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2020/08/10:フリーペーパーvol.53発刊!

忘年会で、障害的にお酒を飲めない人たちへの配慮

忘年会、お酒を飲めない障害者への本質的な配慮

年末年始にかけて、忘年会、新年会と、会社の人たちが集まってお酒を飲む機会が増えます。その中で、特に精神疾患を持つ人は継続的に強い薬を服用している場合が多く、基本的にアルコールは禁止です。周囲は事情を知らないこともあり、親しみからお酒を勧めることもあるわけですが、勧められたお酒を断ること自体、障害者にとっては大きな負担です。

飲めないことを伝えて「分かった、無理して飲まなくていいよ」と、理解してもらえればいいのですが、

「なぜ飲めないの?」
「え、どこか具合でも悪いのか?」
「いやあ、少しぐらいは飲めるようになっといた方がいいぞ」

などと先輩、上司が言い出して、そこから苦痛の時間が始まるのです。

障害者の薬事情

精神の障害を持つ人は多くの場合、毎日食後3回、かなり強い薬を服用し続けなければなりません。

服薬は一生

精神障害にもさまざまな種類があり、その疾病がさらにいくつものタイプに分類されます。統合失調層、うつ病、双極性障害、発達障害など。発達障害だけでも、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、協調運動の障害、言語の障害など、さまざまに細分化されそれぞれが独自の特徴を持ちます。障害者は、安定した生活を送ることを目的に、ほぼ一生に渡って服薬を続けなければなりません。

安定剤、副作用止め、胃薬

薬の内容は、まず主となる「安定剤」が多くの場合は1種類、これを効果的に作用させるため何らかの補助剤が複数併用されることもあります。精神疾患の症状そのものに効果のある薬はこれでほぼ全部だったりします。そして、ここから先が、服用する薬の数が増えてしまう原因になります。安定剤などの薬は刺激がとても強いので、ほとんどケースで「副作用止め」を同時に服用します。強い薬で胃腸を傷めてしまわないよう、同時に胃薬を飲むこともあります。すると結果的に、1食だけで3〜5錠の薬を服用することになってしまうのです。

精神障害者とアルコール

風邪を引いたら、薬によってアルコールを控えなければならないことは誰にも覚えがあるでしょう。

精神安定剤の眠気

風邪をひいて風邪薬を飲んだものの、仕事中に眠くなって困った経験が誰にでもあるのではないでしょうか。精神安定剤が引き起こす眠気は、風薬の何倍も強いものです。飲みなれていない人なら、到底起きていられるようなものではないと思います。精神疾患を持つ人たちが普段から眠気を感じ、反応の鈍さを見せる理由の一つに、強い薬に体が弱らされていることもあります。例えば高校生で発症した場合、1日にぎっしり詰め込まれた6コマの授業を3年間受け続けるのは、難しいことかもしれません。

参加者の配慮

そんなとき、「なぜ飲めないの?」「え、どこか具合でも悪いのか?」「いやあ、少しぐらいは飲めるようになった方がいいぞ」などと先輩、上司が言い出したら、自分はどんな気持ちになりますか?「もううんざりだ、やめてくれ」と言いたくもなるでしょう。私も同じ目に会っていたから、こういうときの逃げ場のない気持ちはよく分かります。その後、副作用の少ない多くの薬が開発されましたが、同時にアルコールを飲むことで深い昏睡に陥る人もいるくらいですから、飲めない人に無理やり勧める行為は拷問みたいなものです。この問題を、あまり軽く考えないほうがいい。

まとめ

障害者で薬を飲んでいるからアルコールは飲めない、という特化した理由が無くても、飲めようが飲めまいが本人がそこでお酒を飲むかどうかは本人が自分の意志で自由に決めて良いことのはず。飲まないという意思表示をしている人に、さらに勧めるなどということは絶対にあってはなりません。

障害的にお酒を飲めない人

服薬管理の厳しい障害者ならなおさらです。ここ数年の障害者に対する関心の高まりから、障害者や障害そのものへの知識が一般の人々にも徐々に広まりを見せ始めています。服薬やアルコール摂取、休養や睡眠について配慮をすべき事柄についても、詳しい人も一部増えてきました。しかし、まだまだ詳しい事情については知らない人の方が大半です。

親しみとは、頭が明瞭なお酒の入らないとき、意思疎通をしっかり取りながら作り上げればいいはずのもの。わざわざアルコールを飲んで判断力が鈍るタイミングを選ぶ必要はありません。これから増えてくる忘年会で、仕事の実績そのものとは関係の無いところで働く障害者が悩まされることのないよう、お酒を飲めない障害者の事情について、深く配慮していかなければならないでしょう。

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