スカパーは、2020年の東京パラリンピックに向け障害者スポーツの中継に力を入れている。この取り組みは、2008年に開催された、第37回日本車椅子バスケットボール選手権大会から始まっており、今年のリオ・パラリンピックもスカパー加入者なら無料で生中継を見ることが可能だった。

なぜスカパーは民放キー局のようにスポンサーは付かず、利益を出すのは難しいのにそこまでして、障害者スポーツの中継にこだわるのか、BSスカパー!の編成・制作の統括とパラリンピックプロジェクトを兼務する渡部康弘氏がその理由を語っていた。

「中継を続けていく中で、いずれはビジネスとしても成立してくるだろうという感覚は得られるようになってきた。パラリンピックや障害者スポーツのコンテンツとしての力は、だんだんと強くなっていることを感じます。今、国内で行われる障害者スポーツの大会は、そのほとんどが無料で見られる状態ですが、2015年に行われた車いすバスケのアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉や2016年の全日本選手権の決勝戦は観客席が7〜8割は埋まっていました。また2015年に行われたブラインドサッカーのアジア選手権兼リオデジャネイロ・パラリンピックアジア最終予選は、有料イベントなのにほぼ満員になっていました。“障害者スポーツを見たい”というニーズは絶対にあると思うんです

「パラスポーツを見たい」という視聴者の声が高まっているのだ。しかし、地上波放送で障害者スポーツの放送が増えたら、スカパーのライバルが増えるのではないだろうか?

「我々は他のメディアに先駆けて障害者スポーツに取り組んできましたが、独占しようとはまったく思っていません。お金を払ってまで障害者スポーツを見たいという人を増やすためには、かなりの量のファンを増やさなくてはいけませんが、それは我々だけでは難しい。誰でも見ることができる民放キー局の地上波放送でライト層が増え、彼らが次第にコアなファンになり、そして、より多くの障害者スポーツの番組を見るためにスカパー!に加入してくれるという流れができれば、完全にビジネスと言える状況になりますから」

スカパーの目標は、「2020年、東京で行われるパラリンピックのすべての会場を満員にすること」だそうだ。

現在は「パラリンピックを見るためにスカパー!に加入する」という人はほとんどおらず、パラリンピックをはじめとした障害者スポーツの中継だけでは利益を得ることができていないという。しかし、今年のリオパラリンピックをきっかけに、さらに2020年の東京大会が近づくにつれ、そのニーズの高まりに期待したいところだ。

「今まで障害者スポーツを見たことがない人が、2020年になっていきなり会場に足を運んでみようとはならないでしょう。それに、中には食わず嫌いで障害者スポーツを見ていないという人もいると思います。だから、今回のリオデジャネイロ・パラリンピックをテレビで見てみて、スポーツとして面白いかどうか判断してもらいたいんです。そこで障害者スポーツの面白さを少しでも感じてくれれば、2020年の成功が近づくと思います」

まずは興味を持ってもらうための入り口が今までの障害者スポーツ中継であり、今回のリオ・パラリンピックの無料生中継だったのですね。納得!2020年東京パラリンピックですべての会場が満席になることを願っています。

via:SPORT INNOVATORS