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2024/4/10:フリーペーパーvol.97発刊!

鹿児島市内の電車やバスでSuicaが利用可能になる!?

鹿児島市交通局の調査報告

全国各地で使用可能な交通系ICカード(SuicaやSUGOCA等10種のカード)が鹿児島市内を走るバスや市電(路面電車)では利用できない。「鹿児島市を訪れる観光客はもちろんのこと、住んでいる人達も不便を感じている」という調査結果を元に、鹿児島市交通局が中心となり、交通系ICカード導入について検討し、2020年1月28日鹿児島市交通局が調査・議論した内容を発表した。

残念な鹿児島市交通局の調査報告

鹿児島市交通が交通系ICカードについて議論した結果報告は、何の具体的な取り組みも検討期限も決めず、一言でいえば、「先送りします」という内容だった。

市営バスの収益が低く、路線や本数を縮小し、民営会社へも移行しながら運営を模索していることは、市内で生活しているならば多少の理解はできている。しかし全国でも数少ない”交通系ICカード全国相互利用サービスが使えない市”に居座り続けるのは観光収益を上げたい方針と相反すると思う。

国土交通省が、2020年度までに全国相互利用カードをすべての都道府県で使えるようにすることを発表(その施策を盛り込んだ「交通政策基本計画」 が2015年2月に閣議決定済み)、2017年3月末時点で既に交通系ICカード”未導入の都道府県は6県のみ、以降減り続けている状況だ。

そもそも交通系ICカード全国相互利用サービスとは何なのか?

交通系ICカード全国相互利用サービスとは、非接触型ICカード方式を採用している電子マネー機能付き乗車カード、通称「交通系ICカード」のことで、11団体が発行する10種類のカードについて乗車カード機能及び電子マネー機能を相互に利用可能としているサービス(一部例外を除く)。2013年3月23日から開始された。

一枚のカードで、別のICカードエリアでも乗車カードとして利用できる。10種のカードが個別に相互利用協定を結んでいる他のカードエリアでも、利用可能となっている。旅行や出張で他県へ出向く際にも、ふだん利用しているICカードがそのまま利用できるので大変便利だ。

グローバル目線過ぎるよ、鹿児島市交通局!

鹿児島市交通局は交通事業経営計画作成を進め、来年度(2021年度)からの7年間で鹿児島市内のバス・電車事業をどのように継続させていくかを検討している。その計画原案の中で「交通系ICカードの導入などを検討する」としている。この原案について市民からも意見を求めたところ、「観光客も住民も不便を感じている」ということが明確にわかった。しかし鹿児島市交通局の鞍掛交通局長が2020年1月28日に発表した議論結果報告は、国よりも上を行く、超グローバル目線だった。

「全国共通カードといっても日本国内だけ。世界的な動きは実はクレジットカード。世界中の人が持っているカードを使える時代が目の前に迫っている。だから少し待ってみようかという気持ちもある」と話した上で、「一番早く導入できるのは全国共通ICカード。導入を常に模索しなければならない」と、利用検討も続けるとした。

テレビでそのニュースを観て、随分と世界的な目線での発言にとても驚いた。住民よりも…国内からの観光客よりも、海外からの観光客をメインに考えていたのか!?その割には、日本人ですら知らない人物に関する観光施設に多額の費用をかけ、完成間近になってから「駐車場がない、食事をする場所もない」と騒ぎ出す無計画な県だ。

日本のクレジットカード、交通系ICカード付きクレジットカード(モバイルSuica等含め)決済の利用普及ペースから考えても、日本人全体がカード決済中心の生活へシフトするのには、まだまだ長い時間がかかるだろう。せっかくの調査も議論も、具体的な問題解決案も無く、ただ「検討してますよ」というパフォーマンス、もともと「国か県が補助金でも出してくれればね…」という、市が主導の積極的導入は考えていない方針だったのではないか、とすら思った。交通機関の整備は急務だ。観光施設へ使う予算数億円よりも、県や市、企業が力を合わせて最優先すべきではないだろうか?

土地柄でゆっくりなのでしょうか?

