ車いす陸上選手から学ぶべき「的確な報道」

リオパラリンピックで日本もメダルラッシュに湧いている。ボッチャに陸上、水泳と立て続けにメダルを獲得し、止まらない勢いである。このままメダルラッシュの流れで最後まで突っ走って欲しいものだ!!

まだ金メダルの選手は出てきていないが、メダルを取れるだけでも非常に大したものである。選手たちの重圧も計り知れないものかもしれないが、それぞれ自分の成果を十分に発揮してほしい。

金、銀、銅のメダルの色よりもやはり、選手たちの頑張りのほうに視聴者側としても目を向けるべきではないだろうか。

そうした大会の最中、ある車いす陸上選手が記者会見で話した言葉に注目が集まった。

リオ後に安楽死するという報道は間違いです

尊厳死・・・人間としての尊厳を保ったままで命をまっとうすること。回復の見込みのない状態や苦痛のひどい状態の際に生命維持装置を無制限に使わないなどの対応がなされる。

安楽死・・・回復の見込みがなく、苦痛の激しい病人を、本人の依頼または承諾のもとに人為的に死なせること。医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼ぶ。

ベルギー人の女性車いす陸上選手マリーケ・フェルフールトさんが、数日前の欧州メディアの誤報に対し「抗議」したのである。

彼女は今大会直後に安楽死する。

彼女は、筋力が衰える進行性の脊髄(せきずい)の病気を抱えている。その病気による耐え難いような痛みと戦い続けている。

14歳の頃に発症。時には泣き叫びたいほどの痛さと戦い続けてきた彼女は、2008年に3人の医師の判断を経て合法的に安楽死をする書類を準備した。安楽死という選択肢があることを知ってもらいたい思いはあるが、すぐにでも死のうとしているという報道のされ方には抵抗感があった。大会後は、残りの人生を家族、友人と楽しみ、苦痛に耐えられなくなった際に安楽死を選ぶという。

日本では殺人罪といった犯罪にもなりかねない行為だが、彼女の出身地のベルギーなどヨーロッパの一部の国では安楽死という人生の選択肢も合法的に認められている。

日本でもし安楽死のような行為に関われば、「殺人罪」「同意殺人罪」などに問われることになります。

安楽死というのは、重い選択のようにに感じてしまうが、激痛と戦い続けている彼女自身にとってはおそらく最善の方法なのだろう。でも、大会後すぐに安楽死を選択するというわけではなく、残りの人生を楽しく過ごして、そこで耐え切れなくなったら安楽死を選択するつもりだったのだが…。

確かに彼女は、安楽死を希望していた。

しかし、どんな勘違いをメディアはしてしまったのか、いかにも緊迫しているかのような表現を今回使ってしまった。

そんなに彼女に一刻も早く死んでもらいたいのだろうか?そうではなうはずだ。やはりメディアは「感動ポルノ」としてパラリピアンを使ったのだ。勝手にそうやって人様の命を、他人が決め付けるのはいかがなものか。彼女も僕たちと何ら変わりのない同じ人間である。いつ安楽死を選択しようが、最後に決めるのは彼女自身である。

このような誤報では「メディアは、安楽死というキーワードで注目を集めようとしたのではないか」というふうにも受け取られかねない。最近話題になっている「感動ポルノ」そのものである。

困難を乗り越えて挑戦する選手らの姿を伝えることは、スポーツ報道の大切な要素だ。ただ、障害者スポーツでは、読者に伝わりやすく、記事に仕立てやすい障害の部分だけを、ことさら取り上げてしまう自分に気づくことがある。

スポーツ報道としては、読者に端的に分かりやすく伝えるのが一番の使命であるが、だからといって実際とかけ離れたことを取り上げて肉付けしてしまうのは当然あってはならないのではないか。

端的に分かりやすく、かつ的確に伝わるようにメディア側は努力してほしい。

4年後の東京開催を前に、朝日新聞を含めた各メディアは、リオ大会を手厚く報じている。パラリンピックで障害者を取り巻く状況を伝えることは大切だ。その上で、それぞれがどんな知恵と心構えで勝負に挑んでいるのかを的確に報じたいと思う。大げさでショックな話にしなくても、フェルフールトさんの状況の深刻さは伝わる。

日本のメディアも今回、リオ大会の報道に力を注いでいる。とてもありがたいことだが、4年後の東京パラリンピックでも的確な報道が求められる。彼女が今回の会見で示した教訓を忘れることなく、次の東京での報道でもしっかり生かしてほしいものだ。

私はまだメダリストとして、生きることを楽しみたい。20年には観客として日本に行きたい

マリーケ・フェルフールトさんが安楽死を選択するというのは、正直僕にとっても寂しいことである。痛みと闘いながらになるだろうが、ぜひとも4年後の東京にも足を運んでもらいたい。

http://matome.naver.jp/odai/2141500355113451701

via: NAVERまとめ

https://www.undotsushin.com/p/68374/

via:運動通信

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