鹿児島県・鹿児島市は、調査や検討中という名の先送りの問題が特に多く目立つ気がする。日本全体が「時間をかけて検討しました」という前置きが好きな風潮で、国政、裁判や法改正にも無駄に時間をかけるが、それに輪をかけたのが鹿児島のゆっくり感だ。地方の良さ、温暖な土地柄から…と良い捉え方もできるが、責任の所在をうやむやにし、サクッと問題解決したほうが良い場合でも、のらりくらり…まだ決まってないのかいっ!と感じるニュースで溢れている。費用負担の押し付け合いや企業との力関係が裏にあるのかもしれないが、見ていて気持ちの良い話しではない。

鹿児島の複雑なICカード事情

東京に住んでいた感覚で鹿児島へ移住して来た私は、鹿児島市内の交通機関の使いにくさに大変戸惑うこととなった。未だに鹿児島市の複雑でわかりにくい交通について、理解できていない。鹿児島中央駅にまだオレンジカードが使える券売機がある事にも驚いたが、私の場合は現金で交通機関を利用しながら、必要最小限の知識をつけてラピカ(Rapica)を購入した。

SUGOCA、ラピカ(Rapica)、いわさきICカードの違い

鹿児島県・鹿児島市内を走るJR九州路線では、交通系ICカードのSUGOCAというカードが利用できる。しかし鹿児島市を走るバス・市電(路面電車)では、この交通系ICカード(SuicaやSUGOCA等10種のカード)の利用はできない。代わりに紙で出来たICカードの、「かごしま共通乗車カードラピカ(Rapica)」がある。紙なのにデポジットもSuicaと同じ500円分がしっかり初回購入費に含まれ、随分納得のいかない気持ちで購入した記憶がある。さらに、いわさきグループの「いわさきICカード」というものもあり、利用可能なものが重複している。

鹿児島市営バスと各社路線バスの混在

知らない土地で、どの路線のどのバス停を何処の会社が運行しているのか何て知識は無い。しかし鹿児島市内には同じバス停の同じ行き先でも、「YAHOO!乗換案内」では運行会社ごとに検索をしないと全ての便がわからなかったし、その他のネット検索でも必要な情報が一目でわかる結果がサクッと出て来ない。バス停自体に、全停車バスの路線が書いてない・時刻表すら無い、という場合もある。鹿児島中央駅にも分かりやすい案内板が無く、目的のバス乗り場が何番なのか、ネット検索でも分からない。さらに市電(路面電車)の乗り場や路線も理解が必要になる。とても複雑だ。

使えない事の不便さを痛感するSuica

東京に住んでいた時は、SuicaやPasmoを持っていれば大抵どの会社の電車もバスでも利用が可能だった。私はSuicaを愛用していたが、チャージをしておけば長い切符売り場の列で毎回並ぶ事もなく、時々チャージ専用機でサクッとチャージが出来て便利だった。定期券もSuica一枚にまとまり、今では乗車料金まで割引になる。2001年にJR東日本がSuica導入以来、Suicaのサービスはどんどん広がり、買い物も出来るし、クレジットカードを使いたくない派の私にとっては大変便利なものだった。

交通機関の整備を最優先に!

観光客が旅先でまた訪れたいと思うには、「落ち着く、美味しいものが食べられる、好きな観光地がある、人が親切、生活がしやすそう、いつか住んでみたい」等色々だと思うが、移動の分かり易さは重要な要素だと思う。何度も言うが鹿児島市は非常に交通が不便でわかりにくい。無駄に疲れる。東京から来た知人も皆、解りにくくて困る…という。

観光客が再び同じ土地を訪れたい、と思う要素は?

あまり電車も走っていない所で、レンタカーやタクシー、1日数本のバスの時間を気にして行動するだけのほうが気が楽だったりしないだろうか。例えば沖縄の人気は土地の魅力にプラスして、シンプルで親切な解りやすい交通手段も大きいと思う。旅先で移動に迷って疲れ、もう二度と来たくない…と思った経験は、誰しも一度は有るのでは?

まとめ、新しい観光地建設の前に交通機関の整備を!

交通系ICカードについては、他県で利用できるという視点で導入する必要は無いが、観光客獲得のため、市民の生活の向上の為には新しい施設や観光地の建設よりも、案内板の設置や交通系ICカードを利用可能にする方が圧倒的に安くて優先順位が高いと思う。すでに鹿児島には、素晴らしい観光地がたくさんあることを有効利用してほしい。

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